「とやまのやわやわ」を撮る―AMAZING TOYAMA写真部講座(露出補正編)2024/11/23
富山市が主催する写真サークル「AMAZING TOYAMA写真部」の講座が11月23日に行われたので参加してきました。
午前中に講義とディスカッション、午後に撮影会という流れでしたが、寒かったのと体調(鼻炎)がひどかったので午前中だけ参加しました。
今年は富山市でも水橋地区にスポットを当てて、魅力を発信するのだそうです。
水橋の印象ですが、まずは何と言っても漁師町です。水橋漁港のほか、プレジャーボートの泊地である水橋フィッシャリーナもあり、護岸や海岸で投げ釣を楽しむ方も多いです。
もちろん本業の漁師さんや漁船も多く、ホタルイカの水揚げも多いです。
西は常願寺川、中央に白岩川、東に上市川と三本の川と海に囲まれた、まさに水と橋の町ですね。
歴史的には昭和中期までは水橋村という独立した自治体で、米騒動発祥の地のひとつでもあります。
海と川、田園と立山連峰、空襲を免れた情緒のある町並みに恵まれたエリアです。
講座の当日は雨模様でしたが、テラウチマサト先生曰く「雨や曇りの日に写真を撮ろうという人は少なく、逆に普段見られない表情や情緒を撮れるので前向きに」とのことです。
また、「同じ町を撮る場合でも、プロが撮る写真と、そこに住んでいる人が撮る写真では差がある。プロの写真には「上手く撮ろう、いい部分を撮ろう」とするので、撮る側にも見る側にもバイアスがつく。逆に住んでいる人の写真にはそれがなく、素の魅力が写りこむ」ので、素人の私達でも頑張ってみようと思いました。
また、この講座では毎回のように教わっていますが、「きれいな写真、インパクトのある写真を撮ればいい、というものではない。その作品を見終わったあとに、どれだけ長く記憶に残り、話題に上がるか。写真はそこまで含めて芸術として完成する。余韻を大切に」との話もありました。
それを踏まえて、今回は露出補正の話です。
様々な写真の「露出アンダー(あえて暗めに写す)」「露出オーバー(あえて明るめに写す)」「適正露出(見たままに写す)」のスライドを見比べながら、写す人がそこにどのような意図を盛り込むのか、というお話です。
(以下、意訳を含みます)
昔は「写真とは真実を写すもの」、見た目通りの露出でうつす写真が主流でしたが、今では撮影後も含めて様々な補正を行えます。
そこで重要になるのが、「何のために明るく撮るか?」「何のために暗く撮るか?」という、明確な意図です。写真とは真実を写すのに加えて、撮影者の思いや伝えたい感情を写すものだからです。
何をどう見せ、全体をどう表現するために露出を変えるのか?
そこにはいくつもの視点があります。
露出の変更によって、
・見る導入のポイントが変わる(どこから見るか)
・目が行くポイント、視線の動きが変わる(どこが一番目立つか)
・雰囲気が変わる(前向き・後ろ向き、重厚さ、軽やかさ、鮮度、力強さ、
奥行き・深さetc.)
・時間差や位置関係の説明(過去、未来、始まり、終わり、前、後ろ、距離感)
・背景と主題の力関係(背景を弱めるまたは強める、主題を弱めるまたは強める)
等々の効果が得られます。いろいろ考えさせられましたが、あとは実践できるかどうかです。
ちなみに、同じ意味合いの言葉でも
「記録・記憶」というと露出アンダーで撮ると答える参加者が多く、
「思い出・メモリー」というと露出オーバーで撮ると答えた参加者が多かったのも面白いですね。
要は、撮影者の中にきちんとした「表現したいもの」のビジョンがあって初めて露出補正をどうすればビジョンに合うのか、という技術の話になるのであり、ビジョンを持って、考えながら撮影することがまず大切なのだと教わりました。
今日はここまで。