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【戦評】2塁踏めず成す術なし。九里に完敗のイヌワシ打線~6/25●楽天0-2広島

技巧派の陥穽に落ちたイヌワシ打線

交流戦の最終戦は0-2の零敗。
零敗は今シーズン7度目、2戦連続は今季初になった。

プロ初完封勝利を飾った相手先発・九里の前に、楽天打線は散発3単打
2塁を踏むことすら許されずの零敗は、武田翔太の完封に遭った昨年7/29ソフトバンク戦(●E0-4H)以来の屈辱だ。

九里は技巧派の面目躍如という好投になった。
本戦ゴロ率69.2%は自身の今季平均値よりも約20%も高い値で、楽天打者にゴロの大量生産を強制。
その数は18本で、内野守備網を突破したヒットはウィーラーの1本のみ。
ゴロアウトは1併殺を含む18個にも及んだ。

全107球中、145キロを超えてきたスピードボールはわずか9球。
逆に127キロ~138キロの球速帯が58球。
その打てそうな緩い球速帯で18打数2安打3三振。

6回茂木の初球、走者なしでクイックでストライクを取るなど投球術も冴え、楽天打線は技巧派の陥穽にハマった。

広島の堅守も、敵軍ながら素晴らしかった。
なかでも「9人目の野手」九里のフィールディングが抜群。
3回は山下の投直を反応よくグラブに収め、4回は島内のピッチャー返し中前行きで好処理をみせるなど、野手としても楽天打者に何度も立ちはだかった。

それにしても、厄介なのは九里が投げ分ける豊富な球種割合だ。

プロの選手も愛用する『プロ野球オール写真選手名鑑』。
九里の項目を開くと、球種割合を表わす円グラブが色彩豊か、細かく7分割されている。

多数の球種を自在に操る九里は、この日も初回三者凡退の5球、少なくとも3球種を使用した。
あるいは、ツーシーム、ストレート、スライダー、チェンジアップ、カーブと5球種を用いた可能性もあった。

立ち上がりにこれだけの複数球種をいきなり見せられ、楽天打者は混乱したはず。

終始、後手後手になり、交流戦首位打者の可能性を残したブラッシュも三ゴ、空三振、三ゴの3タコ。
JBの1試合複数ゴロ凡打は通算6度目になった。

6月月間打率.346と好調も茂木もゴロばかりの4タコ。
茂木の1試合4ゴロ凡打は5/1ソフトバンク戦(〇E9-0H)以来の今季2度目である。

これで交流戦成績は6位(パ4位)、18試合10勝8敗。

全体成績は71試合39勝31敗1分の貯金8。
首位をソフトバンクに明け渡す2位後退になったが、ゲーム差なしにつけている。

両軍のスタメン

広島=1番・田中(遊)、2番・菊池(二)、3番・西川(中)、4番・鈴木(右)、5番・松山(指)、6番・メヒア(三)、7番・會澤(捕)、8番・バティスタ(一)、9番・高橋(左)、先発・九里(右投)

楽天=1番・茂木(遊)、2番・島内(左)、3番・浅村(二)、4番・ブラッシュ(指)、5番・銀次(一)、6番・ウィーラー(三)、7番・渡辺佳(右)、8番・山下(捕)、9番・辰己(中)、先発・菅原(右投)

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絶好場面、これで14打席無安打に...

楽天は本戦でもOPS10割超え・打率3割超えの絶好場面、『ボール先行2-0経由』を生かせずに終わった。

当該場面は2回1死走者なしの銀次を皮切りに本戦6打席で記録。
しかし、その結果は中飛、中飛、三ゴ、三邪飛、三ゴ、投邪飛と6タコ。

6/22DeNA戦の8回2死3塁の銀次(空三振)を起点に『ボール先行2-0経由』で14打席ノーヒット(3三振)になってしまっている。

九里の投球術、會澤の巧みなリードにしてやられた印象だ。
それを象徴するのが、、、

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