【野球】あの芸術級ピッチをもっと観たかった! 当代1のサブマリンに捧げる送辞ほか
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●牧田和久
あの芸術的クイックワークを、もっと観たかった!
NPBに復帰した昨年は救援陣の一角で酒居、ブセニッツとともにシーズン完走する52試合、防御率2.16、22ホールドの大車輪の活躍。
しかし2年契約の2年目は17試合、3.31、2Hどまり。出場機会を大幅に減らした背景には、牧田の調子以上に、安樂の台頭や宋家豪の復調など後進の活躍も大きかった。
おそらくこの2年間、12球団で“最も遅い球”を“最も多く”投げた投手である。
全体の2割で平均95.1キロのカーブを多投。4/3〇E3-2Bにはついに87キロを計測した。被OPSも.494→.464と2年連続で打者を翻弄した。
このまま現役引退になると、元同僚の西武・栗山へ2000安打を献上した登板が最後になってしまう。2軍では29試合27.2回で防御率0.33、K-BB%も20.0%と好成績を残しただけに、他球団からオファーが届くことを祈りたい。
春季キャンプ第1クール最終日の夜、Clubhouseに登壇し、僕ら聴衆に日米の違いをいろいろ聞かせてくれたのは良い思い出。
●池田駿
楽天の歴代投手で、高校3年の甲子園に春夏連続出場した経歴は、池田1人だけかもしれない(田中将は未達)。※下記注
新潟明訓高~専修大~ヤマハを経て2016年ドラフトで巨人4位。特技はピアノで、入寮時にヤマハの電子ピアノを持参しスポナビ速報から「快投の旋律」の異名を頂戴した。
2017年6/1雨の楽天戦でプロ初先発。個人的にこの時の印象が強い。
8回12Kの則本と互角に渡り合い、外国人トリオを擁する鷲打線を5回4安打無失点に。打者の左右を問わずチェンジアップを操り、数多くの空振りを奪取した。
昨年開幕直後、ウィーラーとの交換トレードで楽天へ。9/2日本ハム戦で移籍後初勝利をあげたが、これが仙台で唯一の白星にしてキャリア2勝目だった。
今年は層の厚いブルペン陣に割って入る余地なく1軍登板なし。2軍では32試合29.2回で防御率1.52だったが、満塁弾やサヨナラ打を浴びる場面も。
社会人卒で移籍組、来年30歳となればやむなし。11/1に現役引退を表明した。
※・・・当初は「歴代選手」と書いたものの、黒川史陽選手も3年春夏連続出場しているため「歴代投手」に修正しました(笑)
さらに追記:読者さんは素晴らしいもので、さっそく三好匠選手もそうだとお知らせいただきました。
●菅原秀
スポナビ命名の「思わず手が出る縦のスライダー」の二つ名は伊達ではない。
絶対的な自信があったのだろう、プロ初登板の初球もスライダーだった。
実際、当該球を打者にスイングさせたときの空振り率はキャリア通算47.7%。今季の田中将が37.6%であることを考えると、当該球1球だけを切り取れば、楽天歴代投手の中でもトップ級の潜在能力だったと思う。
いっぽう、最大の課題は制球難だ。
キャリア通算与四球率は5.50。2017年6/2にNPB史上15人目の1イニング3暴投を記録したように、四死球・暴投の9イニング発生頻度は6.90個にもおよんだ。
最速155キロを誇る速球に絶対的な必殺球。この組み合わせは右肘に相当な負担をかけたようで2019年9月に右肘手術を受ける。この影響で2020年は1軍登板なし。今年も1試合のみに終わった。
プロ初勝利のお立ち台で、セールスポイントと言うべきところを「自分は腕が振れるっていうところがチャームポイント」と言い間違えたのは、今なお語り草。
●則本佳樹
改めて考えても、2019年3月に兄・則本昂が結んだ7年契約の交渉材料にされた感は否めない。
則本昂が長期契約を決めた要因は同年3月にメスを入れた右肘手術、隠し子まで作った泥沼の不倫劇の2つが大きいと思うが、弟・則本佳が前年秋に楽天から育成ドラフトで指名されてこれからお世話になることも、少なからず影響したはずだ。
北大津高では甲子園に出場したものの、近畿大、山岸ロジスターズでは目立った戦歴なし。
4/1西武2軍戦では40球投げて最速138キロが1球だけと球速は高校野球クラス。技巧派とはいえ、プロの世界で技巧派たらしめる最低限のスピードにすら届いていない状況で、兄が楽天にいなければ指名されなかったと思う。
後輩の松本(20年退団)を連れて良く行くほどのスタバ好き。
Instagramでファンにした退団報告のコメント欄に「スタバでお見かけしたのが最後になってしまうなんて悲しいです。これからも応援してます」の声があったのは、この人らしい。【終】
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