【試合感想文】 4/19楽天1-2オリックス:旧態依然。アップデートされない楽天ベンチのトホホな投手運用
西口直人のブラック労働
同点で迎えた8回、思わず我が目を疑ってしまった。
楽天の三番手として登板したのが、西口直人だったからだ。
平沢大河に逆転決勝2ランを被弾して敗戦投手になった4/8●E4-5M以降、あきらかに調子は下降ぎみ。
しかも前日のカード頭にも1イニング投げており、今季はやくも2度目の2連投。開幕14試合目ながら両リーグ最多タイ9試合目のマウンドになっていた。(ほかは7回に失点した鈴木翔天とヤクルトの石山泰稚)
もっと言えば、この登板は直近7日間で4度目の登板である。
楽天で直近7日間での登板数が4試合を数えた例は、今季まだ序盤にもかかわらず5度を数えている。下記のとおり、そのうち2度は西口だった。まだペナントレースの最序盤だというのに、特定投手への負担を増やしてしまってよいのだろうか?という疑問がぬぐえなかった。
疑問は不安感に変わり、すぐさま現実になってしまった。
先頭・森友哉の一安は、ファースト伊藤裕季也のミットを弾く強襲安打だった。確かに強いゴロだったが正面。なんとかして捕って欲しかった思いはある。
そんな不運な当たりを起点に1死2塁で来日初出場のシュウィンデルに決勝打を浴びてしまった。
見逃せばボールとなる低めフォークをうまいことひろわれての中前へ。勝ち越しのランナーが2塁にいるのに、打者が外国人という要素が大きかったか、外野は前に出てこず。そのため、2塁から森が悠々生還し、辰己からの返球はホームまでやってこなかった。
先日から真っ直ぐの調子がかんばしくない。
ひっかけたり指にかからず、本来の快速球が影を潜めてしまっている。そんなわけで前日は速球5球、変化球12球、この日も速球9球、変化球15球と変化球を多投した組み立てを余儀なくされていた。
そのなか、本戦では多投した変化球で1度も空振りを奪えず、キレもなかったように感じる。
過去に学ばない、楽天ベンチの古臭い投手運用
これで西口はキャリアワーストの3敗目を喫した。
この不調は前述した今季開幕からの登板過多に加え、やっぱり、昨年のツケが大きいと思う。
昨年61登板とフル回転した西口。この数字は西武の平良海馬と並んでパリーグ最多タイだったが、その中身を詳しく確認すると、平良も真っ青のブラック労働だった。
このことは昨年10月のnoteに書いたとおり。
当時有料noteなのに、それなりの反響をいただいた。
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昨年に学ばず同じことを今季早々繰り返しているのが、石井一久監督、小山伸一郎、石井貴の両1軍コーチなのだ...
現在、NPBの投手運用のトレンドは、4連投5連投はもってのほか、3連投も基本NG。なるべく連投を回避し、フレッシュな状態でマウンドに送り出すことを基本線としている。(ここで言う連投とは2日連続、3日連続、4日連続・・・のこと)
近年の高速化で投手の肩肘にかかる負担は従来より増している。さらに年々MLBばりにマウンドが硬くなっていることで、投手の身体にかかる負荷も増している。故障リスクが跳ね上がっているのだ。
本戦終了時、楽天投手陣の連投数は、はやくも8回。この数字はパリーグ最多になっている。投手コーチ時代から吉井理人監督が厳格な運用をみせていたロッテと比べると雲泥の差だ。
はやくも他球団との間に起用に差が開きつつある。この数字は楽天首脳陣の野球観がアップデートされていない証拠と言えそうだ。
田嶋が球数100球未満でHQSはキャリア初
宿敵・田嶋大樹は、これで2021年9/16から楽天戦9連勝。
本戦はストレート平均141.8キロ。まだシーズン序盤ということもあるのだろう、昨年の143.5キロには届いていなかった。だから、そんなに調子が良いというわけではなかったと思う。現在の楽天打線のドン底状況と今までの相性を背景に、ただただ馬なりに好投された。そんな印象になる。
イーグルスはそんな天敵相手に・・・(続く)
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