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【試合評】 因縁の千葉を『優勝ロードの起点』に変えたマリン2連勝~4月9日○楽天4-1ロッテ

優勝戦線の橋頭堡を作る千葉2連勝

「因縁の地」を「優勝ロードへの起点」へ。
秋から振り返ったとき、今季初の千葉2連戦は、大きな2連勝になっているかもしれない。

昨年はマリンで4勝9敗と惨敗だった。
悪夢の2試合連続逆転サヨナラ負けを喫した5月14日(●E12-13M)、同15日(●E8-9M)を始め、3年連続負け越しが決まった9月21日(●E0-2M)、4位の可能性が完全に潰えて5位確定した10月4日(●E2-4M)など、楽天にダメージの残る敗戦劇が多く、5連敗で終えたのだ。

そのなか迎えた今季初のマリン遠征。
2ゲームとも降雨の悪天候に見舞われた。

昨日の初戦は最大風速14mを記録、2戦目の今日もプレイボールの1時間前には解説・小宮山悟氏が「こんな雨の中、野球できるわけないでしょ!」と思ったほどの土砂降り。
試合開始時には小雨に回復した雨足も、中盤6回にはふたたび本降りになり、グラウンド整備が何度も実施されるなど、両軍選手ともタフなプレーを強いられた。

そのなか、勝ちどきを挙げたのは、我らが鷲軍なのだ。
相手は経験豊富なエースを立てて敗れ、味方にすべき「地の利」に見放され、全く良いところがなく2連敗。
伊東監督就任以降のロッテは乏しい戦力を上手くやりくりしながら4年間で3度Aクラスの成績を残しており、優勝戦線を狙う楽天にとって『身近な好敵手』ともいえる相手。
そんなライバルに大ダメージを与えることができたのだから、大戦果も大戦果なのだ。ロッテは体勢を立て直すのに、当分、時間がかかるはずだ。

これで楽天は開幕オリックス戦と合わせて、敵地5戦5勝!
成績を8試合7勝1敗とさらに貯金を増やし、2位に浮上してきたオリックスとのゲーム差を2.0、3位・ソフトバンクと2.5、4位・西武と3.0、5位・ロッテと5.0、6位・日本ハムと5.5としている。

両軍のスタメン

楽天=1番・茂木(遊)、2番・ペゲーロ(右)、3番・ウィーラー(三)、4番・アマダー(指)、5番・銀次(一)、6番・島内(中)、7番・岡島(左)、8番・藤田(二)、9番・嶋(捕)、先発・岸(右投)

ロッテ=1番・加藤(中)、2番・角中(左)、3番・清田(右)、4番・パラデス(指)、5番・鈴木(二)、6番・ダフィー(三)、7番・井上(一)、8番・田村(捕)、9番・大嶺翔(遊)、先発・唐川(右投)

球団通算27本目、先陣を切った皆朱の槍

先発は岸孝之だった。
FA移籍後の初登板。内定していた開幕投手をインフルエンザ罹患でキャンセルし、本戦は不名誉挽回のマウンドでもあった。
しかし、ぼくは岸のピッチングについては心配していなかった。

それより打線。最低2点あれば十分勝てる試合で、好調の打線がどこで先制するのかが楽しみで臨んだのだ。

そしたら、いきなり欲しかった2点が初回に入るのだから、いやはやだ。

先制点はすぐさまやってきた。
1番・茂木栄五郎による唐川143km撃ちは、プロ初&球団通算27本目の初回先頭打者ホームランになった。

あの一撃、1-2と追い込まれてからの一閃だったのだ。

2年目のジンクスを吹き飛ばす好発進をみせている茂木も、2ストライク以降と追い込まれた状況ではここまで16打数0安打、9三振、1四球と結果が出ていなかった。

そして、逆方向の左翼席に運んだことである。

昨年、茂木は(バント打球を除く)329本の打球を打ち返したが、逆方向に当たる左翼・左中間に飛んだ外野大飛球(※)は5本だけだった。そのうち柵越えしたのは、9月2日コボスタでのソフトバンク戦、早大の先輩・和田毅から放った左本1本にとどまったのだ。

※・・・ウォーニングゾーン以遠を襲った飛球のこと。

今シーズンは25打球中、逆方向の外野大飛球は、はやくも2本め。
4月2日オリックス戦で西勇輝から打った左本を含め、2本ともホームランだ。
「パワーがついてきたなあ~」と改めて期待を抱かせる一撃だった。

改めてご紹介するが、球場が広大化した2005年以降、パリーグで年間二桁本塁打を記録した打者のなかで、身長174cm以下の小兵による達成はわずかに4人である。

2005年に16本を打った現コーチの礒部公一(174cm)、2015年と2016年で2年連続二桁を一閃した西武・森友哉(170cm)、昨年自身初の10本を打ったソフトバンクの今宮健太(172cm)、そして茂木のライバルで1年目から10本を打ち、そのうち2本を則本から放ったオリックスの吉田正尚(173cm)、この4人だけになっている。

しかし、今シーズン、ここに茂木の名前が加わることは確実で、今からその瞬間が楽しみなのだ。

◎楽天打者の初回先頭打者ホームラン一覧


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