【戦評】 楽天の首位ロードを支える後輩捕手・堀内謙伍の奮闘劇~6/2○楽天4-1ソフトバンク
投手陣が支える楽天の快勝ロード
令和初の快記録を予感させる美馬のナイスピッチング!
首位攻防3連戦の第3ラウンド、ぼくらは素晴らしい日曜の昼下がりを体験した。
前半戦5回を終えて完全試合投球は、楽天では2015年9/20オリックス戦の則本(8回1安打無失点)以来の快挙になった。
前半戦のイニングインターバルが明けた6回、ぼくらの夢は惜しくも断たれてしまう。
この3連戦、常に楽天に先手先手を許した相手正捕手・甲斐にも忸怩たる思いがあったのだろう。
しっかりとした体勢から美馬のスライダーをとらえた左本は「意地の一発」のようにみえた。
3-1と2点差に詰められた翌7回は無死満塁ピンチ。
今江の先頭打者エラーを皮切りに安打、死球。
バッターボックスに好打者・中村を迎えたところで、平石監督は継投を決断した。
この危機を高梨、青山が必死のリレーでゼロに切り抜けたところも、見応えあり。
楽天が無死満塁をゼロに抑えたのは、4/17西武戦(○E7-4L)の9回以来、今季2度目になった。
一方、降板した美馬はベンチに帰るや否やグラブを叩きつける姿をみせた。
その悔しさは味方エラーをリカバーできなかった自身の不甲斐なさだという。
美馬の快記録を目撃できなかったのはとても残念。
しかし、ぼくは勝って兜の緒を締める、十分にベターな好ゲームになったと思う。
3週連続6連戦の交流戦を前に、チームがより一層の結束を固めたという意味では、このかたちも悪くはなかった。
これについては後述したい。
ともあれ、楽天は首位攻防3連戦で若鷹軍団を相手に想像以上の3連勝!
Twitterにも書いたが、今は投手陣の頑張りが大きい。
1試合平均得点4.91、チーム打率.257の打線は、直近10試合に限って言えば3.60、.235と調子を落としている。
そのなか、勝利を引き寄せる奮投をみせているのが投手陣だ。
直近10試合のQS率は70.0%、リリーフ陣も5/23日本ハム戦(●E2-11F)で2回6失点と燃えた今野を除けば、1.67と健闘をみせている。
岸と塩見のローテ復帰が投手陣全体に活力を与え、連日の引き締まった好ゲームにつながっている。
これでチーム成績は1位、53試合29勝23敗1分の貯金6へ。
ゲーム差は6連勝で2位に浮上した日本ハムと1.5、3位転落のソフトバンクと2.0、4位・西武と2.5、5位・ロッテと3.5、6位・オリックスと8.5。
首位と最下位の差が8.5に広がったのは今季初になった。
両軍のスタメン
楽天=1番・茂木(遊)、2番・渡辺佳(左)、3番・浅村(二)、4番・ウィーラー(指)、5番・銀次(一)、6番・ブラッシュ(右)、7番・今江(三)、8番・辰己(中)、9番・堀内(捕)、先発・美馬(右投)
ソフトバンク=1番・福田(中)、2番・今宮(遊)、3番・グラシアル(左)、4番・デスパイネ(指)、5番・松田(三)、6番・中村(右)、7番・内川(一)、8番・甲斐(捕)、9番・川瀬(二)、先発・スアレス(右投)
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高梨雄平、再び輝く
本戦、高梨が再び『戦う一員の仲間入り』をできたことは大きい。
美馬が招いた無死満塁、左の中村のところでワンポイントリリーフ。
中村に詰まらせた三直で、今江の頭上を越えさせずアウトに取り、任務を完遂した。
まずは下記表を見てほしい。
◎4/28以降 高梨雄平 投手成績
今季の高梨はリーグ4位タイの25登板と出番も多い。
防御率も1.96と上々で、一見すると素晴らしい成績にみえる。
ところが、制球に安定感を欠き、9イニング当たりの与四球率は、前年4.31から一転、今年は自己最悪6.87を記録しているのだ。
上記表をみると、4/28以降はあまり良い場面で起用されていないことがわかる。
負けている展開が8試合。
同点での延長戦が2試合。
5点以上リードした場面が2試合。
本来、高梨が腕を振るべき場所=僅差リードの登板は、本戦のみという状況だった。
制球難がネックになり、5/25オリックス戦(●E1-4B)では要所で起用されないというシーンもあった。
1-1の同点の8回、宋家豪が2四球1野選で招いた1死満塁。
打席に左の強打者・吉田正を迎えたところで、平石監督は高梨をお蔵入りにし、宋続投を決断。
その宋が吉田正、ロメロに連続適時打を浴びて1-4で惜敗するゲームがあった。
当時、高梨は直近打者15人に5四球を与えていた。
平石監督も満塁での押し出し四球を嫌い、宋の力量に賭けたという判断なのだ。
高梨からしてみれば悔しかっただろう。
4/28以降の使われ方をみると、疎外感を味わっていたことは想像に難くない。
そのなか、、、
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