【試合評】93年生まれの若鷲、今季最終戦で明暗分かれる~2016年10月5日●楽天イーグルス1-7ロッテ

143試合目のロッテ戦は2年連続の敗戦

2016年ペナントレース両リーグの最終戦。心配された台風の影響もなく、無事に開催されたロッテとの25回戦は(ただし、左翼から一塁ベンチ方向に常時7mの風が吹いていた)、1-7の敗戦に終わっている。

先発・塩見は5回2安打2失点の好投。しかし、打線の援護に恵まれず、2012年に続く自己ワーストタイ10敗目を喫した。

打線は7回まで投げた相手先発スタンリッジの前に走者を出すイニングは多かったものの後続がつながらず、9月以降防御率1.29と調子を取り戻してきたベテラン助っ人右腕に好投を許している。

その中、6番・サードで先発出場した今江がNPB史上186人目となる通算1500試合を達成。5回終了時のイニングインターバルにPL学園の先輩・松井稼から花束贈呈されると、破顔一笑の抱擁を見せ、古巣ロッテファンからも祝福を受けるシーンがあった。

両軍のスタメン

楽天=1番・茂木(遊)、2番・岡島(右)、3番・銀次(一)、4番・アマダー(指)、5番・島内(中)、6番・今江(三)、7番・フェルナンド(左)、8番・三好(二)、9番・足立(捕)、先発・塩見(左投)

ロッテ=1番・清田(右)、2番・岡田(中)、3番・角中(左)、4番・デスパイネ(指)、5番・井口(一)、6番・ナバーロ(二)、7番・鈴木(遊)、8番・田村(捕)、9番・中村(三)、先発・スタンリッジ(右投)

来季が楽しみな三好匠の活躍劇

チームは7安打。その中、唯一の複数安打は8番・二塁で先発出場、2試合連続のマルチヒットとなった三好である。

1本目は1点を追う3回先頭、スタンリッジの高め147km速球を打ち砕いた。カウントは1-2。追い込まれていたが、本人も納得顔のスイングができ、打球は左翼席に飛び込む同点の3号ソロになった。

この当たりは、7月23日ロッテ戦で関谷から放ったプロ1号3ラン、9月30日ソフトバンク戦でプロ初登板の松本から一閃した2号ソロと比べて、価値大の一発になった。というのは、過去2本はEウィング、ホームランテラスといったラッキーゾーンに飛び込む推定飛距離105mだったからだ。今回は文句なしの115mの放物線。

自身の打撃をすることが難しくなる2ストライク以降の追い込まれたカウント状況、その中で147kmというスピードボールを自己最遠記録となる115mまで飛ばした力量は、来季に期待を感じさせるもの。

2本目は敗色濃厚6点を追う7回、1死無走者で1-0からの2球目、再びスタンリッジの147kmを打ち返した。シュート回転して甘く入ってきた失投を逃さずにひっぱり、左前へ鋭い打球を射掛ける形になっている。

3年連続最下位は回避も、課題の多かった2016年

一方、残念だったのは10月2日に今季2度目の1軍昇格を果たし、6回アタマから二番手として登板した濱矢だ。濱矢は三好と同じ1993年生まれ。その93年生まれの若鷲が明暗分かれる形になった。

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