【試合感想文】 8/4ロッテ5-3楽天:初球スイング率52%。ポランコ要警戒、超積極的につき!
ポランコ、超積極的につき
やはり、初回いきなりの4失点、それも一振りで決められた影響はデカかった。
腰痛から復帰した6/18○E2-1G以降の5試合で31.2回・防御率0.85と「Mr.安定感」を取り戻した岸孝之が、この日は誤算だった。
立ち上がりにいきなり無死満塁を招くと、バッターボックスは4番・ポランコ。
楽天戦で打率.306を記録し、カード別最多5発を放つドミニカンに、外から入れた初球スライダーが甘く入ってしまい、右中間スタンドへガツンとヤラれてしまった。
ベテラン右腕にしては、あまりにも不用意すぎ。
外国人というと、初球からガンガン振ってくるイメージがあるが、実は最近の彼らはそうではない。
今シーズン、楽天と対戦したポランコ以外の外国人打者の初球スイング率は27.6%。日本人のそれと大差ない数字だ。しかし、規格外のパワーを持つ196cmの長身助っ人だけはやっぱり規格外。な、なんと、51.8%を記録していた。
当然、彼も明らかなボール球は振ってこないことを考慮すると、体感上、初球ストライクゾーンに入った球の8割9割ぐらいでスイングされているイメージになる。
実際、2打席目、3打席目も1-0、2-0からの1stストライクに手を出しており、岸がKOされた3打席目の左安も初球打ちだった。
今後、ポランコには初球の入り、1-0や2-0からの1stストライクを取りにいくとき、今まで以上に要警戒したい。
第4の球種で2発含む4安打を計上
球質の特性上どうしても例年被弾多めの岸。昨年はパリーグ被本塁打ランキング2位。しかし、今シーズンは一転、55回を投げて3本に抑えていた。
しかし、これはただ単に僥倖だったにすぎない。
岸のフライ率を確認してみると、例年どおりの高め推移である。BABIPなどと同様、フライに占める本塁打の割合を表すHR/FBも平均回帰傾向があると言われている。フライの中の一発の割合は、あるパーセンテージに収束していくというのだ。だからセイバー的な見方では、たまたま、ここまで柵越えしなかったという判断になる。
だから、今季初の2被弾のリスクは常に抱えていたと言えそうだ。
ただ、悔やまれるのは、許したヒット10本中、ポランコと山口航輝の2発を含む4本までもがスライダーで打たれたこと。
当noteでは再三再四の言及になるが、岸にとってのスライダーは第4の球種である。スライダーといえば空振りを奪うポピュラーな必殺球だが、岸の場合は他の投手と比べて空振り率が低い。
今では投球の幅をもたせるため1試合に10数球~20球と使っているが、2020年には数%しか使用していなかった。翌2021年開幕前3/18号の『Number』のインタビューでは・・・(続く)
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