【試合評】 4+23の答えは、終盤奇跡の逆転勝ち!! 好投・釜田で見逃されがちな致命的課題点とは?!~2016年6月11日○楽天イーグルス2-1広島
4+23=終盤、奇跡の逆転勝ち!
好投する先発投手を打線が見殺しにすることこそ、忸怩たる敗戦はない。広島2回戦も、そんな重苦しいゲーム展開で終盤まで進んでいたが、終盤にドラマが待っていた。
先発・釜田は8回途中1失点の好投。立ち上がり、3番・丸に上手く中前へ運ばれ先制点を許したが、失点は初回の1点のみ。2回以降、マウンドという孤独の城で丁寧な投球を武器に、赤ヘル勢の攻撃を散発3安打に抑える奮闘を見せていた。
しかし、後詰に向かうべき打線が、援護射撃できない。
相手先発の岡田明丈は7回7安打無失点。ドラ1新人右腕を相手に1回、3回、4回、6回と先頭打者の出塁に成功し、その多くでセットポジションからの投球を余儀なくさせる、攻め手有利の状況を作ったが、得点圏で8打数0安打1三振。欲しい時のあと1本が出ず、初勝利の権利を有したままマウンドを去ることを認めていた。
7回を終えて1点を追う展開だった。7回終了時に負けていたときの成績は、今季ここまで29試合2勝26敗1分。そのうち19試合では終盤2イニングを零封されての敗戦劇。
勝利の方程式が出てくれば万事休すか・・・と観念しかけた8回裏のこと。相手の守備ミスを起点にチャンスを作った楽天は、2死から同点、逆転の連続タイムリーが飛び出し、試合をひっくり返すことに成功。昨年8月25日オリックス戦以来、球団史上3度目のスミイチ敗戦を回避し、2-1で勝利。
勝利投手は8回2死3,1塁で火消しに入り、代打・小窪を初球中飛に仕留めた金刃。今季初勝利は珍しい1球勝利になった。
チーム成績は6位、59試合22勝35敗2分。同日3位・日本ハムが敗れたためゲーム差を7.5に縮め、5位・オリックスも負けたため、5位とのゲーム差は0.5に縮まった。
オリックスはエースの金子千尋が右肩違和感で登録抹消。チーム状態が悪いため、交流戦で一気に5位浮上といきたい。そして、明日、3カード連続の勝ち越しをかけて、先発・戸村の2戦連続の好投を期待したい。
両軍のスタメン
広島=1番・田中(遊)、2番・菊池(二)、3番・丸(中)、4番・新井貴(一)、5番・松山(左)、6番・鈴木誠(右)、7番・エルドレッド(指)、8番・西川(三)、9番・會澤(捕)、先発・黒田(右投)
楽天=1番・岡島(右)、2番・藤田(二)、3番・茂木(遊)、4番・ウィーラー(指)、5番・銀次(一)、6番・内田(三)、7番・聖澤(左)、8番・足立(捕)、9番・オコエ(中)、先発・釜田(右投)
筆者の見立てを裏付けた聖澤のお立ち台発言
代打・後藤による同点打で試合を振り出しに戻した8回、なおもチャンスの2死3,1塁、勝ち越しの決勝打を放った聖澤が本戦のお立ち台だった。
そのヒーローインタビュー、「どんな思いであの打席に立ちましたか」と訊かれた聖澤のコメントが、私の見立てを裏付ける素敵な発言だった(笑)
「エライ所で僕に回って来たなと思って…交流戦という事で、あたった事の無いピッチャーだったんですけど、前の後藤選手がお手本を見せてくれたので、良かったです」
試合後には、報道陣の取材に対し、こんなコメントも残した。
「カットボールが中心の投手ということは試合前からわかっていた。なかで流そうか、引っ張ろうか? 考えていた時に後藤さんのバッティングを見て、自分も引っ張ろうと思った」
8回は、4戦連続マルチ安打の2番・藤田がゴロ凡打に倒れた1死後、3番・茂木の投ゴを処理したヘーゲンスのボーンヘッドからチャンスが生まれた。
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