20160201東北開幕

──東北は日の出を待っている── shibakawaが作る犬鷲選手名鑑2016(3)

青山浩二、キャム・ミコライオ、内田靖人、松井稼頭央、入野貴大、茂木栄五郎、ジェイク・ブリガム、銀次、枡田慎太郎、相原和友の10選手分

2月下旬になると、書店の店頭を一斉に賑わすことになるプロ野球選手名鑑。各社が力を込めて作る名鑑は合計10数冊以上にも及びます。当ブログでは過去に名鑑比較を実施したこともありました。

お気に入りの選手名鑑を眺めているうち、実際に中に入って選手名鑑作りをしてみたいなあ!と思う気持ちが強まってきた近年。何度かTwitterで思いの丈を叫んでみたりしましたが、オファーが来る訳もございません(泣)(来年こそ来ればいいなあ)

そこで、勝手に作成してしまおう!という企画です。

作成に当たり、ルールを2つ設けました。

◎主力選手/注目選手の寸評は本文500字以内。その他の選手は250字以内のテキストを厳守する。自分が読んでも楽しく、納得できる寸評を目指す。基本、当該選手への愛情こもったテキストにする。ただし、気持ち悪くなるほどのあからさまな贔屓の引き倒しはしない。

◎市販の選手名鑑に記載されている略歴や主要成績等は省略する(今やネットですぐに見ることができますしね)。その代わりに、鷲ファンで楽天選手のデータを最も多く眺め、ここ数年、楽天戦全試合を1球集計してきたshibakawaならではの珍しいデータ、注目して欲しい数字、チェックポイントを適宜ご用意して、解説する。

今回は、青山浩二、キャム・ミコライオ、内田靖人、松井稼頭央、入野貴大、茂木栄五郎、ジェイク・ブリガム、銀次、枡田慎太郎、相原和友の10選手分になります。


青山浩二・・・キレ味取り戻した「局面打開のスライダー」

長年の功労が報われて手にした海外FA権。斎藤隆の英雄譚を聞くうち1度は異国の野球に心を焦がした時期もあった。個人的にはその挑戦も見たかった思いもあるが、熟慮の結果、「第二の故郷でもう1度日本一を」と仙台でのプレーを決断した青山を応援したい。

その胸中には、2013年はチーム最多・リーグ4位タイの60試合に投げながらも、故障のためCS~日本シリーズで貢献できなかった忸怩たる思いがあったはずだ。

翌2014年はスランプに喘いだ。4年ぶりの開幕1軍を逃すと、その後も調子は上がらずに起用法も不安定、「(勝負どころで)制球が甘かった」と本人も悔やむプロ最少22試合に止まった。

復活を賭けて臨んだ昨年は自己最多タイ61試合。うち35試合が1点差以内の接戦で稼働した。衰えが見られた速球の球威やコントロール等も戻り、代名詞「局面打開のスライダー」も上々。防御率は3年ぶりの2点台をマークした。WHIPはキャリアハイ、リーグ救援投手5位の0.95、奪三振率も2010年10.83に次ぐ9.05の好値だった。

ミコライオが復帰する今年は負担も少なくなるだろうが心配材料も。昨年はBABIPが良すぎた。.245はキャリアハイ。運など外的要因にも恵まれていたと言えそう。この点が気がかりだ。

☆青山の好投を支えた原動力⇒局面打開のスライダーが復活

三十路に入り、真っすぐに自信がなくなってきたのか、近年は真っすぐの割合を減らし、スライダー等の他球種の割合を増やす傾向にあった青山。しかし、昨年は前年36.6%から44.6%と割合を増やしている。

下落傾向にあった球速が下げ止まり、空振り率も微増。被打率と共に直近4年間では最も良い数字になった。本人も受ける嶋も手応えを感じたからこそ、ストレートの割合が増えたのだろう。

基本のストレートが安定したため、マネーピッチのスライダーの威力も増している。

投球結果を表した上記のグラフが示すように、被出塁(四死球や失策、野選を含む)の割合が8.8%から4.0%に半減した。スライダー1球当たりの被塁打は前年.091から.023へと大きく減らしている。

空振り率は17.4%、18.2%、14.8%、昨年も14.1%だったが、青山にとって有利に作用する見逃しストライク率、ファウル率が上昇。前者は15.5%から19.9%へ、後者は13.5%から16.9%へ増えた。

青山有利を「打球発生アウト」-「ファウル」までと設定するなら、青山有利の割合は前年の29.2%から37.0%へ増えたことになる。

速球とスライダーのコンビネーションが素晴らしく、特に右打者対戦時、速球直後のスライダー被打率は、16打数0安打、7三振、2四球、1犠飛の.000と1本のヒットを許さなかった。

※ここからは有料エリアでお楽しみ下さい。価格200円でshibakawa入魂の選手名鑑というよりスカウティングレポートか?!をお楽しみ頂けます。なお、当メルマガ読者の皆さんには2016年2月1日配信号に掲載しましたので、ご購入の必要はございません。

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