【戦評】 終盤の重要局面で発揮! 浅村栄斗「息をのむ集中力」~5/15○楽天9x-8日本ハム
夢か現実か、奇跡の劇勝!
これを奇跡と呼ばずして何と呼ぼう。
平日デーゲームの楽天生命パークは、まるで銀幕の中のできごとのような劇勝を飾った。
5/8ソフトバンク戦(○E8x-7H)の再来だ。
あのときは7点差だったが、本戦は1週間前を上まわる球団史上最大8点差。
全ては先発・古川の誤算が始まりだった。
今シーズン3戦全てQSをマークしていた若き右腕が、中5日登板の影響なのか自己ワーストの4回8失点。
あまりにも大きすぎる8点差で一時は場内も沈鬱。
しかし、JBの個人芸がすぐさま一気に点差を縮め、反転攻勢の機運を高めていく。
舞台は2安打1失策で作った4回2死満塁。
結果球は相手先発・金子の内角狙いが真中に入る失投ストレート。
打球角度37度で高々舞い上がるフライボールが、左翼席へ着弾する今季チーム1号のグランドスラム!
これで4-8と点差を詰めると、終盤8回にはJBによる3度目の1試合2ホーマーと嶋の右翼ポール際に運んだ3号ソロで7-8、9回には浅村が秋吉撃ちの右越え9号で土壇場の同点に。
まさかまさかの展開でゲームを振り出しに戻すと、延長11回1死3,1塁でウィーラーがサヨナラ犠飛。
3塁から藤田がベテランならではの好走塁で、ライト大田の本塁返球を受けた捕手・清水のミットをかいくぐり、左手で器用にホームを触手する「神の手」生還を果たした。
これで順位は日本ハムと並ぶ2位タイへ。
チーム成績は38試合19勝18敗1分の貯金1とした。
5/8ソフトバンク戦と本戦をあのまま落としていたら、今ごろは17勝20敗1分の借金3だ。
だからこそ、この2勝は価値絶大だ。
秋に振り返ったとき、リーグ優勝を分ける1勝、AクラスとBクラスを分ける1勝になりそうな、そんな勝利になるかもしれない。
各種戦績は、直近10試合5勝5敗(得点53/失点65)、5月6勝7敗、日本ハム3勝5敗、楽天生命パーク11勝7敗、6回終了時ビハインドゲーム3勝14敗1分、平日デーゲーム5勝4敗とした。
両軍のスタメン
日本ハム=1番・西川(中)、2番・大田(右)、3番・近藤(左)、4番・中田(一)、5番・王柏融(指)、6番・渡邉(二)、7番・石井(三)、8番・黒羽根(捕)、9番・中島卓(遊)、先発・金子(右投)
楽天=1番・茂木(遊)、2番・今江(三)、3番・浅村(二)、4番・島内(左)、5番・ウィーラー(指)、6番・銀次(一)、7番・ブラッシュ(右)、8番・辰己(中)、9番・石原(捕)、先発・古川(右投)
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敵軍バッテリーの狙いを見切った浅村同点9号ソロ
本当は今野の好投なども触れたいところだが、ここからは浅村の打席に絞って書いてみたい。
JBの満塁弾で4-8と点差を半分に圧縮し、逆転勝利の可能性を見出した楽天。
それでも、7回裏の攻撃で無死2,1塁~2死3,1塁を逸機したときは、「流れを完全に断ち切られたかなあ・・・」と観念したものだった。
この回、楽天は1番・茂木からの打順。
日本ハムは四番手・鍵谷が登板。
楽天は金子から4点取った後は、二番手・堀、三番手・公文と苦手サウスポーの前に3四球獲得したものの8打数1単打に封じられていた。
そのため、理想の打順から始まるこの回、イヌワシ打線が得意とする右腕が登板してきたところに、僕は勝機を見出していた。
そんな僕の期待に応え、茂木と今江の1、2番コンビが安打と四球で出塁。
無死2,1塁で打席に3番・浅村を迎えたところで、栗山監督は継投作戦へ。
ここでマウンドに送り込んできたのが、宮西。
ファイターズのブルペン陣で最も修羅場を潜り抜けてきた歴戦左腕が後続を断った。
宮西は「逆算の配球術」で浅村を見三振に。
4番・島内、5番・ウィーラーは外野快飛球で応戦したが、ライト大田、レフト近藤による好守でアウトをもぎ取られ、この瞬間に、ぼくは意気消沈した。
そんな7回終えて4-8といまだ4点差からの逆転勝利だったのだから、いやはやだ。
JBの2ラン、嶋による石川の151キロを仕留めた右翼ポール際行きも大きかった。
でも、ぼくが注目したいのは、9回先頭・浅村による土壇場で追いついた同点弾である。
相手抑え・秋吉との6球勝負は、、、
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