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全部試したのか?ほんとうに?1年の振り返りは『いかにして問題をとくか』

『独学大全』の大きすぎる功績のひとつ

『独学大全』(読書猿著 タイヤモンド社)は勉強法の書籍の金字塔となった。世界中で読まれた。

その中でも、

『いかにして問題をとくか』(柿内賢信訳 / G.ポリア著 丸善出版)を紹介した意義はとてつもなく大きい。

日本語訳の初版は昭和29年という古さである。それが令和4年には、第11番第59刷発行となった。『独学大全』効果といってよい。

1年の振り返りにふさわしい1冊ともいえる。

普段私は、本に蛍光ペンで線を引かない。意味が無いと思うからだ。そのときは重要だと思って引いても、あとで振り返ると何で引いたか覚えていないことが多いし、名著に出会うと、ほぼ全部引くハメになる。

本書もそのひとつ。線を引きはじめたら、ずっと引いていないといけない。だから引く意味はないといまでも思っている。

それなのに、思わずペンを手にとって引いてしまった1文がある。引かないのにペンを持っているのかよというツッコミは私も思った。

写真が下手なのは十分理解している。まだ酔ってもいない。

「与えられたものは皆使ったか、条件は全部考慮したか。」

この一文を、今年何度見返しただろう。そしてそのたびに、何度打ちひしがれただろう。

今年1年、ずっとこの一文と戦い、煩悶し、自分のヘタレさに失笑したり、憤ったり、絶望したり、いやいやと起き上がって走り出したり、精神的にすごく忙しい1年であった。

50歳過ぎたらいい大人になると思っていた。私には無理だった。

この本は、数学教育に関する著作である。ただ、どんな仕事であっても、仕事である以上は、そのほとんどは「問題を解決する」ことにつながっている。だからすべての働く人にも有用な一冊なのだ。

この「古典」を読書猿さんのおかげで知ることができて、

まあ、当たり前のことしか書いてない。それこそが重要で。その「あたりまえをいかにできていないか」を思い知らされるには、これ以上の本は無いと断言する。

繰り返し何度も読んできたのだけれど、

全部試したのか?

と本書に問われ続けて、

あかーん無理!

とくじけ続けた1年であることを、31日に改めて思い返した。

1年の振り返りに、本書は、効く。効きすぎて、痛い・・・でもこれが2025年を走り抜けるパワーになることを、確信はしている。

全部したのか?

試したよ!

と自問自答できる2025年にする。

また機会があれば、本書のスゴさについて語る記事をつくりたい。

どうか皆さま、良いお年を。来年はもっと良い年でありますように。


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