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【試合評】粘投の美馬がみせた白眉の右打者インスラ投球。今シーズンの全履歴、ドドンと!紹介します!~8月5日○楽天8-5ロッテ
完勝から一転、一時は1点差に肉薄された14回戦
ロッテは加藤、楽天は茂木、両軍の1番打者による初回先頭打者ホームランで開演した14回戦は、一時はアマダーの2打席連続本塁打がフイになりかねない、まさかの決着を描いた。
アマダーがアマダーになった夜だった。
今シーズンも本拠地koboパークで本塁打を量産する「メキシコの怪人」が、相手先発・涌井を2発の一閃で打ち砕いた。
3回は甘く入ってきた131kmカットボールを仕留め、驚異の打球角度16度で左翼席に突き刺さった弾丸ライナーの16号2ラン。
5回はインハイを突いた141km速球をさばいて、再び左翼席へ。
先発・美馬の粘投と、翌日から始まる仙台七夕祭りの前夜を彩るアマダーの2発が効き、楽天は6回終了時で5-1と、4点リードする逃げ切り体制を作ることに成功した。
これ、本当にお久しぶりのこと。
投手の分業制が確立し、各球団が勝利の方程式を擁する現在、野球は6回終了時まで主導権を握ることができるかどうか?の攻防だ。
有利なのは当然、当該状況でリードする側。
7回以降は勝ちパターンを投入することができるため、ひっくり返されるケースは少なくなる。
現在、勝率.319と最下位に喘いでいるロッテとて、6回終了時にリードした30試合の勝率は.733もある。
しかし、ここ最近のイーグルスは直近8試合連続で6回終了時点で主導権を握ることができず、敵軍にリードを奪われており、この間の戦績は2勝6敗。
本戦は9試合ぶりにリードを奪う展開に持ち込んだが、8回まさかの落とし穴が待っていた。
8回はウィーラー、アマダーがお役御免になり、阿部、中川が守備固めで入ったイニングだった。
かなりの蒸し暑さに見舞われたこと、リードが4点差あったこと等で、外国人の疲労を考慮して休ませたのだ。
しかし、連投になった三番手ハーマンが誤算。
2死走者なしからヒット、死球でピンチを招くと、7番・根元に3ランを被弾。
一気に1点差まで肉薄され(楽5-4ロ)、なおも代打・平沢に四球を与えたことでイニング完了を待たずに降板。
ベテランの久保の救援を仰がなければならない事態に陥った。
その久保は1点リードでの登板は今季初になったものの、8番・田村を落ち着いて退け、なんとか虎の子の1点を守った。
この嫌な流れを救ったのが、直後の8回裏、イヌワシ打線の躍動だった。
この回から登板したロッテ三番手・有吉、火消しの四番手・松永に対し、合計4本の短長打を集め、根元3ランで奪われた3点を、オコエ、銀次による2本のタイムリーですぐさま取り返した。(楽8-4ロ)
最終9回は福山が3安打1四球で1失点しながらも締めて、楽天は3連敗の後の2連勝、ロッテ戦の成績を14勝3敗とし、明日勝てばこのカードの今季勝ち越しが決定する。(楽9-4ロ)
同日、メットライフドームで開催されたソフトバンクvs西武17回戦は、6点差を追ったライオンズが終盤2イニング、岩嵜、嘉弥真、サファテを攻略して土壇場で追いつき延長戦にもつれこんだが、8-7でホークスの勝利。
そのため、1位・ソフトバンクとのゲーム差1.5は変わらずになった。
これでチーム成績は2位、91試合59勝31敗1分の勝率.656。
貯金は8月1日以来の28へ。
各種戦績は、後半戦9勝7敗、岡島&ペゲーロ離脱後4勝6敗、koboパーク27勝11敗1分、先制された試合18勝20敗1分、6回終了時にリードした試合44勝5敗になった。
ゲーム差は1位・ソフトバンクと1.5、3位・西武と5.0、4位・オリックスと19.0、5位・日本ハムと28.0、6位・ロッテと31.0にした。
両軍のスタメン
ロッテ=1番・加藤(左)、2番・サントス(中)、3番・角中(右)、4番・井口(指)、5番・鈴木(二)、6番・中村(三)、7番・根元(一)、8番・三木(遊)、9番・吉田(捕)、先発・涌井(右投)
楽天=1番・茂木(指)、2番・銀次(二)、3番・島内(中)、4番・ウィーラー(三)、5番・アマダー(一)、6番・松井稼(左)、7番・クルーズ(遊)、8番・嶋(捕)、9番・オコエ(右)、先発・美馬(右投)
今後もハーマンを勝ちパターンで信頼できるのか?
それにしても、今後へ一抹の不安を残したハーマンの被弾劇になった。
本戦でも3ラン浴びてもまだ1点リードあったように、失点した11試合、自らがマウンドにいる間は絶対に逆転は許さないハーマン。
相手の反撃を最低でも同点止まりにとどめることで、失点11試合のチームの成績は負けなしの11勝と、チームを敗戦に招く投球はしていない。
それでも、直近11試合で4発の被弾は、今後の優勝戦線を戦う上で気がかりになってきた。
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