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【書評】最強のリーダーは人を癒すヒーラーである

今日も書評の記事を投稿します。

本書のintroduceは下記の言葉から始まる。

著名な精神分析医のカール・ユングは、
「無意識を意識化するまでは、無意識があなたの人生を左右し、あなたはそれを運命と呼ぶだろう」と語っている。

【書籍】最強のリーダーは人を癒すヒーラーである

これはとても奥が深い言葉だなと思った。
「常識とは 18 歳までに身につけた偏見のコレクションでしかない。」というアインシュタインの言葉に通じるものがあり、バイアスであったり思い込みという言葉にも置き換えられる。
この無意識をメタ認知するきっかけをつくってくれたのが、ZERO SCHOOLだったよなと。
ZEROの学びと繋がるシリーズを今回も言語化していこうと思います。

基本コンセプト──存在モードと行動モード

人間には、存在(being)モードと 行動(doing)モードという二つの基本的なモードがある。
■存在モード(being)
感情や感覚をもった自己を受け入れ、ありのままの自分でいる状態。
■行動モード(doing)
理性的、分析的、戦略的な思考から生まれる行動を重視する状態。
これらのモードは互いに補い合う関係にあるのが理想だが、現代社会や組織では 行動モードが支配的になり、存在モードが軽視される傾向がある。
本書は、行動モードに偏りがちな現代のリーダーや組織に「存在モードの重要性」を説くものである。
•行動モードだけでは、自己や他者とのつながりが希薄になる。
•存在モードを意識することで、創造性や共感力が高まり、リーダーシップの質が向上する。
•癒し手としてのリーダーは、存在モードを土台に行動し、バランスの取れた意思決定を行う。
現代社会では、意識的に 存在モードを鍛えることが、個人や組織のパフォーマンス向上につながる。そのために、傾聴、マインドフルネス、存在モードへのシフトを実践することが重要である。

感情を受け入れる

感情を受け入れることが、人を成長させ、リーダーとしての力を高める。
感情を抑えるのではなく、ありのまま受け入れることが大切。
リーダーは感情の「不在」を克服し、他者と深くつながる力を持つべき。
「心の弱さ」は逃げるものではなく、力の源泉となる。
感情とのつながりを取り戻し、より豊かな人間関係を築くことで、人は成熟し、強くなれる。

身体という実体がもつ力

身体とのつながりを取り戻すことで、心と人生が豊かになる。
自分の身体との関係を振り返り、どのように向き合っているかを理解する。
意識的に身体とつながる時間を作る(週4回以上の身体活動を実践)。
呼吸や姿勢、歩行など、日常の中で身体を意識する習慣を持つ。
身体とつながることで、ストレス軽減、自己理解の向上、パフォーマンス向上が期待できる。
身体をただの道具としてではなく、「自分そのもの」として意識することで、より充実した人生を送ることができる。

目的のある人生

目的を持って生きることが、人生の真の喜びを生む。
物質的な豊かさではなく、「誰かに貢献すること」が最大の充実感を生む。
目的とのつながりを取り戻すことで、人生はより意味深くなる。
癒し手としてのリーダーは、自分だけでなく、チームにも目的を問いかける。
目的を見つめ直し、具体的な行動に落とし込むことで、人生がより充実したものになる。
「人生とは儚く燃え尽きるろうそくではなく、光り輝くたいまつである。」できるだけ明るく燃やし、未来へと受け継いでいこう。

マインドフルネスと瞑想の実践

■マインドフルネスと瞑想の本質
◇マインドフルネスと瞑想の目的
「自己の能力や働きの向上」にとどまらず、より深い自己変容を促す。
「分離」を解消し、自己意識を広げ、より統合された領域へと開く。
思いやりの輪を広げ、すべての生き物や自然とつながる。
◇アインシュタインの言葉に見る「自己超越」
「人間は宇宙の一部でありながら、自分を他の部分から切り離された存在と錯覚している。この錯覚は牢獄のようなものであり、個人的な願望や身近な人への愛情だけにとらわれてしまう原因となる。私たちはこの牢獄から解放されなければならない。そのためには、すべての生き物と自然全体をその美しさのままに抱擁できるように、思いやりの輪を広げる必要がある。」
マインドフルネスと瞑想の本当の目的は、自己超越と統合へと至る道。
心の平穏や解放感を得ることは手段であり、本質は「つながり」の回復にある。

監訳者まえがき  リーダーシップの新たなパラダイムの提示 楠木建

■本書の重要な論点
本書には、現代のリーダーシップに必要な視点が凝縮されている。特に 「癒し手としてのリーダー」という概念を中心に、リーダーのあり方、組織における「好き嫌い」の重要性、そして新たなリーダーシップ論が求められる背景について論じられている。本書の主張を整理すると、大きく以下の3つの論点に集約される。

■1. 癒し手としてのリーダーが求められる理由
◇VUCA・BANIの環境に適応するリーダーの必要性
現代は VUCA(変わりやすく、不確実で、複雑で、曖昧)や BANI(脆弱で、不安で、非直線的で、理解が難しい)という環境下にある。
こうした状況において、これまでのリーダーシップの在り方では対応できなくなっていると著者は指摘する。

