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某大学のデータサイエンス学部は学歴コンプレックスまみれ、しかし……
私は201X年、関東にある新設の学部でデータサイエンスを学んだ。純粋に数学が好きで、かつ自然科学よりも社会科学に興味を持ったからだ。この傾向は今でも変わらない、というか昔からそうだった。理科の実験室で行う研究はさほど興味はない。それよりも数学が得意だ。
その大学は立地もよく、また私の個人的に好きな鉄道に毎日乗れたこともあり、キャンパスライフはかなり印象に残っている。
ただし、そこでは強烈な学歴コンプレックスを持った人が複数存在した。複数、というかほぼ全員(特に男性。男性比率が高く、そんな雰囲気に包まれていた)。私は入学当初から東工大(現:東京科学大)の前期に落ちて仕方なくここへ来た、という話を持ち掛けられた。いかにも辛い表情をしており、暗い気分がこちらにも伝わってきた。
その他東北大を狙っていただの、他校のTOEICの平均点数は800点台だの、さまざまなうわさ話で学歴にまつわる話を聞いた。教授の代表までもが学歴コンプレックスがあり、かなりカオスな感じだった。
私自身自然にできた友達ですら、東大へ行きたかったらしいから、例外を見つけるのが難しいくらいである。
私も一度複数の教授に相談に行ったことがあるが、学歴がなくても活躍できる人もいるといったご回答を頂いたこともある。某有名な政治家など。
さらに、私の友達曰く、新設の学部であるからそれなりに価値はあるという話ももらった。
これらの雰囲気は下の学年にも受け継いでいるらしい。
私は、それなりに面白いのではないかと感じている。学びたいことをこれほどまで学べる機会は他の大学にはなかなかないのではないだろうか?事実、某難関大学ではデータサイエンスに関する教義を成績優秀者にだけしか開放していない。
仮に地方の大学や早慶にも進学する選択があったとしても、このような体験は個人的には貴重だと感じている。
なお、私がデータサイエンスを学んだ後についてであるが、思った以上にハードであると感じた。これは本当に極めようと思ったら難関大学レベル(それもできるだけ上位)の学力がなければ厳しいと感じた。実際に同級生のほとんどが正直言って世界で活躍するような一流の研究者になれるような素質があるようには感じない。どこかで限界を迎えそうなイメージ。学力不足のイメージがある。
それでも、数学に関しては他の難関大学に迫るくらいならあると思う。東大京大レベルよりは明らかに下だが、数学が得意だと言っても差支えがないようには思える。何だかんだ言って自分の好きなこと、興味のあることを極めるには最高の環境なのではないだろうか?周囲の同級生も面白い人は多いと感じたし。
私自身、日本でポリティカルコンパスやソーシャルスタイル理論の概念が全然足りないと卒業してからすぐに悟った。それらは正規分布が想定されていて、正規分布は自然界の法則であるように感じる。
政治に関しては、ポリティカルコンパス以外の政治概念(例えばグローバルエリートvsナショナリストとか移民問題、男女問題、LGBT問題、所得の再分配問題など)は正規分布が通用せず、本を10000冊読んだりしなければ永遠に分からないと思うが、ポリティカルコンパスはアインシュタインの相対性理論(E=mc^2)のように非常にシンプルに表せて美しいと思う。
イデオロギーが正規分布することは三浦瑠麗氏の山猫総合研究所のレポートからもわかるし、同『日本の分断 私たちの民主主義の未来について』や田中 辰雄、浜屋 敏『ネットは社会を分断しない』などでも確認できる。その他海外の研究でもそれなりに証拠は見つかるだろう(ただしアメリカは別。また特定の問題に焦点を当てると正規分布しないことが多い)。ただしその分布は社会軸と経済軸と二次元であり、厳密には二次元正規分布ということにはなるが(一般的に想定される左右は政治軸、または政治軸+経済軸の総和で、経済軸のみが取り沙汰されることは少ない。その場合、「ネオリベ」「経済的保守主義」などと称されるだろう)。
ソーシャルスタイル理論だって、今流行のMBTIよりも普遍的に何かを表せるような気がする。おそらく正規分布しているのではないか?性格については、BIG5は正規分布すると言われているが、ソーシャルスタイル理論は直感的に分かりやすく、私は面白いと思う。かつて私は大学入学前に同級生女子を分類していたことがある。結構なばらけ具合で非常に面白い。
私にとっては大学時代は好きなことしかしていないイメージだ。毎年毎年自分の中での流行のようなものが変わり、どんどん何かが積みあがっていったイメージだ。20歳前後に大学生がするであろう体験(合コンとか)は全然していなかったが、別のことに熱中していたし、今悩んでも仕方がない。
コロナの時期も重なってオンライン授業になった時もあったが、自宅から授業を受けられて非常に楽だった。オンデマンド授業というものが多く、好きな時間、好きなタイミングで受けられるのがすごく良かった。動画も倍速視聴できるし……
就職は主にデータサイエンス系の企業が中心になると思うが、私の友人曰く、大学院を出ていたり、自主的にコンペティションに参加したりして、積極的に実績を積み上げていかなければならないそうだ。
私はかつてさまざまな復習をしたり、企業に数十社応募しまくっていたのだが、結局、私の記憶に残らないくらいに上手くいっていない。対人関係の問題もあり、あまり会社に馴染めそうにないと考えていたこともある。そういえば、今書いている内容も「201X年秩序」にすぎず、私の人生の1/20程度にしかならない。私はデータサイエンスという言葉を記憶から消し去るくらいに、その道をやめてしまったのだ!
私は就職活動はうまくいかず、現在までアルバイト生活を送っている。けれど社会的な義務などの話を抜きにすれば、夢中になれることに熱中しているので、あまり悪くはないと感じている。
それもまた、データサイエンス学部生らしいだろうか?
【追伸】大学で出会った友人
一人は、将棋がとても強かった。将棋ウォーズで5段の実力があった。私は2段で、すべて負けてしまった。大局観が重要であるとそっとアドバイスされたが、差が歴然としていて、将棋で生きていくのは不可能に思えた。今では私は3段になっただけで、しかも油断すると2段に落ちるくらいの実力だ。終盤はそれなりに自信があるが、中盤の戦術力などは低めだ。
もう一人は先ほど述べたべらぼうに数学ができる方で、数学オリンピックに出場した経験があるそうだ。後ほど会った時の話だが、現在は都心のど真ん中にあるデータサイエンス系の企業に就職しているらしい。私とは何もかも頭の出来が違うと感じた。IQで言えば140は間違いなくあるだろう。
余談だが、日本人の平均IQが110弱であることを考えると、IQ140以上の人と難関大学入学者数はほぼ同じであると考えられる。IQで考えれば天才への入り口、難関大レベルだとエリートとされることが多いだろう。彼らは放っておいても社会に出られるようになっていると思う。就活では別枠扱いされるらしいし、勉強だってやればやるほど夢中になっていくのだろう。私はそのレベルにまでは至らなかったが。
他にも、早稲田を蹴ってここに入ってきた人もいたようだ。その方も数学が非常にできて、一同から尊敬されていた。天才は脳の構造が違うのだということをまじまじと感じられた。