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【戦評】大荒れのハマスタ、ウィーラー拙攻をリカバーした後続の活躍劇!~6/22○楽天11-9DeNA

両軍先発まさかの共倒れ

球団初の交流戦優勝へ「わずかな望み」を残して迎えたDeNA2回戦。
雨混じりの曇天で戦った4時間7分は『前代未聞の大荒れ』で始まった。

楽天先発は23歳の古川、DeNAは24歳ドラ3新人の大貫。
両軍の若き先発右腕は、1回もたずマウンドを去る事態に陥った!

1回表、楽天は今季最多の6得点。
1番・茂木による右翼線ツーベースを合図に怒涛の攻撃をみせ、長短5安打に4四球を集中。
打者一巡12人を送り込むビッグイニングを作った。

適時打は島内、ブラッシュ、ウィーラー、さらに太田にも飛び出すと、辰己、2巡目の島内が押し出し四球を記録し、先発・大貫に1アウトすら取ることを許さなかった。

火消しに入った二番手・進藤をも苦しめ、初回だけで敵投手陣に54球を投げさせた楽天打線。

これで先発・古川も相当楽になるはず。
ぼくらファンも気をもむことなく、左団扇の観戦になる。
そう思いきや、まさかまさかの暗転劇だった。

古川は大貫にお付き合いするかのように、1番・神里に二塁打を打たれ、長短3安打に4四球。
大貫のストライク率が35.7%なら古川は34.4%、10球連続ボールの場面も作り、あれよあれよの大崩れ。

前夜のサヨナラ男・大和に中前適時打を弾き返されて6-4となり、なおも1死満塁になったところで楽天ベンチからタオルが投げ込まれた。

二番手はこの人、困ったときのトムケン。
悪化する戦況を食い止めるべくマウンドへ急行したが、荷が重かった。
2巡目の神里に走者一掃二塁打を弾き返され、まさかの6-7、逆転を許してしまう。

4回には戸村がさらに2点を失い、6-9。

「今日負けたら、ダメでしょう。初回6点取って負けたら、シーズンがガタガタいく。そのくらい大きな意味を持っていた」。

平石監督が危機感をあらわにした今シーズン21度目の逆転勝利は、初回6点先制がまさかの暗転で4回終了時に3点差を追うかたちから幕開けした。

両軍のスタメン

楽天=1番・茂木(遊)、2番・島内(左)、3番・浅村(二)、4番・ブラッシュ(右)、5番・銀次(一)、6番・ウィーラー(三)、7番・辰己(中)、8番・太田(捕)、9番・古川(右投)

DeNA=1番・神里(中)、2番・乙坂(右)、3番・ソト(二)、4番・筒香(左)、5番・宮崎(三)、6番・ロペス(一)、7番・伊藤(捕)、8番・大和(遊)、9番・大貫(右投)

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躍動した渡辺佳、山下の活躍劇

「即戦力の新人」が今日も反撃の口火をきった。

5回は2死走者なしから4人目・平田を攻略した。
辰己の四球などで作った2死2,1塁、投手の打順で代打は渡辺佳。

平石監督の期待に応え、巧みなバットさばきで打球を左中間へ。
その打球は長駆したセンター神里の球際グラブをかすめ、俊足守備網を破る2点二塁打になり、遂に1点差へ。

そして逆転決勝劇は7回のこと。
2回からマスクをかぶり、6人の投手を懸命リードしてきた山下が、バットで大仕事を成し遂げた。

5/3ソフトバンク戦(●E11-12H)以来となる今季3号は逆転決勝の2ラン!

5人目・三嶋の回またぎだった。
直前の辰己が1塁に歩いた直後、おりしもハマスタはライトからレフトへ強い風。
この追い風を利用すべく、逆方向に虎視眈々と狙いを定めた山下は、四球直後の初球、ストライクを取りにきた甘めの初球151キロを左翼席へ打ち込んだ。

8回にもJBの適時打で1点を入れた楽天は、9回裏に松井が24セーブ目を挙げて11-9。
交流戦Vへ望みをつなぎ、6月の月間勝ち越しを決めた1勝は、同日ソフトバンク、日本ハム、西武がともに敗れたなかでの価値ある勝利になった。

この交流戦、ライバル3球団が揃って負けるなか楽天が勝ちをひろったのは、6/9中日戦(○E5-2D)以来の2度目。

これで2位・ソフトバンク(同日今宮抹消)との差は再び1.5に広がった。
3位・日本ハムと3.5、4位・西武とは4.0、5位・ロッテと6.0、6位・オリックスと9.0。

チーム成績は1位、69試合39勝29敗1分の貯金は今季最多の10。
交流戦成績は3位(パ2位)、16試合10勝6敗になった。

楽天戦で先発が1/3イニング内でKOされたのは???

波乱で見どころ多々になった本戦。
まず確認したいのは、両軍先発が1/3イニング以内で降板したことだ。

楽天戦の記録を2012年までさかのぼってみた。

2012年以降、敵軍先発が0/3イニングで降板した例は、、、

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