Episode 8: アマンダの食堂にて


ポールたちがやってくるのを待つメーガン



感謝祭の時もこうして待っていた




また待っている



今回は一つだけ違う




メーガンはグレイと呼ばれる


父と瓜二つの男性を待っているのだ




ガチャッ





食堂の扉が開く






扉を見つめるメーガン








こんばんはー




メーガン「リズ........夕飯時にめずらしいわね」





現れたのはリズだった








リズ「ええ、夕食、クリスに石炭をもらったお礼にご馳走するの。」




うれしそうなリズ






メーガンは知っている






リズが想いを寄せる相手を





19時になった







カランカラン




食堂の鈴がなる






こんばんはー





ポールに連れられてグレイが入ってきた!








メーガンはいても立ってもいられず、おばさんの元に走る





アマンダおばさん!!おばさん!!




実の妹のアマンダにも見て欲しかったのだ





アマンダ「どうしたのメーガン、そんなに慌てて」





メーガン「おばさん、、、、あの、、、、、お父さんが来たの、、、、、お父さんが、、、」




アマンダ「━━━━━━━え!?なんだって?アレックスが!?」







厨房から慌てて飛び出すアマンダ






アマンダ「アレックス兄さん!!!!!」





ひと目でわかった





アマンダの目から大粒の涙がこぼれる







メーガン「おとうさん、、、、、、」








ガチャッ





食堂の扉の前には、リズに呼ばれたクリス







クリスの耳にははっきりと聞こえてしまった






「おとうさん」の5文字







リズもまた聞いていた








リズはだまってアマンダたちを少し離れた席から見つめている







見つけてしまったのだ




クリスはこの島に来た理由を





クリスは食堂の中に入るのを躊躇った





知ってしまえば




やるべきことはひとつだからだ





半分開けた扉をそっと閉めてクリスは立ち去った






リズは慌ててノートを取り出す



リズの日記がわりのノートだ


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11/28   感謝祭  

メーガンはポールをさそって夕食を共にしている



やけに楽しそうだ


吹雪のため帰る、偵察終了



11/29    朝一で港の方に走っていくメーガンを見つける


クリスがメーガンが転けないように注意してる


クリスはメーガンが好きなのかもしれない


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リズはページををめくって書き足す



11/29    アマンダの食堂でメーガンに会う


ポールが見知らぬ男性を連れてきた


アマンダは彼をアレックスと呼び



メーガンは「おとうさん」と呼んだ



カーティス・テイラーが探している科学者が



彼なのだろうか

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アマンダ「アレックス!!!」


メーガン「おとうさん、、、!」




目を丸くするグレイ




沈黙を破ったのはポールだった




「2人ともどうしたんだよ、この方は俺が昔お世話になった、グレイさんだよ、世界中を旅しているんだ」



「こんばんは、、、今朝もそうだったけど、私ってそんなに、その、、、アレックスさん?に似てますか?」




似てるも何も、うりふたつよ




心の中で思いながらも、長い間会えていない娘と妹に再会したにもかかわらず



確かにこの反応はおかしい



ドッペルゲンガーなのか



アマンダとメーガンは



外見が同じなのに


他人のような素振りに戸惑いをかくせなかった



アマンダ「ご、、、ごめんなさい、本当に私の兄にそっくりで」




メーガン「ごめんなさい、グレイさん、わたしったら、、、、」



ポールは奥にいたリズに気がついた




「リズ!こちら、グレイさん。俺が放浪してた時に世話になったんだ。世界を旅してる」



リズは急いでノートを閉じた




「こ、、、、こんにちは、、、、。」




リズは極度の人見知りなのだ




そしてノートにまた



メーガンの父かと思った人物は


グレイという別人だった




そう書き加えた━━━━━━━━━━━━━━━



To be continued....









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