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思いがけず出会ったほうが嬉しい

朝起きて、いつもの調査地に出かける。晴れてはいるが、やや風が強いのであまり鳥の数は期待できない。しかし、「調べた結果あまりいなかった」という調査記録は残りにくいものであるため、逆に貴重でもある。人は鳥がいっぱいいるところを調べたがるからである。

という「期待値をMAXまで下げた状態」で車を降りると、川端の藪の上を何かがちょろちょろ行ったり来たりしているのが肉眼で見えた。双眼鏡で確認すると、ノビタキであった。今季初の出会いである。

しみじみと眺め、秋を感じる。

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ノビタキは渡り鳥で、これから南に向かう。秋には渡りの途中に立ち寄った農耕地や草原で目にすることがあるが、個体数はそれほど多くないので、とても嬉しい。

朝起きて、「今日はノビタキを見に行こう!」と気合を入れ、中山間地の稲刈りが終わった田んぼをぐるぐる巡って出会ったノビタキよりも、今回のように、意図せずに不意に出会ったノビタキのほうが嬉しい気がする。

探して見つかるのはある意味当たり前で、よもや見つからなかった場合にはマイナスの心境になるが、見つける気がない、またはどうせ見つからないと思っている状態は「心の幸せハードル」が低い状態となるため、ただ出会っただけでも幸せな気分になれるからであろう。

これはノビタキに限った話ではなく、どんな鳥にも言えることである。例えば、カワセミだけに集中して「今日は会えた」「今日は会えなかった」を繰り返すよりも、より多くの種類の鳥に興味を持ち、特定のお目当て種を絞り込まずに観察を楽しむ方が、「今日は○○に会えた」と幸せな気分を感じることが多くなるのである。

もちろん鳥に限らず、タヌキやトンボや山野草の花、木の実や鉱物や雲など、たとえ知識は薄くても、興味の対象が広ければ広いほどシアワセな時間が増えていくということになる。

興味と教養は幸せに生きる上でとても大切である。


【調査地】富山市長沢 山田川
【観察者名】たかはし
【天候】晴れ
【観察開始日時】2022年10月11日 8時0分
【観察終了日時】2022年10月11日 9時5分
【観察概要】
【観察種】
[種名] [数] [メモ]
1.アオサギ 5
2.ダイサギ 1
3.トビ 2
4.ハシボソガラス 7
5.コシアカツバメ 1
6.ノビタキ 3
7.スズメ 46
8.セグロセキレイ 3



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