【試合評】辛島航が平沢大河に失点につながる2安打を弾き返されたその理由～5月9日●楽天4-6ロッテ

予想とは真逆のロッテ5回戦

4月25日から4カード連続の勝ち越し。
開幕ダッシュにつまづきながらも、徐々に地力を発揮。
逆襲の進軍ラッパを鳴らし始めた2位･ソフトバンク。
楽天は週末、そんな若鷹軍団との敵地2連戦を控えている。

きたるべき若鷹軍団との対決に備えて、週明けロッテ3連戦は「絶好機」と言えた。
勝って貯金を増やし、弾みをつけて敵地･九州に乗り込むためにも、この3連戦は「助走の3連勝」といきたいところ、いきなり初戦をまさかのかたちで落としている。

相手先発は、西野2軍落ちのためファームから上がってきた代役のチェン･グァンユウ。
1軍通算成績24試合6勝5敗、防御率3.65、WHIP1.40。
好調楽天にとって、正直、組しやすい相手に思えた。

一方、楽天先発は辛島。
今季はここまで4試合3勝1敗、防御率2.13、WHIP0.75、QS率75.0%。
オープン戦は不安を残す内容も、開幕後は上々のスタート。
チームの快進撃を美馬とともに支える重要どころを担っていた。

ロッテとは年に1度の東京ドーム主催試合4月25日(○E4-2M)に投げ、7回2安打1失点と好投。
チーム打率は依然と.185、5月に入っても上向くそぶりもみせない最下位ロッテ相手のため、本戦も好投するだろうと期待された。

しかし、ぼくの予想は真逆に終わる。

辛島が誤算だった。
3回に先制2点を奪われると、翌4回には2死走者なしから短長4連打で3失点。
イニング完了を待たず、二番手･戸村の救援を仰ぎ、今季の楽天先発陣ワースト2位の3回2/3で降板した。

一方、味方打線はチェンの前に6回散発3単打。
コントロールに課題の残るチェンから5個の四球を貰い、2回、3回、4回と複数走者を塁に置くチャンスを作ったが、得点圏10打席で8打数無安打、2四球、ゴロアウト5、内野フライアウト1、外野フライアウト2。

武田翔太や金子千尋、菊池雄星など好投を許し白星献上した敵軍先発投手であっても、楽天は何らかの爪痕を残し、最低1点は取ってきた。
しかし、本戦ではあと1本が出ず、チェンは粘投の無失点。
首位楽天をゼロに抑えた敵軍先発投手は、チェンが初になっている。

二桁安打は達成した

楽天打線は、チェンが役目を終えた7回以降、堰を切ったように打ち出した。
終盤3イニングで7安打を放ち、今季15度目の二桁安打。
酒居撃ちの茂木7号ソロ、内スライダーを屠ったウィーラーの2号ソロ、銀次のタイムリーなど終盤に4点を返したが、反撃は届かず。
今季初の零封負けは阻止したものの、4-6でロッテに逃げ切りを許している。

これでチーム成績は1位、28試合20勝8敗の勝率.714。
ロッテ戦1勝4敗、5月戦績4勝3敗、先制された試合4勝5敗としている。

ゲーム差は2位･ソフトバンクと2.5、3位･オリックスと4.0、4位･西武と6.5、5位･日本ハムと11.0、6位･ロッテと12.0としている。

両軍のスタメン

ロッテ=1番･荻野貴(中)、2番･伊志嶺(左)、3番･細谷(一)、4番･鈴木(二)、5番･井口(指)、6番･清田(右)、7番･ダフィー(三)、8番･田村(捕)、9番･平沢(遊)、先発･チェン(左投)

楽天=1番･茂木(遊)、2番･ペゲーロ(右)、3番･今江(一)、4番･ウィーラー(三)、5番･銀次(二)、6番･アマダー(指)、7番･島内(中)、8番･岡島(左)、9番･足立(捕)、先発･辛島(左投)

チェンの摩訶不思議ストレートを攻略できず

楽天打線は、チェンの真っすぐに苦しむことになった。

本戦のチェンはストレートの割合が実に71.7%。
真っすぐ偏重の配球で、変化球の割合がとても少なかった。
その変化球も序盤3回までのストライク率は33.3%。
制球に苦しみ、ボールになるケースが多く、打者は必然、真っすぐ待ちという場面が多かった。

(フルカウント含む)ボール先行からの投球34球でも、実にストレートを30球投げ込んできており、楽天の打者は打者有利カウントで、真っすぐに狙いを定めていれば良かったのだ。

にもかかわらず、狙ったストレートを打ち返せない。
同打率は14打数3安打の.214だった。

真っすぐを打ちにいき、14個のストライク寄与ファウルを打たされたり、8本と数多くのゴロアウトを量産するなど、手を焼くことになった。

チェンの真っすぐを完璧な形で捉えた当たりと言えば、、、

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