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第九章 「プチ起業」のススメ


1,小さく始めてみる

何かにつけて「小さく始めてみる」ことは、リスク回避のためにとてもたいせつなことだ。

たとえば釣り。趣味として根強い人気がある。

私にとって釣りは、小さい頃から、川や海がそこら中にあったので、趣味というより、友人たちと付き合うための「社交術」のようなものであった。

だから、釣りに関するリテラシーは自然と学べた。釣り場で出会うベテランさんたちが、教えを乞うまでもなく、たくさんいろんなことを教えてくれた。ゴミはちゃんと持ち帰れ。むやみに殺生するな。マナーの無い釣り人に釣りをする資格はない。今日の天候ならテグスは何号で餌はこれを使って・・・たくさん学んだ。

ところが、大人になって、ゼロから釣りを始めようとすると、中々ハードルが高い。何せ、何を釣るか、どこで釣るかによって、タックルやエサが色々変わる。それに合わせて道具をいろいろ揃えるだけでも結構お金がかかる。

本当に釣りを趣味として楽しめるかどうか、そこまで投資をする価値があるのか、わからないのに、思いつきで高価な釣り道具を揃えても、あまり素敵な未来は想像できない。

ではどうするか。

まずは、知人に釣り好きがいるならば、道具を貸してもらって同行させてもらうことだ。

いなければ、釣具店の店員さんをつかまえて、色々と教えてもらうことだ。

「経験者に教えてもらう」

これは本当に大事。

何なら、釣り堀からスタートでもいい。手ぶらで行ける釣り堀もある。

できるだけ小さくはじめて、手ごたえを感じたら、次へ進む。

私も含めて、凡人の素人が何か新しいことを始めるためには、

できるだけ小さく始めてみる

これが大事。

だから私は、自ら事業を起こすことを推奨しているが、小さければ小さいほど良いと考えているので、「プチ起業」と呼び、これを支援していきたい。

2,なぜ「プチ起業」なのか

結論を先に述べると以下の通り。

  1. 「支払い大国」の日本で生きていくのに「財布の入り口」は複数あった方がよいから。

  2. 「あなたの特技」が「実益」になるなら、やらないよりはやったほうが楽しいに決まっているから(特技=趣味とは限らない。あくまで「特技」)。

  3. 大きく始めることは困難が伴うが、小さく小さく始めるだけなら、ほとんどの人にできるから。

  4. 自分を成長させ、人生を豊かにすることが目的だから。

それぞれ詳しく見ていく。

1,「支払い大国」の日本で生きていくのに「財布の入り口」は複数あった方がよいから。

「支払い大国」という表現は、大げさに感じるかも知れない。しかし、私たちがこの国で生きていくには「支払い」から決して逃れられないことは間違いないのだ。

支払うためには、収入が無いといけない。

その収入源を「財布の入り口」と例えると、それは1つしかないより、いくつもあった方がよいに決まっている。

支払いだけが人生さ、と亡き母はぼやいていたな。大人になってすごく共感した。少年時代の一時期、すごく貧しくて、近所の土手のつくしを摘んで、おかずがそれしかなかった。それでも支払いは発生する。生きている限り、支払いは続く。

2,「あなたの特技」が「実益」になるなら、やらないよりはやったほうが楽しいに決まっているから(特技=趣味とは限らない。あくまで「特技」)。

先に言っておくと、いわゆる「誰でも簡単にできる副業」なんて、ない。よくネット広告で見られる「カンタンにできる副業」が本当にあるのなら、今頃、ほとんどの国民が副業で稼いで、ほとんどの国民がお金に困らない生活をしているだろう。学校の授業に「副業」が取り入れられるに違いない。

でもそんなワケがない。

そもそも、彼らは何で稼いでいるかというと「稼ぐ方法」を教えて稼いでいる。この意味をよく考えて欲しい。どう考えても、まともではない。

だから私は「副業」という言葉を意図的に使わない。あんな連中と一緒にされたくないからだ。

「インスタで月50万稼ぐ方法を教えます」

は?

「もし稼げなければ月50万、私が毎月あなたに支払います。」

だったら、まあ許す。それでも詐欺臭がすごいけれど。

誰でも月50万稼げるなんて犯罪以外の何ものでもない。

「あなたの特技」を生かす

これは、最低条件なのだ。

特技が無い、なんて思っている人に言いたいのは、

あるよ

ということ。

ただ単に、自分で磨こうとしていないだけ、磨いてこなかっただけで、あるいは自覚がないだけで、人には特技が必ず、ある。断言する。

その特技が、誰かの何かの役に立てて、しかも「ありがとう」と感謝されながら、お金がもらえるのだったら、やらないよりは、やったほうが、人生は豊かになるだろう。少なくとも、楽しいとは感じるはずだ。

特技が無いと感じたなら、磨け!伸ばせ!道中を楽しみながら。

何が特技かわからない人は、私のところに連絡を下さい。100%見つけてみせるから。それを伸ばせるかどうかは、あなた次第だけれども。

ところで「特技」は、決して「趣味」とイコールになるとは限らない。

たとえばパッチワークが趣味だったとする。パッチワークが趣味だから、パッチワーク作家になって、みんなにパッチワークのすばらしさを伝えたい、と思ったとしよう。

しかし、もしかしたら、あなたのパッチワークは、相当センスが独特で、多くの人から共感を得にくい・・・直言すると「ひどい」のかも知れない。作家としてやっていけるレベルに到達するには、あまりにも道が遠すぎるかも知れない。

