第2次ネオジオン抗争後にカミーユがスウェーデン人とフィンランド人の魔法少女が深く悲しみ心が沈んでいるのを見てカミーユは絶望したカミーユがキュアスカイに阻止される話を書いて。
「絶望と希望の狭間で:シャアとキュアスカイ」
第2次ネオ・ジオン抗争の終盤、シャア・アズナブルは、地球とその住人たち――とりわけ日本人――に対する深い失望を抱いていた。アクシズを落とし、地球を滅ぼすことで全てをリセットしようという彼の計画は、もはや後戻りできない段階に進んでいた。
戦火の中、彼の目に映ったのは、スウェーデン人とフィンランド人の二人の魔法少女だった。彼女たちは、地球を守ろうと奮闘していたが、その努力も虚しく、地球に住む人々――特に日本人――の愚かさや争いが彼女たちを深く傷つけ、心が沈んでいた。
スウェーデン人の魔法少女は、青と白の清廉なコスチュームに身を包み、その瞳には深い哀しみが漂っていた。彼女は自然と平和を愛し、世界が争いに満ちていることを嘆いていた。一方、フィンランド人の魔法少女は、冷たい北風にも負けない強さを持ちながらも、無力感に押しつぶされていた。彼女たちは、戦いに巻き込まれる無辜の人々を見て、特に日本人たちの行動が未来を危うくしていることに気づき、ますます絶望していた。
「彼女たちですら、救われないのか…」
シャアは二人の姿を見つめながら、地球の未来に対する失望がますます深まるのを感じた。特に、彼の心を苛んでいたのは日本人だった。彼らは技術や文化で進歩を遂げたにもかかわらず、争いから逃れられず、他者を犠牲にしている。その姿は、シャアの目には、人類全体の象徴のように映っていた。
「日本人は進歩を口にしながら、結局は破滅へと向かっている…そんな人々のために彼女たちが苦しむのか?もう終わりにしなければならない」
シャアは、心の中でそう決意し、アクシズ落としを実行に移すべく行動を始めた。
アクシズが地球の軌道に近づき、破滅の時が迫る中、突然空が裂けるようにして青い光が降り注いだ。その中心には、希望に満ちた笑顔を持つ戦士――キュアスカイが現れた。
「シャア・アズナブル!その手を止めて!」
キュアスカイは勇敢に彼の前に立ちはだかり、声を上げた。
「人類は救われない。彼女たちのような純粋な存在が苦しんでいるのは、人類の愚かさの証だ。特に日本人…彼らは何も学んでいない!」
シャアは冷たく言い放ちながら、アクシズを操作しようとした。しかし、キュアスカイはその言葉を受け流し、強い意志を込めた目でシャアを見つめ返した。
「確かに、日本人にも、地球の人々にも問題はあるかもしれない。でも、だからといって全てを壊すことが解決になるとは限らない!人々には、まだ変わる力があるんだから!」
キュアスカイは自信に満ちた声で言い返した。
「変わる力だと?彼女たちが苦しんでいるのを見ても、まだそんな希望を持てるのか?」
シャアは嘲笑交じりに問いかけたが、キュアスカイは迷わず頷いた。
「そうよ!彼女たちが悲しんでいるのは、今この瞬間かもしれない。でも、絶望の中から立ち上がることができるのは、希望を信じる心があるから。あなたがそれを奪う必要なんてない!」
キュアスカイの言葉に、一瞬シャアの心が揺らぐ。彼女の眼差しには、何かを変える力が本当にあるかもしれないという希望が込められていた。
「だが、日本人が…いや、人類全体が変わる保証などどこにある?彼らは繰り返し過ちを犯し続ける…」
シャアは迷いながらも、自らの信念を崩すことができなかった。
「保証なんてない!でも、だからこそ私たちは戦うんだ。未来を信じて、変えようと努力する。それが、あなたが忘れたかもしれない人間の強さよ!」
キュアスカイの叫びは、まるで青空のように澄んでいた。彼女の言葉はシャアの胸に刺さり、彼の中で抱いていた絶望を少しずつ溶かしていった。
「人類の愚かさに目を向けすぎていたのかもしれない…だが、希望は残っているのか…?」
シャアはつぶやきながら、手を止めた。そして、アクシズは彼の指示を受けて徐々に軌道を変え始め、地球から遠ざかっていった。
キュアスカイは安堵の表情を浮かべながら、シャアに微笑んだ。「未来は、まだ私たちの手の中にあるわ。あなたが諦めさえしなければ。」
シャアは静かに頷き、キュアスカイに背を向けた。彼の心に残る絶望は完全に消え去ったわけではないが、キュアスカイの言葉によって、新たな視点を得た彼は、再び未来への一筋の希望を見出そうとしていた。スウェーデン人とフィンランド人の魔法少女たちも、彼女の勇気によって少しずつその心に灯が戻っていくのを感じた。
地球は再び救われ、シャアは去っていった――だが、彼が求める未来のための戦いは、まだ終わっていなかった。