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投稿作品Ⅱ【ミステリー小説】怪物たちの夜
この物語は、秋田県にかほ市と大仙市を舞台にした長編推理小説です。
興味のある方は、下記をダウンロードしてお読みください。
【怪物たちの夜】
あらすじ
平成26年(2014)7月――。
秋田県由利本荘市西目町(ゆりほしんじょうしにしめまち)国道七号線、午後九時すぎ。由利本荘警察署に「人が倒れている」と通報があり、「ひき逃げ事件」として一斉捜査が始まる。だが、「未解決事件」のまま五年の歳月が流れた。
令和元年(2019)10月――。
秋田県立大学本荘キャンパスの二年生、佐藤なぎさと早瀬薫子(はやせかおるこ)は、テレビのニュースで親友の竹本亜由美(たけもとあゆみ)の父親、竹本工務店代表取締役社長、竹本和夫(かずお)が女性と遺体で発見されたことを知る。
由利本荘警察署によると、死因は一酸化炭素中毒死。道の駅「ねむりの丘」の駐車場にとめたワゴン車から発見された。マフラーにビニールホースが取り付けられ、後部スペースに女性と並んで亡くなっている状況から、〝心中〟と断定した。
そんな状況下、なぎさと薫子は亜由美の安否が心配になり、連絡を取ろうとするが音信不通――。彼女の住み込みのアルバイト先に問い合わせると、すでにアパートを引き払った後だった。そこで二人は大学の臨時職員、私立探偵を副業としている高梨了(たかなしりょう)に亜由美の行方について調査を依頼した。
しかしその数日後、鳥海山(ちょうかいさん)登山口付近の駐車場に停車してある車の中から、高梨の遺体が発見される。死因はまたしても、一酸化炭素中毒死。前回同様、マフラーにビニールホースが取り付けられていた状況から、由利本荘警察は早々に自殺と断定した。
一方、竹本和夫の〝心中騒動〟に疑問を抱いていた由利本荘署捜査主任、佐々木大輔(だいすけ)は高梨の〝自殺〟に不審を抱き、部下の安藤雅人(あんどうまさと)と独自の捜査を開始する。やがて二人は、「一連の心中騒動と高梨了の自殺は、未解決事件となっている五年前のひき逃げ事件につながっている」という推論に辿り着く。
そして、なぎさと薫子の協力で事件解明が近づくにつれ、「怪物たち」が抱えた闇、〝社会にはびこる差別と偏見〟に対する、深い怨念が明らかになっていく。