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【戦評】 辰己涼介と茂木栄五郎の1年目を比較する!~6/19○楽天9-4阪神

7連戦日程の価値あるアタマ2連勝!

鷲ファンは左翼スタンドのごく一角だけ。
4万人超の大観衆で埋め尽くされた敵地・甲子園。
楽天ナインはあの異様な雰囲気に押し潰されることなく健闘した。

ゲームの前半戦は、3点ビハインドから4-4に追いつく展開。

先発・美馬が立ち上がり4番・大山に3ランを被弾した。
今季の悪癖=初回失点が4試合ぶりに顔をのぞかせると、翌2回は無死満塁から1失点。
今シーズン最短の3回4失点でマウンドを後にしている。

楽天打線は2回から反撃に転じた。
今季5勝右腕の相手先発・青柳を5回途中8安打4失点のKO。

JBの19号ソロで狼煙を上げると、4回は代打・渡辺佳の16打席ぶりヒットがタイムリーに。
1番・茂木から始まった3巡目の5回は上位4連打と打線がつながり、島内とJBが適時打。

両軍先発が責任投球回に到達しないまま、マウンドから姿を消す展開になった。

6回以降のゲーム後半は一転、膠着戦へ。

両軍とも9回まで何度かチャンスを作るものの1本出ず、実況・楠淳生アナの言葉を借りれば「お互い歯ぎしりするような」展開が続いた。

今季8度目の延長戦の決着は10回。
楽天打線が3本の適時打を集中させて大量5得点で決めた。

2夜連続で守屋を攻め、銀次の今季2度目バスター安打などで無死満塁。
ヒーローインタビュー行きの決勝打を決めたのは、この日5月のスカパー!サヨナラ賞を受賞した辰己。

7点差をひっくり返した5/8ソフトバンク戦(○E8x-7H)、守護神・森撃ちの中越えエンタイトルツーベースで死闘に終止符を打ったサヨナラ打が評価された辰己は、この日も殊勲打。

前夜も島本との左vs左を制する適時打をみせたが、この場面も火消しに入った左腕・能見との左vs左を攻略する一打で、1-1から外角狙い142キロ速球が甘く入った失投を中前へ綺麗に弾き返した。

辰己の一打に背中を押されたかのように、その後、茂木、島内にもタイムリーが飛び出した。

終わってみれば13安打は今季28度目の二桁安打に。

3安打は島内と銀次。
島内は今季2度目、銀次は6度目の猛打賞を飾った。

2安打は茂木とブラッシュ。
ブラッシュは8試合連続ヒット、交流戦打率.382は同2位浮上になった。

ここまで3勝7敗と分の悪かった移動ゲームでの勝利にもなった。
交流戦の最終週の7連戦日程、その最初2連勝で楽天は球団初の交流戦優勝を視野に捉えた。

交流戦成績は2位、13試合8勝5敗。
1位・ソフトバンクとの差はわずかに0.5だ。

全体の成績は1位、66試合37勝28敗1分、貯金は今季最多の9へ。
ゲーム差は2位・ソフトバンクと1.5、3位・日本ハムと2.5、4位・西武と3.0、5位・ロッテと6.0、6位・オリックスと9.0へ。

楽天が単独1位で2位にゲーム差今季最大1.5をつけたのは、6/2ソフトバンク戦(○E4-1H)以来になっている。

両軍のスタメン

楽天=1番・茂木(遊)、2番・島内(左)、3番・浅村(二)、4番・ブラッシュ(右)、5番・銀次(一)、6番・ウィーラー(三)、7番・辰己(中)、8番・堀内(捕)、9番・美馬(右投)

阪神=1番・近本(中)、2番・糸原(二)、3番・糸井(右)、4番・大山(三)、5番・マルテ(一)、6番・梅野(捕)、7番・高山(左)、8番・木浪(遊)、9番・青柳(右投)

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辰己と茂木のプロ1年目を比較する!

決勝打を放った辰己は、今、本当に良い状態だ。
今後、夏場へ向けてスタミナ切れに直面することもあるかもしれないが、プロの水に素早い対応力をみせている。

3月4月は打率.208だったが、定位置を奪取した5月以降は打率.279。
6月だけで言えば打率.289で、さらに交流戦は打率.307。
直近になればなるほど、調子を上げている。

今や交流戦OPSは.873と、下位打線のキーマンだ。

左打者の課題の1つ、vs左投手打率でも適応力をみせている。
3月4月.000、5月.167、6月.429と数字を上げ、通算.265。
この数字は右投手打率.262と遜色のない数字に仕上がってきた。

この日、ヒットは決勝打のヒット1本に終わった。
しかし、Hのランプが灯らなかった他の打席でも、ポテンシャルの高さを随所にみせた。

3点を追う4回1死2,1塁の投直は、2-2から甘く入った青柳の139キロを芯で捕まえたもの。
決勝打を彷彿とさせるセンター方向への痛烈ライナーで、アウトになったのは青柳が思わず伸ばしたグラブに運よくスポッと入る、辰己からしてみればアンラッキーに見舞われたからだ。

同点の8回先頭で迎えた第4打席は、あの藤川との対決。
豪快なスイングで火の玉ストレートに応戦した。

そのスイングは1試合7本塁打の球団新記録を決めた6/14広島戦(○E11-2C)の2号を彷彿とさせるもの。
ひっぱるバット軌道で完璧に捉えたかにみえた打球は理想の角度で舞い上がったが、甲子園の強烈な浜風に阻まれ、右翼フェンスギリギリで失速。

他球場なら完全に柵越えのホームラン級の打球で、実況・楠淳生アナも「浅村マインドが辰己に受け継がれていますね」と感嘆調をあげるアットバットになった。

このなか、今回注目するのは、、、

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