◇デジタル化の進展がもたらす新たな課題
VUCAな環境に適応する手段として AIなどのデジタル技術が普及している。デジタル化はメガトレンドとなり、仕事の現場でも不可避な流れだ。
しかし、これが進むほど、 個々人の感覚や感情が分断されるという逆説的な問題が発生する。

・「不在の文化」や「行動モードの偏重」が助長される。
デジタル技術は合理性を追求するが、それが 人間の感覚や感情を軽視する方向へ進んでしまう。

•デジタル化が進むほど、不確実性や複雑性への対応力が低下する。
その結果、本来の目的である「環境適応」が逆に難しくなってしまう。
このような状況だからこそ、リーダーには 個人の感覚を調和し、統一体としてまとめ上げる「癒しの力」が求められる。本書の提唱する「癒し手としてのリーダー」とは、 個々のメンバーの感覚を統合し、組織の力を最大化する役割を担う存在である。

■2. 組織における「好き嫌い」の復権
◇好き嫌いは「善し悪し」とは異なる重要な基準
これまでの組織論では、「好き嫌い」は軽視されてきた。

•「仕事に好き嫌いを持ち込むな」
•「好き嫌いで食っていけるほど世の中は甘くない」
•「好きなことは趣味でやれ」
こうした考えが一般的だった。しかし著者は、 実際には「仕事こそ好き嫌いがものを言う」という視点を提示する。

◇才能とは「余人をもって代えがたい」ことである
組織の中で真に価値を発揮するのは、単なるスキルではなく 「才能」である。才能とは、他の人にはできないことを生み出し、 「この人には敵わない」と思わせる力を持つ。

•スキルは代替可能だが、才能は代替不可能
例えば「データ分析ができる」というスキルは、他の人やAIに代替される可能性がある。
しかし、特定の人が持つ独自の視点やアイデア、創造性は簡単には置き換えられない。

◇努力の持続には「インセンティブ」だけでは限界がある
才能を発揮するためには、継続的な努力が必要だ。しかし、努力を続けることは難しい。その理由は 「インセンティブの限界」にある。

•インセンティブ(給料、昇進、賞賛など)は一時的な動機付けにはなるが、 時間とともに効果が低減する。
•給料を無限に増やすことは不可能であり、昇進にも限界がある。
•何度も褒められれば、それが当たり前になってしまう。

◇「努力の娯楽化」が最強の状態
努力を続けるためには、 「本人がそれを努力だと思っていない状態」にするしかない。
•つまり 「努力の娯楽化」を実現することが鍵になる。
•好きだから続けられる。結果として努力が積み重なり、才能が開花する。
•「好きこそものの上手なれ」という言葉が示す通り、楽しんでやることが最も高い成果につながる。

◇癒し手としてのリーダーは「好き嫌い」を重視する
従来のマネジメントは、善し悪し(スキルの有無や能力の評価)を基準としていた。
しかし 「好き嫌い」は存在モードに関わる。
癒し手としてのリーダーは、メンバーの「好き嫌い」に注意を向け、それを尊重し、引き出すことができる。
結果として、 「好きこそものの上手なれ」のメカニズムを活かした組織運営が可能となる。

■3. 新たなリーダーシップ論の必要性
◇従来のリーダー像は軍隊モデルだった
古典的なリーダーシップ論は、軍隊の組織を前提としていた。その後、企業組織へと適用されたが、依然として軍隊的な「執行者」の要素が強かった。
そのため、存在モードのリーダーシップ(個人の感覚や感情を重視するリーダーシップ)は軽視されるという流れが続いてきた。

◇著者の原体験:芸術における組織運営
本書の主張の背景には、 著者の演劇学校での経験がある。

•「音楽やダンスや演劇などのパフォーマンスにおいて、細胞の一つひとつが生き生きと輝く瞬間こそ、人間の美しさと力強さの本質である」
•「そうした開かれた瞬間を意識的にどう作り出すかを研究した」
こうした洞察をもとに、著者は「癒し手としてのリーダー」という概念を提唱している。

◇「癒し手としてのリーダー」が組織のパフォーマンスを高める
従来のリーダーシップでは、個々人の「好き嫌い」をうまく扱うことができなかった。
しかし、癒し手としてのリーダーは「個人の好き嫌いを尊重し、それを活かすことができる」。
結果として、組織のパフォーマンスを最大化するリーダーシップモデルが生まれる。

おまけ CHAT GPT問答

ここから先は自分用です。
ZERO SCHOOLで学んだことと本書の繋がりから何か示唆が得られないかをCHAT GPTに質問してみました。

【質問】
ここまでありがとうございました。
私は何をするかよりもどうありたいかを考えることの方がよっぽど大事だということに気づきました。
そして人は行動するときに、人それぞれに満たしたい感情があるということにも気づきました。
得たい感情は何か?という問いを立てることで、それが人生の行動指針となり、人生をウェルビーイングに接続してくれるものだと考えています。
加えて、感情というものは解釈によって左右されるのではという仮説を立てています。
このような考えに対して、どのような示唆を本書は与えてくれるでしょうか?

