【試合評】近藤ソロは良薬に。エース則本が披露した今季ベストピッチ~楽天○2-1日本ハム
負けられない下位6連戦
ペナントレースが残り40試合を切るなか、6位・日本ハム、5位ロッテの下位2チームとの6連戦を戦う今週は、もはや取りこぼすことは許されない1週間になってきた。
しかし、最下位のファイターズはここのところ好調。BIGBOSS野球も浸透したのか、オールスター明けは7勝5敗2分の成績で、先週は首位西武を札幌で迎え撃ち2勝1分。上位いじめを発揮していた。
さらに本戦では7/19に左膝蓋骨の骨折を負った首位打者の松本剛が1軍復帰。このカード11勝5敗と大幅に勝ち越してはいるものの、決して侮れない試合になっていた。
そんな3連戦の初戦。今季はカード頭で13勝25敗と苦戦するイーグルスが、なんとか2-1とロースコアの1点差を制し、モノにすることができた。
久々に先発が仕事を全う
則本vs根本の投げ合いになった17回戦は、両軍先発がともにHQSをする今季5度目の投手戦に。そんなシビれる投手戦を制した勝利の最大立役者は、7勝目をあげた則本だった。
自身の連敗を5で止める7回5安打1失点。相手先発・根本もHQSを記録し、両軍先発がともにHQSを叩き出す今季5度目の投手戦になったが、そのなかでも試合の主導権を手放さないナイスピッチングになった。
今季の則本は試合前でQS率46.7%とキャリアワースト。田中将66.7%、岸64.7%から相当遅れをとっていた。QS以上を記録したのは7/13●E2-3F以来になる。
チームとしても8月13試合で8/4○E10-1Mの岸に続く2度目のQS以上。今月は先発陣が崩れるケースが多い。責任投球回未達が5試合、6回まで投げ切ることができずの例も8試合に及ぶなか、久々に先発が良い仕事をするゲームになった。
良薬になった近藤のソロ
立ち上がり近藤に150キロ真っ直ぐを被弾したことが、結果的に良薬になったようだ。
今季はストレートの被打率が悪化。昨年.264と手応えを得た真っ直ぐが今年は.320と打ち込まれる場面が増えていた。そのなか、初回いきなり近藤にスピードボールを逆方向に運ばれてしまう。
この一発で太田も配球を大胆に切り替えることができたのだろう。ファストボールは全体の34.3%にとどまり、キャリアでもおそらく上位に入る変化球主体の組み立てになったが、配球変更が結果的に奏功した。
米データサイトfangraphsで採用されているCSW%(Called+swinging strike percent)。投手のパフォーマンスを測る指標で、全球数に占める見逃しストライクと空振りの比率を表す。
この値が本戦で今季自己最高の35.2%をマーク。
経験・実績に乏しい選手が多いファイターズ打線から、切れのある変化球を低めゾーンに72.5%も集め・・・(続く)
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