近くのトンボは遠くのサシバに見える
午前中であってもアキアカネが飛び交う季節である。
いつもの山田川の脇に車を止めると、すぐにツバメの群れが目に入った。夏場に多くいたツバメでもなく、橋梁の下で繁殖していたイワツバメでもないシルエットと大きさである。2種類いて、小さいほうは腹が白くて短いネクタイのような模様があり、大きいほうは腰が明るく、腹は暗い。
双眼鏡で見て、それぞれショウドウツバメとコシアカツバメだと確認する。
渡りの途中に、川面に群れ飛びながら羽虫を採食しているのであろう、盛んに高度を下げながら何度もくるくると回っている。
そんなくるくるを間近でみていると、遠くの空を飛んでいる小さな影に気付く。尾が長く、翼は細く真横に張っているように見える。
渡りのタカ、おそらくハイタカやサシバだろうと思い、双眼鏡を向けるがピントが合わない。影は視界のあちこちに湧いては消える。
それもそのはずである。遠くの空を飛ぶサシバの群れに見えたそれは、実は近くの空を飛ぶアキアカネの群れだからである。
疑心、暗鬼を生じ、鷹愛、トンボをサシバに見誤らす。
何事にも主観は排除しがたい、という諺である。
【調査地】富山市長沢山田川
【観察者名】たかはし
【天候】くもり
【観察開始日時】2022年10月3日 8時10分
【観察終了日時】2022年10月3日 9時0分
【観察種】
[種名] [数] [メモ]
1.アオサギ 1
2.ダイサギ 2
3.トビ 1
4.モズ 1
5.ハシボソガラス 8
6.ショウドウツバメ 32
7.コシアカツバメ 3
8.ヒヨドリ 2
9.ムクドリ 2
10.スズメ 18
11.キセキレイ 4
12.セグロセキレイ 3
13.ホオジロ 11