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【戦評】 「三重苦」を乗り越えた嶋印の右打ち同点打~4/16○楽天5x-4

西武戦でみせる理想のゲーム運び

延長10回裏の無死満塁は、チーム最多打点をあげる5番・ウィーラーが決めた。
人生初というサヨナラ打点(中犠飛)での、今季本拠地最長4時間16分を制した歓喜の幕切れ。

因縁の西武戦でナインが粘り強く戦い、このカード今季3連勝と幸先良い滑り出しができた点は、本当に喜ぶべきことになった。

しかし、その直前には4番・島内がマーティンの危険球を顔付近に受けて負傷退場する痛ましいシーンもあった。
今後の状況次第でもし島内が離脱ということになると、代償も大きかった延長戦勝利と言えそうだ。

その意味で、ぼくは先発・辛島の不甲斐なさが残念でならない。
強打の西武を相手に5回3失点は合格点のゲームメイクと言えるが、打たれた相手が悪すぎた。
この件は後述したい。

それにしても、今シーズンは西武戦で理想のゲーム運びを実践できている。

下記の試合展開表に目を向けてほしい。
各回裏の終了時点で、同点・・・黄緑、リード・・・桃色、ビハインド・・・水色で表した。

◎西武戦の試合展開表

12球団屈指の得点力を持つ西武を相手に、できれば先手先手で戦いたい。
最悪でも同点の状況を作り、なるべくビハインドの展開は作りたくない。

その意味で各回裏を終えた時点で、西武にリードを許し、楽天が追いかける立場になったのは、合計28イニング中、4/10の3回4回のわずか2イニングにとどめているのだ。

本戦は3回に秋山の誕生日弾で1点先制を許し、5回には山川の逆転2点二塁打で1点勝ち越しされ・・・と回表の時点でリードを許した場面があった。
しかし、裏の攻撃ですぐさま試合をひっくり返し、同点に追いつくことができたのは、『最少1点差』にとどめたことが大きかった。

まとまった点差で突き放されることはなく、点差をつけられても1点にとどめたところに、楽天の粘り強さを感じる。

これでチーム成績は15試合9勝5敗1分。
同日ソフトバンクが敗れたため、1位タイに再浮上。

ゲーム差は3位・日本ハムと2.0、4位・西武と2.5、5位・オリックスと3.0、6位・ロッテと4.5になった。

両軍のスタメン

西武=1番・金子侑(左)、2番・秋山(中)、3番・外崎(二)、4番・山川(一)、5番・森(捕)、6番・栗山(指)、7番・中村(三)、8番・木村(右)、9番・熊代(遊)、先発・ニール(右投)

楽天=1番・田中(中)、2番・茂木(三)、3番・浅村(二)、4番・島内(左)、5番・ウィーラー(指)、6番・銀次(一)、7番・ブラッシュ(右)、8番・藤田(遊)、9番・嶋(捕)、先発・辛島(左投)


浅村印のインハイ撃ち

1点差をすぐさま追いついた5回の3番・浅村による左安、6回の9番・嶋が放った右安は、珠玉の同点打になった。

まずは浅村の技あり一打だ。

5回1死2塁、2-2の5球対決中4球が内角攻めという厳しい配球に遭った。
結果球もインハイに食い込む難攻不落のツーシーム。
これを詰りながらも遊撃後方・左翼前方に運ぶ巧打になった。

じつは浅村は内角高めを苦手にしていない。
2015~2018年の4年間の当該ゾーン打率は.276。

ここ3年間のNPB右打者による当該平均打率が.216、.205、.212であることを考えると、苦手にしないどころか得意とも言えるのだ。
実際、2016年はインハイで.389を記録しており、NHK BS『球辞苑』のインハイ放送回(同年12/3)で大きく取り上げられていた。

おそらく他の打者ならドン詰まりの遊飛になっていたはず。
その意味で『浅村印』の一打になった。

 「三重苦」を乗り越えた嶋の同点打

次に6回2死2塁、9番・嶋と左腕・齊藤との4球対決。
1-2から外角変化球をコースに逆らわない素直な右打ちで1,2塁間を射抜く同点打を披露した。

この対決は、、、

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