OP戦成績で振り返る、楽天の開幕1軍入り投手14人のスカウティングレポート

こんにちは。@eagleshibakawaです。

信州上田在住、故郷の英雄・真田幸村の赤備えがクリムゾンレッドに見える鷲押しの野球好き。2012年以降、楽天戦プレーデータを1球管理で記録収集するかたわら、ブログnoteメルマガの運営、「週刊野球太郎」など野球専門メディアにも寄稿を行っています。

さて、明後日の金曜日から始まる2017年プロ野球。
セパ12球団の開幕1軍メンバーが発表され、楽天も以下の27人が選ばれました。

▽投手11人▽
松井裕樹、美馬学、菅原秀、濱矢濱矢、森原康平、高梨雄平、辛島航、古川侑利、小山雄輝、ハーマン、福山博之

▽捕手3人▽
嶋基宏、伊志嶺忠、細川亨

▽内野手8人▽
阿部俊人、茂木栄五郎、藤田一也、今江年晶、銀次、ウィーラー、アマダー、三好匠

▽外野手5人▽
岡島豪郎、松井稼頭央、聖澤諒、島内宏明、ペゲーロ

いよいよ2017年ペナントレースの火蓋が切って落とされようとしていますね。なんだか、応援するこちら側もむしょうに武者震いする心地です。

さて、本稿では、開幕1軍に選ばれた投手陣について解説していきます。

前述11人に、東北開幕戦で先発するとみられる則本投手、釜田投手、森投手の3人を加えた合計14人を、各々の開幕前の対外戦成績を振り返るかたちでコメントしていければと思います。

これ、数日前から作成していました(苦笑)

それでは、さっそくまいりましょう!
ちなみに、順不同です。


美馬学

梨田監督「白い馬が見えた」。
必勝祈願で参拝に訪れた大崎八幡宮、その参道で指揮官の心は固まった。
岸インフルエンザ罹患で白紙に戻った開幕投手。
その代役は、股関節と腰痛で出遅れながらも調子を上げてきた背番号31に決まった。
美馬も「任されたのでやってやろうという気持ち」「舞台に立てる幸せを感じて投げる。任されたからには期待に応えたい」と闘志十分。

中5日で開幕戦を乗り切れば、その後は美馬が苦手にする本拠地登板が少ない土曜日のローテでまわると見られ、その点は初の二ケタ勝利を目指す美馬にとって有利になる。

◎こちらのブログ記事も参照「楽天の美馬、中5日で開幕戦マウンドへ。そこで美馬の中5日以内の成績を調べてみた!」

一方、少し気になる点もあるのだ。
ここ数年の美馬は、下記表のとおり、開幕前の最終登板からシーズン初登板まで2週間前後の期間を与えられ、一息入れて調子を再度整えてからペナントレースに臨んでいた。

これは、美馬がアマ時代からの度重なる故障持ちという点を、首脳陣が考慮したからだと思う。
今年は、そのような小休止期間がなく、中5日でシーズン初登板に突入する。この辺りの影響がどんなかたちになって表れるのか?表れないのか?

しかし、今はチームの緊急事態だ。
誰かが少し無理をしてでもその負担を引き受けなければならず、それを快諾し前を向いて決戦に挑む美馬に、今はエールを送りたい。
開幕戦を良いかたちで締め、交流ある稀勢の里にLINEで「フィーバーしたぜ!」とメッセージを送りたい。

辛島航

2月28日ソフトバンク戦で観た辛島のピッチングは、白眉だった。

バランスの良い投球フォームから低めゾーンと右打者のインコースに厳しく球を集める制球力が冴え、まるで今季のベストピッチのよう。若鷹軍団にゴロを打たせることに成功し、ゴロ率は対外戦試合別で最多50.0%を記録、今年こそ期待できるのでは?と、前のめりで思わせてくれる好内容だったのだ。

しかし、その後がイケない。
倉敷、明石と転戦した慣れない地方球場のマウンドに四苦八苦したのか、投球フォームを派手に崩し、結果が出ない。
3月14日広島戦では本人いわく「踏み出す右足の膝が開いていたのが原因」で試合中に修正できず5回10安打6失点。「フリーバッティングで打たれてる感じ。簡単に打たれすぎ」と梨田監督もおかんむりだった。

報道によると、開幕カード2戦目の先発だと言われている。オリックスは糸井が抜け、1年目に驚異的な打棒を見せた吉田正は腰痛で開幕1軍入りを外れた。

◎オープン戦 ゾーン別の投手成績

前年比で打力が落ち、怖くない相手とはいえ、球は低め低めに集めていきたい。
オープン戦のデータを調べてみると、やはり中段以高のゾーンに入ると、被打率.368と打ち返されるケースが多く、ゴロ率も36.1%と低くなってしまう。

しかし、低めでは被打率.292、ゴロ率44.4%になる。
マリナーズの岩隈が全体の60%前後を低めに集めるように、辛島もそれに倣い、低めの投球割合を60%近くまで上げて、丁寧なピッチングを心掛けたい。

釜田佳直

開幕前の対外戦では、終始、不安げのない安定したゲームメイクをみせた。
5回3安打無失点をみせた3月8日ヤクルト戦の試合後には、梨田監督の口から早くも「上出来だった。当然、開幕何戦目かには投げることになる」という開幕ローテへの言質が聞かれるほど。
対外戦被打率は.208とすこぶる上々で、ゴロ率も52.3%と打たせて取る投球が冴え渡った。

しかし、ぼくは年男の上出来すぎる数字、あまり信用していない。
というのは、対外戦の空振り率が5.5%と昨年の7.9%から数字を落とすなか、BABIPは逆に.219と良すぎたこと。
さすがにこの数字をシーズン入っても維持できるはずがなく、運を始めとした、釜田本人の力量以外の諸要素が大きくプラスに作用したと考えられるからだ。

もう1つ、これ、何度も繰り返しますが、、、


※ここから先は有料エリアでお楽しみください。

※本稿は『まぐまぐメルマガ』でも、お届け中。
本稿を含む月十数本の連載で購読料514円
(4月以降お申込みだと、本稿は別途バックナンバー購入です)
読者数は「中村紀洋の野球マガジン」超えです

【新規読者さん特典】登録初月の無料購読サービス
まぐまぐでのご入会はコチラからどうぞ

銀行振込ご希望の方はtan_5277アットマークyahoo.co.jpまでご連絡下さい。

見やすさでは、とにかくnoteがお薦め!
スマホアプリでの閲覧が良いです。
本稿は、こちらのnoteバリューマガジンにも所収されています。
「夢再び!球春到来!Shibakawaの鷲応援マガジン」
「Shibakawaの楽天イーグルス観戦記〔2017前半戦〕」

ここから先は

9,518字 / 22画像
この記事のみ ¥ 200

読者の皆さんにいただいたサポートで、さらなる良い記事作りができるよう、心がけていきます。