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【試合感想文】 5/24楽天5-6xオリックス:ほっともっと神戸特有の球場特性について
オリOB塩崎真さんが指摘
9回暗転のきっかけは、ほっともっと神戸特有の球場特性にあった。
1点リードの最終回、マウンド上は中7日の松井裕樹。
問題の場面は1死後、代打・大城滉二の三ゴだった。
サード前方に当たり損ねが高く弾んだ打球。普通なら完全イージーゴロである。プロならおそらく99.5%はアウトにするはずの討ち取った当たりだった。
ところが、前進処理した伊藤裕季也が捕球時にグラブ弾いてファンブル・・・
今シーズン防御率0.00の背番号1が、通算対戦成績11打席ノーヒットと完璧にねじ伏せてきた紅林弘太郎に初めて許したヒットが逆転サヨナラ2ランに化けてしまったのは、このアクシデントの直後だった。
終盤の要所で飛び出した致命的なエラー。そう言えるのかもしれないが、Twitterにも書いたように、伊藤裕を一概には責められない。
この日の解説で現役時代ホットコーナーで通算320試合の出場歴のあるオリックスOB・塩崎真さんが言うには、あの場所に打球が高く弾むと、バックネット方向にある細長い照明塔と白球が重なり、落ち際がわからなくなるのだという。いわく「私も何度か経験しました」。
伊藤裕がほっともっと神戸でプレーするのはプロ初。アマチュア時代はわからないが、アマ時代はデーゲームが基本だと思うので、同球場でナイトゲームを戦うのは人生初だったと思う。
また、この日は湿度も少なく乾燥していたのか、試合前やイニングインターバルの水まきが足りなかったのか、両軍右打者の痛烈な打球がホットコーナーを襲う場面がたびたびあった。
伊藤裕も宗佑磨も打球を身体で止めてから1塁送球アウトにするシーンや、4回2死2塁で廣岡大志のオリックス移籍後初安打はサード強襲の内野安打だった。
だから、あの場面、伊藤裕の脳裏には、痛烈ゴロを今度もしっかり堅守でさばいてみせるぞ!という意識はいつも以上に強かったかもしれない。強すぎたあまりに──プロだからそんなことはないよ!とも思うが──前方のボテボテのケアまで頭がまわらなかったのかもしれない。
いずれにせよ、あまりにも不運で気の毒なシーンになってしまった。
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楽天=1番・辰己(中)、2番・阿部(一)、3番・伊藤裕(三)、4番・浅村(二)、5番・フランコ(指)、6番・炭谷(捕)、7番・島内(左)、8番・山﨑剛(遊)、9番・小郷(右)、先発・早川(左投)
オリックス=1番・野口(中)、2番・宗(三)、3番・中川圭(左)、4番・森(指)、5番・頓宮(一)、6番・若月(捕)、7番・廣岡(二)、8番・茶野(右)、9番・紅林(遊)、先発・田嶋(左投)
けっこう多い背番号1への同情の声
試合直後、SNSの反応を見てると、けっこう背番号1に同情的な声が多くて、驚いてしまった。
そんなアクシデントがあっても、僕は松井裕樹にしのいでほしかった!
勝利に直結する最終回のマウンドを任される守護神は・・・(続く)
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2018年9月のGM就任から始まった石井体制も5年目へ突入。今年はGM職を外れて監督業に専念する総決算・集大成の戦いに。監督も「狙うのは優勝ですね。優勝以外を掴まされてもハズレ」と不退転の決意を示す今シーズンを試合感想文やコラムなどで綴ります。あなたの野球観戦の「良き伴走者」を目指して。月10回以上を所収。ただいま新規読者さん募集中!
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