多くの人々から賞賛されるような作品を量産できなければ「プロ作家」にはなれない。

でもパッチワークの楽しさを伝えるだけなら「先生」になればよい。初心者限定の教室を開いて、やったことが無い人に、パッチワークの楽しさ、素晴らしさを伝える仕事なら、大成功することはなくても、きっと楽しい時間は過ごせる。

その上で月謝までもらえるのだったら、やらないより、やったほうが人生楽しいに決まっているのだ。

それに「教える」ことを前提に自分が鍛錬を重ねた方が、自身の上達もはやい。

それでも、やっぱり、いくら趣味だとはいえ「向いている」・「向いていない」は存在する。

だから、私が勧めたいのは「趣味と実益を兼ねましょう」ではなくて、

「特技」を見つけて、伸ばして、「実益」に変えていきましょう

ということだ。

3,大きく始めることは困難が伴うが、小さく小さく始めるだけなら、ほとんどの人にできるから。

これは本当のことである。小さく小さく起業するだけなら、ほとんどの人にできる。

たとえば、自分の経験を電子書籍や小冊子にして、売る。それだけであなたはもう、商品を開発し、販売するところまではこぎつけたのである。売れるかどうかはまた別問題だけれど。

電子書籍や小冊子の作り方なんて、ネットにたくさん情報が転がっている。ゴミみたいなものが大半だけれど、何かしらヒントにはなる。

物販がやりたいなら、例えばメルカリからスタートすればいい。地域のフリーマーケットに参加するのも修行にはなる。

飲食がやりたいなら、レンタルキッチンが最近は増えてきているので、お試しで、既にある店舗を間借りして、小さく試してみることだ。

小さくスタートさせて、テスト、テストを繰り返す

これが原則だ。

4,自分を成長させ、人生を豊かにすることが目的だから。

はっきりいって、稼ぎたいだけなら、とにかくみんながやりたがらないハードな仕事に就くことだ。きっと稼げるだろう。

プチ起業の目的は、そうではない。

話は飛躍する。

「自分が何のために生まれてきたか」

は、考えたところでほとんど意味がない、という人もいる。

もちろん「生まれた意味」なんて、元々ないし、そんなもの幻想である。

しかしその幻想こそ、生きていくのに大切で、

その幻想が無ければ、飛行機は空を飛んでなかったし、iPhoneは実用化しなかっただろう。

「いまの自分に満足しよう、成長なんてしなくていい。」

そういう考え方を私は否定しない。それもいいと思う。心からそう思う。

それでも、

自分はこのために生まれてきた

と心から腑に落ちるような、全身で受け入れられるような、

そんな経験を、あなたは、されたことはあるだろうか?

わたしは、ある。こんな幸せ他にあるのかと思った。なかった。

だから伝えたい。

自分をもっと成長させたいと思えるから。

人生が輝き出すから。

真の意味で、人生が豊かになるから。

私もまだまだ途上であるけれど、

これはもはや「衝動」なのだ。あなたにも伝えたいと。

プチでいいんだ。プチで。はじめてみることが大切なのだ。

3,「プチ起業」支援


日本という国で生きていくのに、もう特定の会社にすがってしがみついて守ってもらう時代ではない、といわれて久しい。

『金持ち父さん貧乏父さん』(ロバート・キヨサキ、シャロン・レクター著 / 白根美保子訳 筑摩書房)の初版が発売された当時からずっと言われていることだけれど(リンク先は改訂版)、

財布の入り口を、増やそう。

私が支援するのは、ネットに溢れる怪しく無責任でいい加減な「副業」ではない。詐欺まがい、というよりもう「詐欺」と呼んでしまって構わないのではないか、と思うようなものも多い。

私が提唱するのは「プチ起業」だ。

支援するのも「プチ起業」だ。

自分ひとりで、あるいは信頼のおけるパートナーと2人で。

小さく小さくスタートさせて、テストを繰り返す。

規模を大きくできそうになったら、そこで改めて、専門家から学べばいい。例えば商工会や商工会議所では「創業塾」というものを開催している。私も20代のころお世話になった。オススメだ。

あなたが何歳だろうが関係ない。

小さく小さく始めれば、リスクは限りなく小さい。

『自己実現という罠』(榎本博明 平凡社)という書籍があるくらい、「自己実現」なんて、幻想だ。

でも、経営者が詭弁として活用するくらいにパワーのあるのが、幻想だ。

幻想こそが、人類をここまで発展させてきたのだ。

あなたの人生をより豊かにするのも、幻想のチカラだ。

あなたの幻想を、カタチにするお手伝いを、私はしたいのだ。理由は私の特技だから。

あなたが「プチ起業」して、月いくら稼げるかなんて、そんなのやってみないとわからない。

何の保証もない。

ただ、どうしても、何が何でもやってみたい、というあなたの「衝動」を、支えたいのだ。

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