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【試合評】強力赤ヘル打線を4安打。タフな接戦で快投を支えた美馬の「源泉力」~6月10日○楽天2-1広島

2時間50分を戦った「接戦の芸術級」

今季はベストゲームが目白押しのイーグルス。
梅雨入り間近の土曜日昼下がりを戦った2時間50分には「接戦の芸術級」。
そんなタイトルをつけて『永久保存』のフォルダに収納したい。
試合後の「余韻」「のどごし」が素晴らしい、そういう好試合になっている。

楽天先発はキャリアハイの快投を続ける美馬学。
広島は昨年のセリーグ最多勝利投手、野村祐輔。
両者ともに持ち球をフル活用。
コースの内外に投げ分ける卓越した投球術で、お互い全く譲らず、隙らしい隙もみせず、7回終了時までスコア1-1という、白熱したハイレベルの投手戦になった。

今シーズンの楽天戦、両軍先発が互いにハイクオリティスタートを記録したのは、美馬が9回無失点、二木も7回無失点に抑えて0-0のまま延長に突入、12回に飛び出した新人・田中のプロ初ホームランが決勝弾になった5月20日ロッテ戦(○E2-0M)以来、2度目である。

どちらに転んでもおかしくない接戦を制した楽天は、同日敗れた2位・ソフトバンクとのゲーム差を再び1.5に広げた。

チーム成績は1位、53試合36勝17敗の勝率.679、貯金は19。

各種戦績は、交流戦6勝5敗の6位(パ4位)、6月4勝5敗、koboパーク17勝7敗、先制された試合10勝11敗。

ゲーム差は2位・ソフトバンクと1.5、3位・西武と4.5、4位・オリックスと10.0、5位・日本ハムと15.0、6位・ロッテと19.5にしている。

先手は広島、4回表のことだった。
トップバッターから始まる相手の攻撃で、1番・田中に左安を許した。
送りバントで二進され、3番・丸を空三振に仕留めた直後のことだった。
4番・鈴木のバットが唸った。
アウトコースの投球を一閃され、左中間最深部へ。
フェンス上段直撃の三塁打で1失点。
田中は3-1から、鈴木も2-0から、いずれもボール先行場面で短長打を弾き返されての失点劇になった。(楽0-1広)

両軍のスタメン

広島=1番・田中(遊)、2番・菊池(二)、3番・丸(中)、4番・鈴木(右)、5番・安部(一)、6番・バティスタ(左)、7番・松山(指)、8番・西川(三)、9番・石原(捕)、先発・野村(右投)

楽天=1番・茂木(遊)、2番・ペゲーロ(右)、3番・岡島(左)、4番・ウィーラー(三)、5番・銀次(一)、6番・島内(中)、7番・アマダー(指)、8番・藤田(二)、9番・嶋(捕)、先発・美馬(右投)

アマダー7号ソロを生み出した「2つの伏線」

楽天の反撃は5回裏のこと。
この回の先頭・アマダーが大仕事。
野村の初球変化球を仕留め、観覧車めがけて飛んだ5試合ぶりの一発は、1点を追いかける投手戦の中で飛び出した、同点に追いつく貴重な一撃になった。
(楽1-1広)

実は、これには「伏線」があったと見ている。

1打席目、右中間真中に高々と打ち上げた右飛に倒れた結果球は、2-2から外角寄りに甘目に入った136kmスライダーだった。
美馬に勇気を与える同点弾になった7号ソロも、ほぼほぼ同じコース、同じ球速の(正確に言えば135km)の同球種だった。
(アマダー本人はカットボールかな?とのこと)
おそらく、前の打席でミスショトした球を狙っていたと思うのだ。

もう1つ「伏線」があった。

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