キュアスカイvsシャア
ここでは、シャアが北欧の魔法美少女たちの心が壊れていく様子を察知し、アクシズ落としを決意する。しかし、それを止めようとするキュアスカイとの感情的でドラマチックな掛け合いを、さらに詳細に展開します。
シャア(クワトロ大尉)
「……見てみろ。彼女たちは、かつては輝いていた。希望に満ちた目で未来を見つめ、自分の力を信じ、戦うことを誓った。しかし、この世界が彼女たちに何を与えた?戦いに巻き込まれ、傷つき、絶望に打ちのめされている。彼女たちの心は、もう限界に近い……いや、すでに壊れ始めている。今も必死に耐えているが、時間の問題だ。このままでは、彼女たちは自らの存在すら否定するようになってしまう。」
シャアはアクシズを見上げ、淡々と語りながらも、その声にはどこか冷たさと決意が滲んでいる。
「だからこそ、アクシズを落とす。この地球という腐敗した世界を浄化し、再び希望が芽生える新しい時代を作るのだ。彼女たちがこれ以上傷つかないように、彼女たちの心を壊すこの世界そのものを壊すしかない。地球は滅び、宇宙で新しい秩序が築かれる。これが、唯一の道だ。」
キュアスカイ
「そんなの間違ってる!クワトロ大尉、どうしてそんなことを…!」
キュアスカイは息を詰まらせながら叫ぶ。その瞳には、シャアの冷徹な決意に対する怒りと、何とか彼を止めたいという強い意志が宿っている。
「彼女たちはまだ戦えるはずです!まだ救える可能性があるんです。どうして、そんな絶望的な方法を選ばなきゃいけないんですか!?アクシズを落とすなんて、そんなことをしても、誰も幸せにはなれません!」
シャア
「幸せ?君はまだそんな甘いことを言うのか。彼女たちは、すでに限界だ。誰が彼女たちを救う?誰が、この腐りきった世界で彼女たちを守る?どれだけ彼女たちが戦っても、この世界は彼女たちの純粋さを食い潰し、絶望を与えるだけだ。このままでは、彼女たちは自らの命すら投げ出すだろう。それを私は見過ごせない。」
シャアの声には、どこか哀しみも混じっていた。彼自身も、かつて同じように理想に燃えていた者たちが、戦いの中で心を失い、絶望に沈んでいく様を見てきた。彼女たちもまた、同じ運命を辿ると思っているのだ。
キュアスカイ
「違う!彼女たちは、まだ諦めていません!たとえ傷ついても、心が折れそうになっても、未来を信じているんです。それを、あなたが奪ってしまったら、全てが無意味になってしまうじゃないですか!」
キュアスカイは涙を浮かべながら、必死にシャアを説得しようとする。彼女の心には、何とかしてシャアに気づいてほしいという強い思いがある。
「彼女たちは、自分たちの力で未来を変えるために戦っています。たとえ今は苦しくても、まだ終わっていません。悲しいですよ、クワトロ大尉!あなたがそんな絶望に囚われて、すべてを壊そうとするなんて!」
シャア
「未来を信じる…か。」
シャアは一瞬、キュアスカイの言葉に耳を傾ける。彼女の言う通り、未来を信じて戦うことが無意味ではないのかもしれない。だが、それはシャアが何度も捨てた考えだった。彼が見てきた現実は、あまりにも冷酷で、希望を抱くにはあまりに過酷だった。
「だが、その未来が訪れる前に、彼女たちはどれほどの苦しみを味わうことになる?どれだけの絶望に打ちのめされ、心を壊されることになる?私はもう見ていられない。全てを終わらせることこそ、彼女たちを救う唯一の道なのだ。」
シャアはその場から動かず、冷静に言い放つ。その言葉は確固たる決意を示している。
キュアスカイ
「違う!それは、ただの逃げです!彼女たちはまだ戦っているんです。私たちが手を差し伸べれば、彼女たちはきっと乗り越えられるはずです。私も、彼女たちを守るために戦います。あなたも、一緒に戦ってください、クワトロ大尉!」
キュアスカイはシャアに近づき、その肩に手を置く。彼女の目は、まっすぐにシャアを見つめていた。そこには、迷いもなく、ただ信念と希望があった。
「彼女たちの未来を奪わないでください。たとえどんなに苦しくても、諦めないことが大切なんです。私たちはまだ戦える。だから、一緒に彼女たちを守りましょう。」
シャア(一瞬、沈黙する)
「……君は、まるでアムロのようだな。」
シャアは少しの間、沈黙した後、そう口にする。かつてのライバルであり、理想を抱き続けたアムロ・レイ。キュアスカイの姿に、その影を見たのだろう。
「希望を捨てず、未来を信じ続ける。その力がどれほど強いか、私は知っている。しかし、それだけではどうにもならない現実がある。私はそれを、この手で何度も見てきたのだ。」
シャアは目を閉じ、一度深く息を吐く。そして、再びキュアスカイの瞳を見つめる。
「……君の言葉が真実ならば、私は再び迷わされるのかもしれない。しかし、今はまだ、決断を覆すことはできない。私の手で作り出そうとしている未来のためにも……。」
キュアスカイ
「……クワトロ大尉。」
キュアスカイはシャアの目にわずかな迷いを見つけたが、それが彼を止めるにはまだ足りなかった。それでも、彼女は諦めなかった。彼女の戦いは、まだ終わっていない。