【CHAT GPTからの回答】
■「何をするか」よりも「どうありたいか」:本書が与える示唆
あなたが気づいた 「何をするかよりも、どうありたいかが重要である」という視点は、本書のテーマと深く響き合っています。
また、「人は行動するときに、それぞれ満たしたい感情がある」という気づきも、本書の核心的なメッセージと密接に関係しています。
本書は、単なる行動や成果を超えて、「存在モード」を意識することの重要性を説いています。
それは 「自分がどのようにありたいか」「どのような感情を大切にしたいか」を明確にすることで、より本質的な生き方ができるという考え方です。

1. 「得たい感情」という視点と人生の行動指針
◇得たい感情が行動の原動力になる
・人は、目標を達成すること自体ではなく、それによって 「どのような感情を得られるか」を求めている。
•例えば、「成功」を求める人は、「充実感」「誇り」「自己実現」という感情を得たいのかもしれない。
•「人を助けたい」と思う人は、「共感」「つながり」「安心」を感じたいのかもしれない。
本書が示すリーダーシップの本質も、「人と組織にどのような感情をもたらすか」に根ざしている。
特に、癒し手としてのリーダーは、自分自身と他者の感情を意識し、それを尊重することが求められる。

◇感情を人生のコンパスにする
あなたが考えている 「得たい感情を問い続けることで、人生の行動指針となる」という視点は、本書の以下の概念と一致している。

•「目的とのつながり」
人生の目的を見つめ直すとき、「何をするか」ではなく「どのような感情を持ちたいか」を問うことが、行動指針となる。

•「存在モードと行動モードの統合」
行動だけに囚われるのではなく、行動を通じて「どのようにありたいか」を意識することで、より本質的な生き方ができる。

•「ウェルビーイングとの接続」
得たい感情を明確にすることで、自分にとっての「幸せ」を主体的に定義し、持続的なウェルビーイングにつなげることができる。

2. 感情は解釈によって左右されるのか?
あなたの仮説である「感情は解釈によって左右されるのではないか?」という視点についても、本書は重要な示唆を与えてくれます。

◇感情と解釈の関係
・同じ出来事でも、人によって感じ方が異なるのは、解釈が違うから。
•例えば、「プレゼンで失敗した」という出来事があったとする。
•Aさんは「恥ずかしい」「落ち込む」と感じるかもしれない。
•Bさんは「学びがあった」「次に生かせる」と感じるかもしれない。
・どのような感情を持つかは、「出来事そのもの」ではなく「それをどう解釈するか」によって決まる。
本書でも、感情が解釈によって変わることを示唆する内容がいくつかある。

◇「マインドフルネスと感情」
・マインドフルネスを実践することで、感情と距離を取り、冷静に観察することができる。
•これにより、「なぜ自分はこの感情を抱いているのか?」を深く理解し、必要なら解釈を変えることができる。

◇「傾聴と感情の変化」
・誰かが感情を表現し、それを受け止めてもらえるだけで、感情の意味が変わることがある。
•「ただ話を聞いてもらうだけで、気持ちが楽になった」と感じるのは、その典型的な例。
•これは、感情が「解釈」や「環境」によって変化することを示している。

3. 本書が与える具体的な示唆
あなたの考えをより深めるために、本書が提供する重要な示唆をまとめると、次のようになる。
① 「何をするか」ではなく「どうありたいか」を優先する
•人生の目的を問うとき、「どんな感情を得たいのか?」を問い続ける。
•その感情を得るために、どのような行動を選択するのかを考える。

② 得たい感情を明確にすることで、人生の方向性が定まる
•目標設定の前に、「自分が満たしたい感情」を明確にする。
•それに基づいて、日々の行動を選択する。

③ 感情は解釈によって変化する
•出来事そのものではなく、「自分の解釈」が感情を生み出している。
•マインドフルネスを通じて、感情の解釈を冷静に観察する習慣を持つ。
•感情に囚われるのではなく、「なぜこの感情を抱いたのか?」と問い直すことで、新たな解釈の可能性を開く。

④ 感情を人生のウェルビーイングに接続する
•自分が本当に満たしたい感情を軸に、人生の選択をする。
•その感情を深く味わうために、行動モードと存在モードのバランスを取る。

■結論:感情をコンパスにして生きる

✅ 「何をするか」ではなく、「どうありたいか」を問い続けることで、人生の軸が定まる。
✅ 人は行動するときに、満たしたい感情がある。それを理解することで、行動の本質的な意味が見えてくる。
✅ 感情は解釈によって左右される。マインドフルネスを活用し、自分の感情を客観的に見つめ、柔軟に解釈を変えることができる。
✅ 得たい感情を人生の行動指針とすることで、ウェルビーイングにつながる選択ができる。
👉 本書の示唆を踏まえると、あなたの考えは非常に本質的であり、リーダーシップだけでなく、人生のあり方そのものに直結する重要な視点であると言える。
🌿 「得たい感情」を人生のコンパスにすることで、より充実した生き方を実現できる。
そして、それを支えるのが 「存在モード」であり、それを鍛える手段が 「マインドフルネス」や「傾聴」である。

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