【2018総括】ファームでみせた実力は本物か?! 楽天・岩見雅紀に立ち込める「2年目の暗雲」

※楽天のドラフト2位、岩見雅紀選手の今シーズンを、本文2,000字で振り返ってみました。

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OPS.828はイースタン規定打席到達23人中3位。
ホームラン14本も堂々の4位タイ。
東京六大学の年間最多本塁打記録を塗り替えた実力は、ファームでは発揮した。
引っ張り専門というわけでもなく、センターから右方向にも6本計上と大飛球を広角に飛ばす。
9月18日ロッテ2軍戦では中本、左本、右本と超弾道を全方向に放つ「離れ技」もみせてくれた。

◎岩見雅紀 2軍ホームラン記録

ところがだ。1軍では24打席ノーヒット、14三振。
凡打10本も内容悪く、同じ新人の山崎や西巻が塀際を襲う大飛球を複数打ったのに対し、岩見はゼロに終わっている。

まさかの事態その最大原因、僕は「起用法」にあったと思うのだ。

闘将他界で重しが取れたかのように噴出した球団と現場の主導権争い。
岩見はその犠牲者になった。
早急に1軍昇格させたい球団と、2軍での課題が山積と判断し時期尚早と拒んだ現場。両者の思惑のズレに翻弄される格好になった。

4月下旬当時、1軍外野陣は苦境に立たされていた。

島内が右内腹斜筋損傷で戦線離脱。
ペゲーロも全打席の45.5%が三振の大不振。
田中はファームで試行錯誤のさなかで1軍再登録はまだ先の5月23日である。

開幕からほぼ毎試合スタメンを張ったのは岡島だけ。
その岡島も4月25日を境に大型連休明けまで39打席ノーヒットのスランプに陥り、打率も.200まで急落していた。

◎岩見雅紀 2軍打撃成績〔月別〕

一方、イースタン開幕後の岩見はOPS1.092、打率.365の打棒爆発、3月4月のファームMVPに輝いた。
戦況を変えるため岩見を1軍に上げ「ラッキーボーイ的な役回り」を狙おうとした球団の意図は理解できる。

ところが、実際の1軍昇格はそれから1カ月近く後の5月18日だった。
このときも、直前まで球団と現場で綱引きがあり、業を煮やした球団が強引に押し切るかたちで岩見を1軍昇格させたという(※1)。

※1・・・6/19付の河北新報『<梨田監督辞任>狂った歯車(下)裏目 球団と現場 微妙なずれ』より。

3月4月絶好調の岩見は5月に入るとOPS.798、打率.250、勢いを失った状態で1軍に合流。
さらに自分の1軍合流を首脳陣が望んでいなかったと分かれば(※2)、気の弱そうな岩見にとって晴れ舞台は「針の筵」に近かったかもしれない(※3)。

※2・・・岩見の1軍昇格について梨田監督以下の現場が時期尚早と判断しているという報道は、すでに4/27付のスポーツ報知『【楽天】梨田監督、ドラ2岩見の1軍昇格に慎重姿勢 池山2軍監督も「まだですね」』で報じられていたので、岩見本人も知っていたと思う。
※3・・・今でも忘れられないのは昨年11月23日の新入団選手発表会見。体重100キロ超の巨体のイメージとは裏腹に、岩見の質疑応答は終始ボソボソとした小さな声だった。それから何度か見た本人のコメント動画でも同様で、おそらくこの人は繊細な持ち主なのだろう。それが今回は裏目に出たように感じる。裏目に出ると、あの前かがみ気味の打撃フォームも覇気がないように感じられてしまう。

上げるなら4月中に上げて欲しかったし、上げないなら2軍でじっくり養成して欲しかった。
政争の具にされ、どちらともつかず中途半端な時期に1軍の初舞台を迎えたところが、つくづく残念だった。

僕は?と言うと、当時は岩見を一刻も早く1軍で見たい!と感じていた。しかし、今から振り返ると、現場の判断はうなずける部分も多い。

よく課題に挙げられる、、、

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