【試合観戦記】 5/26日本ハム2-3楽天:「やっぱり王子だ!」チームの苦境を救った岸孝之メモリアル160勝粘投
連敗ストップ。さあ仕切り直しだ!
歴史的大敗を挟んだ3年ぶりの6連敗を止めたのは、パリーグ最年長先発右腕のメモリアル勝利だった。
本戦負ければ今季初の借金二桁へ。チームが崖っぷちに立たされたなか、岸孝之が毎回ランナーを背負いながらも粘投。
真っ直ぐの制球がばらついた初回こそ2死走者なしから1点先制を許したが、浅村犠飛で味方がすぐさまゲームを振り出しに戻すと、2回以降は尻上がりにコントロールを軌道修正し、ゲームを作った。
3回表、岸が味方エラー(辰己落球)から背負った1死2塁~2死3塁のピンチをゼロでベンチに帰ってくると、直後の攻撃で楽天が2点勝ち越しに成功。
先頭打者のストレート四球を活かした。
相手先発は高卒3年目の柳川大晟。5/9に育成から支配下登録されたばかりの長身右腕は、本戦がプロ初登板・初先発だった。
本人いわく緊張しなかったと言うが、初めての舞台で力みもあり出力の仕方が手探り状態にみえた。その結果がこの先頭への四球だった。
続く小深田が、柳川の不安定で甘く入った真っ直ぐを仕留めていく。引っ張った鋭いライナーが右翼線を切り裂き、打球は右翼ポール際フェンスへ到達。
ライトは今季はやくも12球団最多7の外野補殺を誇る強肩・万波中正の庭だったが、解説・大塚孝二さんも言及したように、三塁の岡田幸文コーチが迷わず腕をまわす好判断。カットマンにボールが帰ってきたすぐ後、3塁を蹴ったオゴちゃんが頭からホームへ滑り込み、小深田も一気に3塁へ。
その後1死3塁で浅村が本戦2本目の犠飛を放ってみせた。(F1-3E)
5回に田宮に2本目のタイムリーを打たれてF2-3Eと1点差へ肉薄されたが、同点は許さず。
7回以降は酒居~宋家豪~則本と勝ちパターンで逃げ切り、1点差成績を6勝9敗にした。
▲浅村にも言えることだが、ほんとこれ。彼らが現役のうちになんとか楽天は2度目の優勝を!
交流戦前に連敗が止まり、ベテラン右腕のメモリアルも達成させ、一息ついてセリーグとの3週連続6連戦日程へ入っていけると思う。
同日、所沢では松井稼頭央監督が休養の異例事態へ。
しかし、楽天はここから巻き返していく。交流戦最初のカードは3連敗中のDeNA。
主砲の牧秀悟は右太もも裏の肉離れで離脱中。怪我から5/17に戻ってきたオースティンも土曜日広島戦の守備で左手首を負傷し、日曜日は代打の1打席だけと、三浦監督も苦心の采配が続いている。
舞台は敵地だが、ここは勝ち越していきたい。
楽天打線、セパ12球団最多の三塁打
楽天が作った得点圏は1回と3回、日本ハムは計6イニング。
イーグルスは数少ないチャンスを活かし、ファイターズは楽天投手陣の要所を締める粘投に得点機を活かせなかったと言えそうだ。
小深田の一撃で楽天の三塁打は、開幕45試合で12球団最多の16本目を数えた。
シーズン換算だと、球団記録の2016年32本を大きくうわまわる51本ペースだ。
今季の楽天打線は二塁打44本、本塁打14本は、ともに12球団最少。
純粋な長打力を表すISOもリーグ最低.079を記録する。(パリーグ平均.096)
長打力不足に欠けるなか、唯一の長打が足を活かした三塁打になっている。
楽天はこの6連敗中、長打がめっきり少なく、計41安打を放ちながらも、長打は小郷による二塁打と初回先頭打者本塁打の2本だけだった。
それだけに、ファームで力をつけてきた新進右腕を再び2軍送りにさせた3回コブのスリーベースは大きかった。
浅村栄斗の最低限力
浅村は5/17以来となる打点をマーク。
1回無死満塁、3回1死3塁という「最低限3塁走者はホームに呼び込んでくれ!」という場面で、文字通りの最低限の、でも大きかった仕事を遂行してくれた。
今季は稀にみる不調のシーズンだ。
今年11月で34歳という寄る年波には抗えないのか、2月キャンプでの疲労の蓄積による別メニュー調整が遠因として尾を引いているのか、飛ばないボールにこれまで培った打撃技術を狂わされているのか、パリーグ記録を更新し続ける連続試合出場記録の影響か。
連続試合出場の大半を・・・(続く)
ここから先は
¥ 100
読者の皆さんにいただいたサポートで、さらなる良い記事作りができるよう、心がけていきます。