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【有構無構(かまえありてかまえなし)】

オリンピックも始まり日本の選手も
一心不乱に大活躍されています。

今回はその取り組み方から関係する
『有構無構(うこうむこう)』
『かまえありてかまえなし』

についてお伝えしていきます。

宮本武蔵の『五輪書』
水乃巻 十四に出てくる用語です。

剣術的に解説すると
剣道の構えには5つの構えがあります。

五方(ごほう)といって
上段・中段・下段・右脇・左脇に置くと
おのずと構えになります。

宮本武蔵はこの5つの構えに置いたとしても
相手の出方、場所、形勢によって
相手を倒しやすいように構えることが
大切であると説いています。
(本来相手は敵、倒すは斬るの表現ですが
分かりやすく表現するように変えました)


剣道の稽古や試合では殆ど
中段か上段の構えですが
真剣を持って生きていた時代は
下段、右脇、左脇といった構えも
併用していました。

上段の構えも状況により少し
太刀を下げ気味にすれば中段の構となり
中段の構えも少し上げれば
上段の構えとなります。

下段の構えも少し上げれば中段の構えとなり
両脇の構えも太刀の位置により
少し中央に戻せば
中段の構えや下段の構えとなります。

上記のようなことから
太刀を構えるということは
どのような構え方であっても
相手を倒すということであります。

太刀の構えがあって構えがない
ということです。

すなわち『形にとらわれるな』という教えです。

宮本武蔵はどんな状況下でも勝つ術を
考えながら実践に落とし込んでいたので
闘いの刹那に見い出す神業です。

目の前の相手に集中することは大切ですが
形式にとらわれて何もできないでは
元も子もないです。

究極は形の構えを離れて心の構えに
重点を置いていくようになります。

但し勝つためには
法を犯すようなことをしたり
人を蹴落としてまでのし上がる
といった倫理観がないことを
してはならないです。

宮本武蔵が生きていた時代と
現代社会では状況が異なります。
そこを履き違えてはいけません。

これをビジネスに置き換えると
当てはまることが多いのでは
ないでしょうか。

初期の頃は型通りに進めて
土台を築くのが原則です。

自動マシーンのように無意識にできるまで
身体に染み込ませて基礎を修得します。

ここを飛ばして構えなしは危険です。
基本ができていることが前提です。

ある程度軌道に乗ってきたら
新たな戦略を練ることが必要です。

そこで『有構無構』の考え方が活かされます。

同じワンパターン戦略に陥っていないか。

相手の陣地でプレーしていないか。

場所、内容、人間関係、知識(ノウハウ)を
色々ずらしたりしてあらゆる要素を
見直すことができます。

場所であれば市場を海外に移動してみる。

内容であれば商品・サービスの中身を変えてみる。

人間関係であれば付き合う人脈を変えてみる。

知識であればやり方を変えてみる。

常識にとらわれず脳みそをフル回転すると
思いもよらない考えが浮かんでくるものです。


剣道の稽古・試合で構えなしという訳には
いきませんが、相手の心を読んで構えを崩す
状態にもっていくことは可能です。

考え方や捉え方一つで応用が効きます。

思い込みを外していきましょう。

オリンピック選手に
感謝・尊敬の念を示したいです。

今日も読んでくださってありがとうございます。






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