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【戦評】 意識低すぎっ。前夜劇勝の勢いを手放した松井裕樹の悪送球~9/3●楽天0-4日本ハム

4年3ヵ月ぶりの屈辱

前日は敵軍守護神を一気呵成の釣瓶撃ちで攻略したにもかかわらず、その勢いに乗ることができない。悔しいかな、それがイーグルスの今ある現実だ。

スコアは0-4、今シーズン5度目の零敗である。
2度目は8月に入ってから、3度目以降は直近10試合に集中する。

楽天のヒットは6回小深田中安の1本だけ。

イーグルス打線が1安打に封じられたのは、藤浪晋太郎に完封勝利を許して自力Vが消滅した2016年6/2●E0-3T(koboスタ)以来、4年3ヵ月ぶりの屈辱になっている。

右ふくらはぎ負傷復帰後の茂木は、打率.172、OPS.604と精彩を欠いたままだ。痛みがまだ残るのか夏バテなのか、2戦連続のDH起用になったものの復調の兆しは見られない。

茂木がDHに入ると、ロメロ、浅村が守備に就くことになる。両人とも決して本調子ではなく、疲労や厳しい攻めなど事情を抱えたままのプレーになっている。

DHの椅子をパリーグOPS3位&4位コンビにあてがい、なるべく守備負担を減らしたいので、茂木の一刻も早い復調が待たれるところだ。

それにしても、打線は「スランプの底」と言えそうだ。

パリーグ1位のチーム打率.267も、直近10試合では.221に沈んでいる。
.521を記録する同BB/Kも直近10試合は.358と振るわない。

左腕の張りがとれないのか、9/1●E1-8Fの5回守備からベンチに退いた島内は、ここ2試合はスタメンを外れ、途中出場もない。

二番手・村田が多投したなんでもない速球(動いていたとしても)に、内田、渡辺佳、茂木、浅村が対応できなかったシーンも、スランプの深刻さを物語っていた。

太田を2軍行きにさせた捕手層は、とくに打撃では全く期待できず、捕手に打席がまわるたびに代打を起用せざるをえないのも、指揮官の采配を苦しくさせている。

中軸に躍動を許した松井裕樹

打線がドン底のこういうときこそ、投手陣が踏ん張らなければならないが、先発・松井が早々にゲームの流れを手放してしまった。

今季2敗目。7回4失点(自責3)で3戦連続QSを記録し、尻上がりに調子を上げたものの、序盤の内容がまるでダメだった。

1回に3番・西川に先制二塁打、4番・中田にはタイムリー。
3回にも西川に右翼線へ適時三塁打を打たれると、中田には4点目の中犠飛をじつにあっさり。

得点圏で中軸に打席をまわし、3番4番に2打席連続で良い仕事を許してしまう始末。要所での粘りが足りなかったと言えるし、おそらく本人も自覚していたのだろう、後続の5番・近藤には慌ててネジを巻き戻し好投で抑えただけに、正直もったいなかった。

また初回は自らのミスが自らの首を絞めることになった。

無死1塁での1塁牽制が悪送球になって無死3塁へ。「自分の技術不足。(牽制悪送球で)リズムが悪くなり、そのまま引きずって投げてしまった」と悔いる事態になった。

改めてチーム成績を確認してみよう。
3位、65試合32勝30敗3分の貯金2だ。

各種戦績は、直近10試合3勝7敗(得点32/失点46)、9月1勝2敗、日本ハム戦7勝7敗1分、ビジター13勝15敗2分。

ゲーム差は1位・ソフトバンクと5.5、2位・ロッテと2.5になった。「魔の日曜日」で5.5、2.5に広がって以来、その差を詰めることができず木曜日が終わった。4位・日本ハムとは1.0、5位・西武と3.5、6位・オリックスと10.0になった。

◎両軍のスタメン

楽天=1番・茂木(指)、2番・鈴木(三)、3番・ロメロ(右)、4番・浅村(二)、5番・岡島(左)、6番・田中(中)、7番・内田(一)、8番・足立(捕)、9番・小深田(遊)、先発・松井(左投)

日本ハム=1番・大田(右)、2番・杉谷(左)、3番・西川(中)、4番・中田(一)、5番・近藤(指)、6番・渡邉(二)、7番・ビヤヌエバ(三)、8番・平沼(遊)、9番・清水(捕)、先発・加藤(左投)

◎試合展開

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前夜劇勝の勢いを手放した牽制悪送球

改めて1回無死1塁、松井の1塁牽制悪送球の場面を振り返ってみたい。

2番・杉谷の初球前のことだった。
このとき1塁走者・大田が逆を突かれたかっこうになる。

森本稀哲さんの解説によれば、これは大田によるフェイクだと言うのだ。
この誘いに乗ったのが松井。好機とみて慌てて牽制球を投げてしまったのか右翼方向に逸れてしまう。一塁手・内田が逆シングルでミットを伸ばしたものの捕りきれずに後逸。大田に一気に3塁を奪われてしまった。

大前提として松井に責任があるのは明らかだ。

1番・大田を打ち取ったゴロなのに内野安打で出塁を許したことが尾を引いたのか。それでも落ち着いて牽制球を投げるべきだったし、言い訳できないプレーになった。

本人も認める背番号1の技術不足に尽きるのだが、そのことを踏まえて本稿で指摘したいのは・・・(続く)

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