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【戦評】9回無死2,1塁、辰己へ代打・渡辺直人はなかったその理由~6/4●楽天2-3巨人

8回歓喜から9回まさかの暗転

中盤4回まではスコアレス、5回以降にゲームが動いた交流戦の開幕戦。
直近10試合で7度目を数える、両軍の得点が合計5点以内というロースコアの1点差になった。

スコアボードに点が灯ったのは5回のこと。
両軍ともに一発で1点を取りあった。

巨人は陽の3号、楽天はJBの17号。
いずれも先発左投手の失投変化球をスタンドまで運んでいる。

1-1の同点で迎えた8回2死走者なし。
浅村が14号ソロ、ぼくら鷲ファンが勝利を確信した感動場面。

ところが、9回に事態はまさかの暗転。
現在リーグ単独最多16セーブの松井が誤算だった。

先頭の6番・岡本にセンター返しで出塁を許した松井は、7番・ビヤヌエバに真中に入るチェンジアップ。
この失投を許してもらえず、左翼スタンド中段までかっ飛ばされた痛恨2ラン。

松井の今季セーブ失敗は、代打メヒアに同じくチェンジアップを右翼席へ運ばれた5/4西武戦(●E6-7L)に続く2度目になった。

痛恨といえば、直後の9回裏、代走・小郷の憤死もダメージ大だった。

相手守護神・中川から銀次ヒット、JB四球で作った無死2,1塁。
辰己に送りバント作戦のとき、代走の2塁・小郷が大きく飛び出してしまう。

この隙を捕手・小林に許してもらえず、コバキャノン発動。
弾丸ライナーような2塁牽制に遭い、戻り切れずに憤死。

1死1塁に代わり、辰己、オコエは2者連続三振に倒れてゲームセット。
逆転勝利17回を誇る楽天が、今季11度目の逆転負けになった。

惜敗したとはいえ、終盤までじつに引き締まった展開。
好ゲームと見る向きもあるだろうが、その緊迫場面を演出したのは、先発・塩見の快投あってこそだ。

結局、開幕来の「左投手打てない病」は本戦も継続された。
打線は今村に6回5安打1得点の好投を許したが、塩見が今村の好投にピタリ並走。
7回1失点の快投でゲームを作ったため、最後まで目が離せない展開になった。

もし塩見が1回1死2塁、2回無死2,1塁の序盤危機で複数失点を喫していたら、本戦は全く別の景色になったはずだ。

これでチーム成績は1位、54試合29勝24敗1分の貯金5。(交流戦は0勝1敗の7位)

ゲーム差は7連勝の2位・日本ハムと0.5、3位・ソフトバンクと1.0、4位・西武と1.5、5位・ロッテと3.5、6位・オリックスと8.5としている。

両軍のスタメン

巨人=1番・重信(左)、2番・山本(二)、3番・丸(中)、4番・坂本(遊)、5番・大城(指)、6番・岡本(一)、7番・ビヤヌエバ(三)、8番・陽(右)、9番・小林(捕)、先発・今村(左投)

楽天=1番・茂木(遊)、2番・今江(三)、3番・浅村(二)、4番・ウィーラー(指)、5番・銀次(一)、6番・ブラッシュ(右)、7番・辰己(中)、8番・オコエ(左)、9番・堀内(捕)、先発・塩見(左投)

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間違いとはいえない堀内の配球

ここからは9回の攻防を掘り下げてみたい。

9回表の無死1塁、ビヤヌエバの2ラン。

初球・・・真中低め131キロチェンジアップ、見逃しストライク
2球目・・・真中高め釣り球148キロストレート、ボール
3球目・・・真中失投129キロチェンジアップ、左本

堀内の配球、問題あったと見る方もいるかもしれない。
しかし、ぼくは仕方なかったと思う。
松井の失投さえなければ・・・という部分だったと感じる。

というのは、ビヤヌエバは塩見との3打席で、低め落ちる球(フォーク)に全くタイミングが合っていなかった。
当該球9球のうち、空振りはじつに6球。
バットが空を切った場面は、そのどれもがビヤヌエバが全く球が見えていない空振りになっていた。

◎ビヤヌエバ 直近3打席の詳細

そのため、4打席目の本戦でも、松井の落ちる球(チェンジアップ)で仕留めるゲームプランだったと思う。

また、試合後の堀内のコメントを見ると、直前の岡本との4球勝負も伏線になったようだ。
全球ストレートの力勝負は、岡本に軍配上がった。
そのため、ビヤヌエバにはストレートを使いにくくなり、チェンジアップを採用したという側面もあるようだ。

もう1つ言えば、試合中盤以降、一発を含む痛打を絶対に防ぎたい場面、、、

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