【戦評】 静岡初戦は「投壊」「守乱」の7失点~3月13日●楽天1-7DeNA
今対外戦の楽天は大量失点するゲームがじつに多い。
ここまでの15試合中、『1試合5失点以上』を喫したケースは10試合を数えていた。
「7年目の忘れられない日」に勝利を添え、倉敷から移動してきたイーグルスは、今週日曜日まで静岡に滞在。
静岡・草薙野球場でオープン戦5試合を戦う。
その静岡シリーズの開幕になった本戦でも、全く同様だった。
投手陣は今シーズン最多14安打を献上。
4回、次世代エース候補がシーズン1、2本打つかどうかという伏兵の9番打者に不用意な3ランを浴びると(E0-4DB)、9回、守護神は昨年まで同僚だった中川大志に中前へ弾き返されてのタイムリーを許した。(E0-7DB)
守備も乱れた。
初回嶋の捕邪飛落球に始まったエラーは3個を記録した。
そのうち2個は、2失点に直接関与する適時失策になった。
まるで草野球の守乱は、8回1死1塁、代打・楠本の右前クリーンヒットのシーンで発生した。
処理したライトの田中が3塁を狙う1塁走者を刺すべく3塁返球。
これが悪送球になってファウルゾーンに抜けた。
3塁を蹴ってホーム突入する一走を阻止すべく、バックアップの福山が懸命なバックホーム。
しかし、これまた下妻がジャンプしても取れないほどの大暴投になってしまい、一走に生還を許す。
この間、打者走者にも3塁まで進出され、福山の悪送球が1塁側ベンチに飛び込んだことで、審判がテイクワンベースを宣言。
三進した打者走者までもホームに帰ってくる始末になった。(E0-6DB)
6安打に終わった打線も元気がない。
連打は2回1死、アマダー、藤田による短長打のシーンだけ。
8回終了時まで楽天のスコアボードはゼロ行進。
2/28(水)ソフトバンク戦(●E0-3H)に続く今シーズン2度目の零敗がひたひた迫るなか、途中出場の内田が9回に一矢報いる対外戦4号ソロを放ったのが、精一杯だった。(E1-7DB)
投打ともに元気なく終わった背景には、移動トラブルもあったのだろう。
報道によると、当初は11日(日)に静岡入りする予定が、新幹線の停電の影響で遅れ、翌12日早朝に静岡へ移動する事態になっていた。
このイレギュラーな対応が、久米島からの疲労も溜まっている選手もいるチームの士気を下げたのかもしれない。
これでオープン戦成績は6勝2敗の2位に。
しかしながら、練習試合も入れた対外戦全体では8勝7敗1分、NPBとの対戦では6勝7敗になった。
(下記へつづく)
両軍のスタメン
DeNA=1番・神里(中)、2番・大和(遊)、3番・筒香(指)、4番・ロペス(一)、5番・宮崎(三)、6番・佐野(左)、7番・ソト(右)、8番戸柱・(捕)、9番・倉本(二)、先発・バリオス(右)
楽天=1番・岡島(左)、2番・島内(中)、3番・ペゲーロ(右)、4番・ウィーラー(三)、5番・銀次(一)、6番・アマダー(指)、7番・藤田(二)、8番・嶋(捕)、9番・三好(遊)、先発・藤平(右投)
藤平、福山、松井が燃えての7失点
ここまでの大量失点は、高梨7失点などあったものの、基本的には実績に乏しい1.5軍、2軍選手に機会を与え、その期待に応えられなかった若手が燃えた炎上劇だった。
しかし、本戦はそうではない。
開幕ローテ入りが内定している16年ドラ1の藤平が6回8安打4失点。
二番手・濱矢は1回零封に抑えたものの(※)、4年連続65登板と折り紙付きの福山が2失策も響いて1回2安打2失点。
最年少100セーブ記録まで残り4に迫っている松井も前述したように1回1失点だった。
※・・・濱矢はこれで対外戦6登板。2/23日本ハム戦では3回7失点と打ち込まれたが、その他の5登板は9回3安打、8三振、7四球、1死球、無失点。対外戦での左打者との「左vs左」対決は22打数4安打、2二塁打、5三振、3四球、1死球、被打率.182。
実績のない若手が失点したのではく、やってもらわなければ困る2年目右腕と、ブルペン陣の中核を成す左右のリリーフエースがそろって失点したわけで、ここまでの大量失点ゲームとは「重み」が全く違うのだ。
※ここから先は有料エリアでお楽しみください。まぐまぐメルマガでもお届け中。ご登録はこちらから!
※この後、藤平投手の気になる課題点2個と、福山投手と松井投手について触れています。
※2018年前半戦マガジン読者さん募集開始!~今年も“東北”に恋したい!2018年、あなたの野球観、変わります!
読者の皆さんにいただいたサポートで、さらなる良い記事作りができるよう、心がけていきます。