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【試合評】イヤな延長戦を阻止する茂木復活の17号2ラン!~9月29日○楽天3-0日本ハム


ファイターズの残塁はNPBタイ記録の19。
「0点で抑えたのは奇跡に近い」。
試合後、指揮官が吐露したように、アンビリバボーな危機からの生還劇になった。

楽天投手陣は序盤から汲々とした苦しい投球内容だった。
与四死球は今シーズン1試合最多の12個。
毎回四死球を出して塁上を賑わし、得点圏に走者を背負ったのも2回と9回を除く合計7イニングで、得点圏で打者18人との対決を強いられた。

なかでも目白押しだったのは、満塁ピンチである。
立ち上がりに先発・藤平が安打四死球で招いた1回1死満塁を皮切りに、3回1死満塁、5回2死満塁、四番手ハーマンが案の定の精彩を欠苦内容で降板し福山に火消しを仰いだ7回2死満塁、その福山が前夜同点打を許した横尾をリベンジの併殺打に切ってしのいだ8回1死満塁。
合計5回7打席を数えたが、リリーフ陣を5人注ぎ込む総動員体制で辛くもゼロにしのいだ。

綱渡りの危機脱出劇の最大のBGM、格好の舞台装置になったのは、7回終了時までスコア1-0という僅差の試合展開だった。
2回に5番・アマダーが放った23号ソロで挙げた虎の子1得点を、日本ハム打線の拙攻にも助けられ(甘いスライダーをミスショットしてくれる場面が多かった)、楽天投手陣が土壇場の中、粘投で守り抜いた。

主導権を大きく手繰り寄せたのは終盤に1番・茂木が放った17号2ラン!
8回、田中から借りた白木のバットで(札幌ドームにはないがあれば)バックスクリーン左へと運ぶ一発が、効果絶大だった。

その後の終盤2イニングをゼロで締め、前夜のリベンジを果たした回またぎ福山と抑え・松井裕に勇気を与えるアーチになった。

これで試合のなかった2位・西武とのゲーム差は9月23日以来の2.0に。
10月2日3日の西武との直接対決2連戦まで、指揮官が目標にしていたゲーム差2.0に詰めるかたちになったが、下記のとおり、依然、苦しい状況には変わりはない。

◎パリーグ2位進出ライン (9月29日終了時)


茂木栄五郎の復活劇!

イーグルスが苦手にしている相手先発左投手試合で勝利を収めたとはいえ、課題の残る内容だった。
1回は1番・茂木が内野安打で出塁したが、2番・島内がバント失敗の捕バゴ。
左vs左のバントは難度上がるとはいえ、決めて欲しい場面だった。(※)
直後の3番・ペゲーロもゲッツー。
3回は1回にバント失敗した島内が1死1塁でファースト中田の好守にも阻まれ3-3-6の併殺打に倒れていた。

※・・・今季の楽天打者による「真のバント成功率」(走者有)は以下のとおり。

右打者vs右投手 69.4% ←低すぎ!
右打者vs左投手 81.3%
左打者vs右投手 85.7%
左打者vs左投手 72.7% ←2015年は63.2%、2016年は70.6%だった。

その島内とペゲーロが揃って4タコ。
島内は9月月間打率.222に下がり、苦手の左投手打率も.188に沈んだ。
ペゲーロも9月月間打率は.194と低迷。
とくに9月20日オリックス戦(●E4-8Bs)で23号を放った直後から、26打席21打数2単打10三振5四球と振るっていない。

しかし、その中で「皆朱の槍」を「白身の抜刀」に持ち替え、好戦果の槍働きをみせたのが、3戦連続で1番に座った茂木だった。

二安(堀)、左安(堀)、見三振(堀)、中本(井口)の3安打2打点の活躍。
初見になった堀との左vs左を制した2本のヒットに、終盤の貴重な2ラン。

特に17号2ランは大きかった。

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