地球交響曲
私は映画館が苦手です。
椅子に座って2時間じっとしているのが苦手だし、面白いかどうか見る前にはわからないものにお金と時間を払うのも嫌だからです。
なので映画館には人生で数えるほどしか行っていません。
そんな映画館での、一番の思い出話を書きます。
就職して数年目のまだ独身のころ、映画の前売り券を知り合いから購入することがありました。ほとんど興味はなかったのですが、「面白いから!」と自然保護協会か何かの年上の綺麗なお姉さんに何度も熱心に言われたので、付き合いで購入しました。
今考えれば、一緒に見に行く流れじゃなかった時点でアウトです。
タイトルは「ガイア シンフォニー」という映画でした。無名なうえに3時間近い長編なのが不安です。
しかし、もうお金は払って前売券は手元にあります。知らない映画を見るのも嫌ですが、損をするのはもっと嫌です。
せっかく買ったので見に行かなきゃと思い、一人で総曲輪のウィズシネマに行きました。(もうありません)。
お客さんは私を含めて5-6人です。不安が拡大します。
映画が始まりました。
内容は、うろ覚えですが環境音楽とイメージ映像の合間にドキュメンタリー?映像がちょっとずつ出てストーリーがつながっていく、みたいな感じでした。歌はエンヤです。エコーがすごいです。
30分ほどたってようやくストーリーが見えてきました。どうやら「南の島の酋長がお祭りで使う大きなカヌーを作るのに必要な大きな木を、アラスカ?の酋長が譲ってあげる」というものらしいです。
しかし、話は遅々として進まないのです。ことあるごとにエンヤが歌い、公害やバイオ工場や宗教家の演説が挿入され、クリスチャンラッセンみたいな映像が流れます。
たぶん少し前に流行っていた、生命潮流とかガイア理論とかのオマージュ?なのだろうか、とぼんやり考えました。
そして、あまりの退屈な内容にさすがに眠ってしまいました。
どれくらい眠ったでしょうか、ものすごく熟睡した感じで爽快に目が覚めて、ああしまった、映画見逃しちゃったなあ、と思ってたその瞬間、我が目を疑いました。
まだカヌーができていないどころか、木さえも切られていなかったのです。酋長は私が寝る前に確かに「この木を切ってカヌーを作りなされ」、みたいなことを言ってたはずじゃん!
針葉樹林の空撮に合わせて歌いだすエンヤ。
後にも先にも、映画館で二度寝したのはあの時だけです。
「映画館でぐっすり寝てしまう」という経験にも、何かスピリチュアルなメッセージを感じられる方にはお勧めできる映画だと思います。
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