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【書評】経済評論家の父から息子への手紙

今回はサクッといきます。
キーワードは一つ『自己承認感』
→自分が承認されているという感覚

俗にいう「心理的安全性」やスタンフォード大学オンラインハイスクール校長の星友啓さんが仰る心の3大欲求の「有能感」「社会的つながり」「自発性」にも繋がるなと感じました。

命を削りながらご子息に充てた手紙という趣旨で書いた本書。
様々な人生経験を経て、大切な人に向けて本音を語る文章からは普遍的な真理のようなものが感じられる。
幸福の決定要素として、「豊かさ・お金」は些細な要素であり、「健康」は大事だが、幸福の本質ではないとしている。
一般的に語られる幸福の要素を切り捨て、幸福の決定要素を「自己承認感」とする。
この言葉に人間臭さが感じられ、とても惹きつけられた。

マズローの5段階承認欲求では、自己実現などに比べると承認欲求は低次の欲求として処理され、アドラー心理学では承認欲求を他人のモノサシで生きることになると否定している。
どこかの本で読んだが、マズローの5段階欲求は便宜上この5段階にしているが、満たす欲求はどこからでもいいらしく、マズロー自身もこの順番で欲求を整理していないというの聞いたことがある。
そうであれば、心の中でどこか承認欲求を持たないようにしなきゃと大人ぶっていたが、承認欲求は捨てるべきという思い込みを解放してもいいと思えるようになった。
自己実現を果たした人たちも、周囲の人から「すごいですね」と褒められると嬉しい気持ちになっているはずだし、承認欲求を持つことは悪いことではないと思えるようになった。

コーチングの世界でも、現状の外にゴールを設定して他人様の変化に関与するなら、コーチ自身が自己実現を果たしていないと話にならない。
自分自身が現状の外に置いたゴールを目指すための日々を送る人間でありながら、他者や社会に価値貢献する。
「自分→自分」
自分が自分を承認できる人間であり続ける
「他者→自分」
その結果、他者からも承認される自分になる
「自分→自分」
他者から承認してもらえる自分を誇らしく思う
この自己承認感のサイクルを回すことで、幸福な人生を体現できるのではないかと感じた。

ということで、自己承認できる自分であるための日々を送ろうと思う。
やっぱり、ジャーナリングがいいかな。

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