【試合評】接戦を逃げ切り、今季最多の貯金15へ!~5月16日○楽天6-4日本ハム
ウィーラーの本格復調を示す「決定的な数字」
秋田こまちスタジアム主催試合6年ぶりの勝利は、グラウンド整備を挟んだ後半戦の6回以降、追いすがるファイターズの攻撃を、イーグルス自慢の継投リレーで逃げ切る、接戦勝利になった。
前半戦の5回までは楽天が完全に主導権を握った。
初回に電光石火の足攻めでファイターズに1点先制されたものの、中盤の3回4回に味方が逆転。
先発・辛島は2回以降は5回まで『4イニング連続の三者凡退投球』と、好投をみせて、投打ガッチリかみ合う展開だった。
3回の逆転劇はみどころの1つ。
1死後、9番・嶋の粘り打ち安打から始まった。
相手先発・高梨に9球投げさせての安打出塁。
1番・茂木も1-2と追い込まれていたが、ストライクゾーン内に滞留したフォークを上手いバットコントロールでさばき、狭い三遊間をしぶとく破る左安。
2番・ペゲーロ凡退後、3番・ウィーラーが「仕上げの一撃」を放った。
今季初めて4番に座った5月6日西武戦(○E10-2)以降、30打席25打数で3本のホームラン量産体勢に入ったハッスルマンが、2試合連続の一発!
ボール先行1-0からの高梨の失投を完璧なタイミングで仕留め、左中間スタンド上段まで飛来した5号3ランは、本戦の勝利点になる逆転弾である。(楽3-1日)
ウィーラーの完全復調を示す「決定的な数字」がある。
打球方向と安打割合だ。
引っ張って左翼・三遊間方向に飛ばした打球の割合と、その打球がヒットになった割合。
5月5日まで引っ張り打球は全体の50.0%を占め、その打球がヒットになった割合は19.0%と少なかった。
しかし、5月6日以降はそれぞれ75.0%、50.0%。
プルヒッターのウィーラーにとって、「自身の強み」でしっかり戦果を残すことができるようになってきたのだ。
(よくウィーラーみたいなタイプの打者に右方向でヒットが出れば云々という解説を聞くが、言っている意図は分かるけども、あくまでも副産物の域を出ないと感じる。プルヒッターは引っ張ってこそ本領発揮するのだ。)
両軍のスタメン
日本ハム=1番・西川(中)、2番・岡(右)、3番・近藤(指)、4番・中田(一)、5番・レアード(三)、6番・田中賢(二)、7番・大田(左)、8番・石井一(遊)、9番・清水(捕)、先発・高梨(右投)
楽天=1番・茂木(遊)、2番・ペゲーロ(右)、3番・ウィーラー(三)、4番・アマダー(指)、5番・銀次(三)、6番・島内(中)、7番・岡島(左)、8番・藤田(二)、9番・嶋(捕)、先発・辛島(左投)
相手の戦意をくじいた、主将の初球打ちタイムリー
翌4回は、先頭の7番・岡島による中越えフェンス直撃二塁打でチャンスを作り、嶋が返した。(楽4-1日)
8番・藤田送りバント後の1死3塁、9番・嶋がコンパクトな振りで弾き返した中前のタイムリーは、楽天のリードを3点に広げる働きになった。
このタイムリー、実に珍しい当たりなのだ。
というのは、初球打ちだった。
今季の嶋の初球スウィング率は、驚くほど少ない。
バント作戦を除くと、わずかに6.2%だった。
さらに言えば、走者有では、たったの2.9%。
4月18日西武戦(○E2-0L)、1点リードの2回2死3塁の打席で初球一ゴに倒れたときの1度だけだった。
相手バッテリーも、よもやバットを振ってくるとは想定しなかったはず。
そんな場面で、嶋が敵軍の意図をくじく積極果敢な打撃をみせたのだ。
クレバーな嶋のこと、たまたま初球を打って出たわけではなく、意図的な初球攻撃だったと思うのだ。
接戦を制した勝利のブルペンリレー
4-1と完全にゲームを支配したかに見えたが、様相が変化したのは6回のこと。
好投の辛島が1死後、1番・西川に選球眼を発揮されフルカウントで四球を与えると、2番・岡に高めに上ずった球を左翼線へ弾き返され、2点目を失った。
後続の3番・近藤を嶋の絶妙リード支援で見三振に仕留めて球数は今季最多の104球、バッターボックスに4番・中田を迎えたところで、継投作戦に入った。
火消しに出てきたのは福山である。
昨年IR%19.4%で見事なファイアーファイターを演じた福山は、この場面で中田をしっかり中飛に仕留め、今季のIR%を25.0%にする名救援ぶり。
しかし、今季初の回またぎになった7回、ピンチを招いた。
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