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ビル設備管理関連資格 取得のススメ②

数日前、「ビル設備管理関連資格 取得のススメ①」という記事を書きました。ここではビル設備管理職の就活や業務に役立つ「登竜門」となる初級資格について書きました。これに続き、入門資格を取得、仕事に就いて数年経った人を対象に、さらに目指す上位資格について書いてみたいと思います。

次に目指すべき資格

登竜門となる入門資格をおさらいしましょう。上位3つが、第二種電気工事士、第三種冷凍機械責任者、二級ボイラー技士、危険物取扱者乙種第四類でした。これらには以下のような上位資格がありますので、基本的にはそれを目指すことにしましょう。しかし・・・

  1. 第一種電気工事士

  2. 一級ボイラー技士

  3. 第二種冷凍機械責任者

なんで1と2がダメかといいますと、残念ながら電工一種と一級ボイラーの取得はほとんど不可能だからです。試験に合格しても、資格証申請のための証明が受けられないからです。電工一種の実務証明は電気工事で3年以上の経験が必要です。ビル設備管理要員が本格的な電気工事業を行うことはないと思います。また、一級ボイラーは、二級取得後にボイラー運転管理の経験が1〜2年が必要です。ボイラーのある現場が希少になってきた現在、証明を得ること自体が難しいでしょう。

ですから、以下の3つを挙げます。

  1. 建築物環境衛生管理技術者

  2. 第三種電気主任技術者

  3. 第二種冷凍機械責任者

建築物環境衛生管理技術者

いわゆるビル管理技術者またはビル管理士と呼ばれる資格です。ホテル、事務所ビル、体育館、美術館など、不特定多数の人が利用する建物で、延床面先が3,000m2以上(学校は8,000m2以上)の建物を特定建築物といいます、特定建築物においては、建築物環境衛生管理技術者の選任が必要です。複数の建物を兼任することも可能ですが、大都市になるほどニーズは多くなります。他の2つの違いをひとことで言えば、「質より量」です。理系というより、文理系の資格といえると思います。計算問題が苦手な人でも比較的とりやすい資格です。

建築物環境衛生管理技術者免状

職務としては、建築物環境衛生管理の監督業務となります。環境衛生管理基準の遵守のためなら、建物オーナーに対して意見具申する法的権限があり、オーナーはその意見を尊重する法的義務があります。

専門資格というよりも浅くはあるが広範な分野の知識が必要で、3つの中では最も取りやすい資格かもしれません。(ただし、室内空気環境については他のビル設備管理関連資格ではカバーされていないため、専門資格といえるかもしれません。)

一発試験で取る方法と、講習(修了試験あり。)を受けて取る方法があります。ビル設備管理を2年以上勤めれば一発試験の受験資格は得られます。受験料は13,900円で、合格率は10〜30%くらいのようです。一方、講習の受講には、空調管理などのビル設備管理経験が学歴や資格に応じて1〜5年の実務経験が必要です。受講料は108,800円、17日間で、合格率は90%くらいのようです。

私は令和6(2024)年度の国家試験にも申し込んだのですが、幸か不幸か退職して受講の機会を得たので、この資格は講習で取得しています。

講習会を受講される方むけに、実体験を元にした受講アドバイス記事を書いております。有料記事ですが、受講について具体的な情報が欲しいという方のお役に立てると思います。ぜひお買い求めください。

第三種電気主任技術者(電験三種)

私はこの資格を持っていませんので、集めた話だけになります。自家用電気工作物の保管管理に必要な資格です。建築物環境衛生管理技術者と同様、いや建築物環境衛生管理技術者が特定建築物に限られた必要資格だとすれば、電気主任技術者はさらに多くのニーズがあると思います。高校電気科卒相当の知識が必要、科目合格制度あり。昔に比べてとりやすくなりましたが、試験の難易度は高い方です。その他、高校電気科卒以上であれば実務経験による認定で取得する方法もあります。

難易度は高く、職務の責任は重大です。しかし、ニーズは多く、給与も高めです。将来的にも安定したニーズがあると思います。電気分野を強みにしたいと思う方は挑戦してみてください。

第二種冷凍機械責任者

三冷の上位資格です。電工一種、一級ボイラーとは異なり、取得には資格も実務経験も必要ありません。合格すれば免状をもらえます。三冷と同じく法的に必須という資格ではありませんが、熱源に関しての知識をもつ証明みたいなものです。資格手当も一級ボイラー技士以上の金額設定になっている会社が多いと思います。給与アップのためにも挑戦してみてはどうでしょうか。

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