Episode 9: 残酷な運命
リズはクリスを待っていた
1時間待っても、2時間待っても
クリスは現れない
「私との約束なんて覚えてないのね」
ポール、グレイ、メーガン、アマンダが
賑やかにしている中で
そっと立ち上がり、食堂を後にするリズ
コートを羽織った時、ポケットから小さなノートが滑り落ちた━━━━━━━━━━━━━━━
=============回想=============
ミスターカールソン、お庭で遊びましょう!
カールソン「エリザベスお嬢様、お待ちください!急ぐところびますよ!」
暖かな日差し
豪邸の広い広い庭を駆け回るエリザベス
幼い頃のリズだ
リズ、
本名エリザベス・クレア・ロッテンバーグ
そんな幸せな日々は長くは続かなかった
リズの父である貴族出身のロッテンバーグ卿が
事業に失敗
没落してしまったのだ
ロッテンバーグ卿の先代から20年以上ロッテンバーグ家に仕えていたミスターカールソンも暇を出され
現在はテイラー家に執事として務めている
クリスの父、カーティスとクリスの執事だ
没落したロッテンバーグ卿は、ミスターカールソンのつてを頼って
愛娘をカーティスの元で働かせることになったのだ
リズが島に送られてきた目的は
火晶の製造技術の開発者の娘を見張ること
また
クリスを見張ることだった
クリスの父カーティスは言っていた
「クリスは優しい。優しさが故に任務を全うしないかもしれない」
その為にリズがいるのだ━━━━━━━━━━━
リズが去った食堂
ポール「そういやグレイさん、この島にはどれくらい滞在する予定なの?」
グレイ「季節的にも嵐が多いからできれば春先までいたいと思っているが、、、、、」
ポール「どうしたの?」
グレイ「宿がまだ見つかってないんだ」
すかさずアマンダが会話に割って入る
アマンダ「ここの食堂2階で宿をやっているんだけど、ひと部屋空いているわ!そこに来ればいいわよ!」
グレイ「構わないのでしたら、ぜひ居させてください」
微笑み合うポールとメーガン
こうしてグレイはアマンダの食堂の宿で滞在することとなった
アマンダが店じまいをしていると
リズが座っていたテーブルの下で小さなノートを拾った
「もうリズったら」━━━━━━━━━━━━
翌日
あっという間に感謝祭の休みもおわり
朝からポール、メーガン、クリス、リズは
伐採場でせっせと木を運ぶ
交代制で昼休憩をとる
クリスとメーガンが先に昼に行く日だ
カランコロン
アマンダおばさん!お腹すいたぁ!
メーガンは一目散に席に着く
「さあ、今日はフィッシュアンドチップスよ!」
クリスは目を丸くする「おばさん、今日グリルチキンじゃないの?」
メーガン「!!!!あ!!!ごめん、、、、伝え忘れてた」
クリス「ったく、、、、ほんと俺の事なんかどうでもいいんだな、メーガンは」
少しふてくされるクリスの元にアマンダがやってきた
アマンダ「これ、リズのだとおもうの。届けてあげてくれない?」
渡されたのは小さなノート。
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いけないとわかっていつつも
クリスは開いてしまった
「カーティス・テイラーが探している科学者、、、、、、、、、」
父の名前だ
まさか、、、、、、リズも、、、、、、、!?
それだけではない
クリスは気づいてしまった
父が自分を信用していない、ということに━━━━━━━━
To be continued.....