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趣味は「能動的」「感情」がポイントだ

先日、地域おこし協力隊が開催している「イラストレッスン講座」に行ってみた。「なんか楽しそう!」と軽い気持ちで参加を決意した。
そのイラスト講座は、線の書き方から始まり、講師が準備したイラストを真似て書いていく内容だった。基本的には参加者がイラスト練習しているところを講師が回り、コメントしていってくれる。2時間の講座だったが、あっという間だった。

講座の中では、ひたすら手を動かす。講師の絵をなぞり、自分でも描いてみる。バランスがうまく取れない。ペンと紙が接する感覚を感じながら、ひたすら描く。時折、講師を中心として参加者同士で「難しいですね」「楽しいですね」と声を掛け合う。1枚描き終わると、小さな達成感が芽生える。1つ1つの絵のバランスは取れていないが、全体で見ると結構可愛く描けている。そしてまた次の紙に進む。これが忘れられない体験になった。

講座に参加して、そういえば私はイラストが好きだった、と思い出した。小さい頃から、時間があれば紙と鉛筆を持ってイラストを描いていたし、子どもが生まれる前はほぼ日手帳にイラスト日記を描いていた。
しかし、子どもが生まれてからはイラストを描かなくなっていた。描きたいなと思っていても、時間も取れないし、そんなに上手でもないし…と何となくイラストに時間を取ることに躊躇していたのだ。

SNSで、自分の興味のあるものを発信している人に出会えるようになった。しかし、そうやってイラストが上手な人をフォローしているうちに、「自分はこんな上手に描けていない」と比べてしまう。趣味は好きなことではなく、上手にできることでなくてはいけないと自分に呪いをかけてしまうのだ。また、SNS上では「上手な〇〇の仕方」などが溢れている。感情のやり取りではなく、情報収集の場となっているので「こうやって描くと簡単に上手な絵が描けるのか」とわかる反面、情報を流し見しているだけの受け身な時間になってしまう。

今回の体験は、能動的に手を動かし練習する点、上手や下手の区別をせずに「難しい」「楽しい」などの感情の交流をした点で、今まで私が行ったSNSでの趣味体験とは異なる体験となった。その点が新鮮で、忘れられないものとなったのだろう。

インターネットが発達して、家にいながらでも手軽に趣味を楽しむことができるようになった。例えば、オンラインで共通の趣味の人と会話をしながらイラストの練習を行えば今回の体験に似た体験ができただろう。しかし、SNSの提案されるがままに利用すると、上手・下手の区別でイラストを見てしまい、趣味に対して自信がなくなる。外に出て、実際に人と時間を共有する趣味体験が面白いなと感じた。

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