【試合評】 美馬の好投に水を差した新人・吉持の手痛い教訓~2016年3月10日●楽天イーグルス3-4オリックス
西宮、相原が1軍合流
明石から静岡に転戦してきたイーグルス。この間、卒業式で夏の甲子園を共に戦った球友との別れを惜しんだオコエが1軍に再合流、2軍で調整していた西宮と相原の両左腕も本日1軍に合流した。(さっそく登板し、西宮は1回2安打1失点、相原は1回1安打無失点だった)
オープン戦もすでに残り10試合を切っており、開幕へ向けての最終段階に入ってきた。本日は曇天模様の草薙球場、2,663人の観衆が集まった中、オリックスと対戦している。
両軍のスタメン
オリックス=1番・糸井(指)、2番・小谷野(一)、3番・ボグセビック(中)、4番・モレル(三)、5番・中島(遊)、6番・T-岡田(左)、7番・川端(右)、8番・原(二)、9番・山崎(捕)、先発・佐藤峻(右投)
楽天=1番・岡島(右)、2番・吉持(遊)、3番・銀次(一)、4番・ウィーラー(左)、5番・松井稼(中)、6番・後藤(三)、7番・ゴームズ(指)、8番・藤田(二)、9番・嶋(捕)、先発・美馬(右投)
1点を最後まで争うシーソーゲームに
両軍共に二桁安打を記録した接戦は、シーソーゲームの展開をみせ、最終9回裏まで1点を争う目が離せない展開になった。1点を追った9回裏、イーグルスは1死から四球、安打でチャンスを作ったが、9回表からマスクを被った9番・足立がイージーな6-4-3の併殺打に倒れ、ゲームセット。楽天が3-4で敗れている。
これで対外戦成績は7勝7敗1分、オープン戦は3勝4敗、今季初の1点差負けになっった。
ゲーム展開を振り返ってみよう。
先制は2回表。オリックスが先発・美馬から1点を奪った。2死走者なしから6番・T-岡田、7番・川端による長短連打を浴び、先手を取られた。(楽0-1オ)
直後の裏、イーグルスは同点に追いつく。先頭の4番・ウィーラーが中前へ運んで出塁すると、5番・松井稼が相手先発・佐藤峻がストライクを取りに来たところを快音轟かせて弾き返した。この当たりが右中間を真っ二つに破るスリーベースになり、ウィーラーは1塁から楽々のホームイン。同点とした。(楽1-1オ)
松井稼は「うまく体が反応してくれたね。しっかりスイングすることができました」とのコメント。この後6回にも二塁打を放ち、今日は3打数2安打1打点、オープン戦通算打率は12打数6安打2打点、1三振、1四球、2二塁打、1三塁打の打率.500。ここまでの安打の結果球を調べてみると、速球に加えて複数変化球と幅広い球種に対応できており、上々の調整に本人も手応えを感じているようだった。
翌3回裏、9番・嶋のソロ弾でいったんは逆転に成功したイーグルスだったが、5回表に遊撃・吉持のタイムリーエラーで再逆転を許してしまった。(楽2-3オ)
前の4回、4番・モレル、5番・中島、6番・T-岡田と腕に覚えありの強打者をしっかり追い込んでから凡打に仕留める三者凡退ピッチングを見せた美馬が5回表、川端、原の下位7、8番に短長連打を浴びてしまう。
無死3,2塁と大ピンチを背負った美馬だが、ここからが素晴らしかった。
9番・山崎の懐を得意のシュートで突き、思惑どおりの詰まらせたイージーゴロ。これが内野前進守備を敷いた遊撃・吉持の正面に転がり、3塁走者釘づけの1塁送球アウト。続く代打ブランコにも球を動かし、初球、2球とファウルでカウントを稼ぐと、2-2からの6球勝負はアウトローのスライダーで空三振に取った。
2死3,2塁であとアウトは1つ。2番・途中出場の左打者・小田には徹底した変化球攻めで狙い通り2-2のカウントを作り、変化球を打たせた打球は打ち取った当たりのボテボテゴロ。これが遊撃前方に転がり、吉持がチャージをして1塁ランニングスロー。美馬は窮地で良く踏ん張った!と思いきや、。、
これがまさかの1塁悪送球になってしまう。しっかり送球したとしても俊足の小田との1塁競争は間一髪でどうか?!という際どいタイミングだった。そのため、焦りが生まれ、エラーの引き金を引いてしまったのか、球がテンテンとする間、走者2名の生還を許した。(楽2-3オ)
吉持はここまでの対外戦で3個のエラーを記録している。
◎吉持亮汰のエラー記録
2/21中日戦、2回1死2,1塁で8番・桂の遊ゴをファンブル
2/27斗山戦、9回1死2塁で前方のボテボテ遊ゴをチャージ処理も1塁悪送球(タイムリーエラー)
3/10オリックス戦、5回2死3,2塁で2番・小田のボテボテ遊ゴをチャージ処理も1塁悪送球(2点タイムリーエラー)
エラー自体のサンプルはまだ少ないが、ここまでの3個、いずれも走者を得点圏に置いた場面で発生。緊迫したシーンで緊張感に襲われ、身体が強張ってしまい、普段のプレーに狂いが生じているのかもしれない。また、前方ボテボテをチャージ処理した時の送球エラーが立て続いている。この辺りは天然芝で打球が弱まるコボスタでは致命的になる。今後の修正点だろう。真喜志内野守備走塁コーチと共に特守に励んでもらいたい。
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