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【戦評】 平石楽天、2019年最後の一戦~楽天●1-2ソフトバンク
大舞台での役者は1人だけ・・・
楽天の2019年、事前報道が真実なら恐らく平石楽天の挑戦が終わった...
このシリーズ、僕は期待込めて楽天のファイナル勝ち上がりを信じていた。
というのは、パリーグ全球団の順位が確定した9/24(○E4-2H)、僕たちは『あまりにも象徴的すぎるシーン』を目撃したからだ。
それは2-1の1点リードで迎えた7回の攻撃だった。
ソフトバンクはこの回から二番手・甲斐野が登板。
楽天打線は鷹のドラ1から2四球をもぎ取り、1死2,1塁を演出。
三番手・モイネロを引きずり出し、場面は3番・浅村vsモイネロの対決を迎えていた。
その初球だった。
今季でも上位にランクインしそうな平石監督の名采配が発動。
二走オコエと1塁代走・辰己の鮮やかダブルスチールが決まり、高谷の3塁悪送球をも誘発してオコエが生還。
点差を3-1と2点差に広げた直後、今度は浅村のバットが炸裂。
バックスクリーンを目指した快飛球がセンターのフェンス直撃するタイムリーツーベースだった。
このとき、センターの柳田が早々に追うのを諦めたのだ。
その後、慌てて処理しに塀際へ向かった姿をみると、クッション処理に備えたものではない。
快飛球だったが柵越えするか微妙な当たり。
それを早々に諦めた敵軍主砲の姿勢に、若鷹軍団の今季終了と戦意喪失という決定的シーンを目撃した思いがしたのだ。
しかし、ポストシーズンの短期決戦はそうではないということなのか。
浅村の快飛球を早々に諦めたその柳田に2戦目に3安打2打点の活躍を許したのがマズかった。
故障から8月復帰後の柳田はOPS.800、打率.268。
そのなか、楽天投手陣は仕事をさせず、OPS.417、打率.168に封じていた。
CS初戦も無安打に抑えたため、このままの流れでいくのか?!と思いきや、そうは問屋が卸さなかった。
終わってみればCS男の内川にヤラれた感も強かったCS1stステージ。
しかし、両軍打者の打点内訳をみると、複数打点者が楽天は浅村だけだったのに対し、ソフトバンクは3人記録されていた。
◎両軍打者の打点
楽天・・・浅村7、オコエ1、ブラッシュ1、茂木1
ソフトバンク・・・内川4、デスパイネ3、柳田2、今宮1、福田1
楽天はポイントゲッターが3番打者だけだったのに対し、ソフトバンクは打線が機能した。
真の勝負どころで複数選手が力量発揮できた常勝・若鷹軍団とBクラスが多い楽天との差は、僕らが思う以上に大きいのかもしれない。
若手育成を最後まで貫いた平石監督
平石監督も立派だった。
則本や岸など主戦級投手が故障で思うように稼働できなかったシーズン、平石監督は次代を見据えて、新人を積極起用した。
そのブレない姿勢は最後まで貫かれ、本戦も7番・渡辺佳、8番・太田、9番・辰己の新人3人が先発出場。
3回と5回の三者凡退は、その新人が成す術なく内野アウトに打ち取られた攻撃になった。
彼ら3人にとって、まさに「良薬口に苦し」。
途中からマスクをかぶった堀内も良い勉強をした。
太田が1軍再登録された7/30以降は、スタメン出場しても最後までマスクをかぶるケースはめっきり減り、悔しかったはずだ。(7/31、8/2、8/25、9/1、9/24のみ)
そのなか、順位が確定したあの9/24の試合ではスタメンマスクの大役を任せられた。
2点リードの9回は松井が登板。
普段なら捕手も太田に代わることが多いなか、最後までマスクをかぶる貴重な経験を積んだ。
嶋の退団が決定的になった今、広島から会沢が来るのかどうかは分からないけど、来季も堀内は太田とともに切磋琢磨して欲しい。
両軍のスタメン
楽天=1番・島内(左)、2番・茂木(遊)、3番・浅村(二)、4番・ブラッシュ(指)、5番・銀次(一)、6番・藤田(三)、7番・渡辺佳(右)、8番・太田(捕)、9番・辰己(中)、先発・岸(右投)
ソフトバンク=1番・福田(右)、2番・明石(二)、3番・柳田(中)、4番・デスパイネ(指)、5番・グラシアル(三)、6番・内川(一)、7番・長谷川(左)、8番・今宮(遊)、9番・甲斐(捕)、先発・高橋礼(右投)
併殺を打たされたフライボールの供給者
勝敗の分かれ目は、6回7回の好機を逃したことにあった。
下記表のとおり、楽天打線は今季8試合で対戦した高橋礼を3巡目に攻略している。
3巡目はOPS1.009、打率.362。
ゴロ率も3巡目が一番低くなっていた。
本戦も3巡目の6回、1番・島内から始まる攻撃でチャンスが到来。
死四球で1死2,1塁を作ると、打席は4番・ブラッシュへ。
JBのゴロ率は30.1%、フライボールの供給者だ。
大田(日本ハム)と並ぶパ最多22併殺打を記録したウィーラーと違って、JBの併殺打はわずかに7本。
最悪のゲッツーはないだろうと思われた。
それに火消しで出てきた高橋純はボール先行3-0。
絶好の打者有利状況になっていた。
高橋純は力みと緊張からか制球できていないように思われた。
しかし、、、
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