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おばあちゃんのおまじない
おまじない1 のどが痛いときははちみつ大根と黒豆の汁がいい
ここ何日かのどが痛かった。また風邪気味だったのかもしれない。
子供の時、気管が弱いのかのどが痛い時、よく夜中にひどくせきこんだりしていた。しばらく経てば落ち着くのだが、そんなとき、いつもおばあちゃんがはちみつ大根を作ってなめさせてくれた。家にあれば黒豆の汁をひたすら飲ませてくれる時もあった。
周りの人に言っても、黒豆の汁はのどにいいと聞いたことないといつも言われた。私自身、科学的な根拠とかはどっちでも良くて、ただおばあちゃんが言うと本当に効く気がしていた。大人になっても結局のどが痛いとき、はちみつ大根か黒豆の汁を飲んでいる。
おまじない2 読んだ本が全部自分の糧になる
おばあちゃんは読書が好きだった。私にも勉強より本を読むのをすすめていた。おばあちゃんの子供の頃はゲームやテレビもなかったから余計かもしれないけど、とにかく本の虫だったらしい。イギリス文学が好きで、特に「ジェーンエア」と「高慢と偏見」が好きだと言っていた。佐藤愛子さんのエッセイも全部大好きだと言っていた。私によく「本を読めば本を通してどこでも行けるし、色々な経験ができる。色々な人の気持ちもわかるし、読めば読んだだけその本が自分を強くしてくれる。あと他人に何か言われたりしても気にならなくなる。」と言っていた。この言葉は大人になった今も私の中に強く根付いていて、何回も励ましてもらってきた。
おばあちゃんは学校でもクラスの友達と噂話や陰口を話すより本を読んでた方がよっぽど楽しかったと言っていた。休み時間もほぼ1人で本を読んでいたと言っていた。変わり者と思われていたかもしれない、と笑っていた。私はそんなおばあちゃんがいてくれて、心強かった。
小学生のころ、何かの授業でいくつかの項目の中から好きなテーマを選んで調べて発表するという授業があった。仲の良かった友達何人かと一緒にしよう、となったけど私は他の子と調べたいテーマが違ってしまった。「本当は違うのが調べたいけど、友達に嫌われるのも1人もちょっといやかもしれない。どうしよう。おばあちゃんならどうする?」と悩んでおばあちゃんに相談したら、「1人でも本当にやりたい方をやったらいいよ」と言ってくれた。「おばあちゃんは学生時代、そもそも休み時間いつも1人が普通だったから、余計何とも思わない」とも言っていて、何となくとても頼もしかった。
(結果的には私1人で別のテーマでするね、と言っても友達も全然怒ったりせず、大丈夫だった。)
おばあちゃんってすごい。いつも私の味方でいてくれたし、おばあちゃんが大丈夫っていうと本当に全部大丈夫な気がしていた。できるよ、って言われたら本当に何でもできる気がしていた。外で嫌なことがあっても、学校から帰っておばあちゃんに話して気にしなくていい、って言ってもらえたら本当に大丈夫になっていた。私にとって最強のおまじないだった。
今は高齢者施設で元気に暮らしているおばあちゃん。長生きしてね。