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【戦評】「不屈の逆転劇」で視界に捉えたCS、3位と5.5差!~7月31日○楽天6-4オリックス

視野に入ってきたクライマックスシリーズ

7/8には3位とのゲーム差は今季最大タイの12.0。
5位とのゲーム差も今シーズン最大の11.0に広がり、当時は絶望的に思えた。

ところがだ。
そこからの20日間、見事な反転攻勢でCSも視界に入る3位と5.5、5位と3.5のところまでやってきた!

平石新体制下で激増している「不屈の逆転劇」。

旧政権では63試合中6度にとどまった逆転勝利は、平石代行28試合ではやくも10度(本戦含む)を数えている。

序盤、2番・茂木の2点二塁打で2点先行しながら、中盤に則本が捕まり2-4と試合をひっくり返された本戦も同様だった。

2点を追いかけた8回の攻撃。
先頭打者からの連打と暴投、四球で今季2度目のノーアウト満塁チャンスを作るイーグルス。

2番・茂木の本戦2本目タイムリーに、4番・今江の押し出しデッドボール。
さらに5番・銀次が走者2人を帰す右翼線二塁打と、一気に畳みかけて4得点で逆転を飾った。

大きいのは、6回終了時に負けている展開から逆転勝利したこと。
ご存じのように、野球は当該時点でリードするチームの勝率が圧倒的に高い。

NPBでは分業制が進み、7回以降は「勝利の方程式」が出てくるため、ゲームをひっくり返すのはなおさら難しくなる。
そのなか、平石新体制下で10度ある逆転勝利のうち、当該時に負けている展開から決めたのが、本戦含めて5試合もあるのだ。

7/10オリックス戦(○E3-2Bs)
7/18ロッテ戦(○E6-2M)
7/21西武戦(○E9-7L)
7/24日本ハム戦(○E10-8F)
7/31オリックス戦(○E6-4Bs)

7/10オリックス戦では、0-2と2点ビハインドの7回から逆転劇が始まった。
このときも楽天は吉田一から犠飛で1点を挙げていた。
この1点があったからこそ、翌8回今江による山本撃ちが逆転決勝の2ランになった。

6回終了時に負けている展開での戦績は8勝36敗、勝率.182。
しかし、平石新体制では5勝7敗、勝率.417になっており、終盤の粘りがこの数字に良く表れている。

◎楽天の月間成績
3・4月 6勝19敗1分 勝率.240
5月 11勝12敗 勝率.478
6月 10勝13敗 勝率.435
7月 12勝7敗 勝率.632

7月を12勝7敗と今季初の月間勝ち越しで終えることができた楽天。
平石代行就任時、立花社長から課せられた50勝30敗(勝率.625)のノルマは、当時はあまりにも無茶ぶりすぎると思えた。
それがどうして新体制下では18勝10敗(勝率.643)とノルマ達成ペースなのだ。

この勢いを駆り、勝負の8月を白星で塗り潰したい!

一方、則本は2試合連続で打線の助けで黒星を消してもらうことになった。
打ち込まれて降板した則本が、打線の不屈の粘りを目の当たりにし、ベンチで何を想うのか──

鷲のエースにとって正念場の8月が始まる。

両軍のスタメン

楽天=1番・田中(中)、2番・茂木(遊)、3番・島内(左)、4番・今江(三)、5番・銀次(一)、6番・アマダー(指)、7番・藤田(二)、8番・ペゲーロ(右)、9番・嶋(捕)、先発・則本(右投)

オリックス=1番・大城(中)、2番・福田(二)、3番・ロメロ(右)、4番・吉田正(左)、5番・伏見(一)、6番・小谷野(指)、7番・西野(三)、8番・安達(遊)、9番・山崎(捕)、先発・金子(右投)

茂木、今季初の1試合2本タイムリー

決勝点を挙げたのは、ヒーローインタビューにも呼ばれた銀次。
しかし、ぼくが考える本戦の立役者は、茂木と山下なのだ。

不調の茂木は、四球、左中二(打点2)、四球、中飛、右安(打点1)と、4度の出塁。

とくに大きかったのは2本のタイムリーなのだ。
いずれも結果球はストライクゾーンに居座ったフォークだった。

1本目は2回2死3,2塁、金子の初球。

低めボールゾーン落ち切らず、ストライクゾーンに甘く滞留した134キロのフォーク。
これをしっかり弾き返し、左中間フェンス直撃の2点二塁打。
1打席目はストレートのフォアボールで1塁に歩いたため、この日初めて振ったバットが快飛球を生み出した。

2本目は2点を追う8回無死3,2塁。
吉田一の甘いフォークをバチンとひっぱり、1,2塁間をしぶとく破る三走生還の右安になった。

この打席、速球で2個のストライクで奪われた2-2からの5球勝負だった。
直前の4球目のフォークが本塁手前でワンバウンドし若月が横に弾き、一走・田中が二進したワイルドピッチになっていた。

そのため、茂木も脳裏の片隅にフォークが甘く入る可能性を想定していたのかもしれない。
その打ち方をみると、「打たされゴロ」ではなく「自ら打ちにいったゴロ」に見える。

じつは、、、

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