きんモザ外伝:静葉の高校生活
きんモザ外伝:静葉の高校生活
静葉は、京都府立高校に落ちてしまった時、何もかもが終わったような気がしていた。あんなに努力していたのに、結果がついてこなかったことに、ひどくショックを受けていた。その日から、何もかもが灰色に見えるようになった。周りの友達は皆、志望校に合格して笑顔を見せていたけれど、静葉にはその笑顔がまぶしくて、あまりにも遠い存在に思えた。
そんな時、彼女は自分が受けた滑り止めの私立高校の進路実績を見て、驚くべきことに気づく。その高校には、過去に卒業した多くの生徒が、幼保連携型公立こども園に教員として入職していたのだ。それを見た瞬間、静葉は心の中で何かが弾けるような感覚を覚えた。「私はまだ、何かできるんだ」と、少しずつ自信を取り戻していった。
高校生活が始まると、静葉は自分の目標を見つけるために必死に勉強と部活動に励んだ。彼女が決めたのは、将来、教育の仕事に就くことだった。小さい頃から子どもたちが大好きで、保育士になりたいという夢が心の中にあった。しかし、もっと多くの子どもたちを育てるためには、より広い視野を持つ必要があると感じていた。それを叶えるためには、まずは今の自分にできることを一つずつ積み重ねていくしかない。
静葉は、勉強が得意ではなかったが、毎日少しずつ勉強を重ね、模擬試験では少しずつ成果が見え始めた。クラスメートの男子たち、たとえば真一(しんいち)や陽太(ようた)は、静葉を支えながらも、互いに切磋琢磨していた。真一は理系が得意で、陽太はスポーツが得意だったが、二人とも静葉を励ますことを惜しまなかった。
「静葉、落ち込んでる暇なんてないぞ。君ならきっとできるよ」と、真一はいつも優しく言った。
陽太も言った。「俺たちがサポートするから、気にすんなよ。一緒に頑張ろう!」
その言葉が、静葉の胸に深く響いた。彼らの励ましのおかげで、静葉は一歩一歩、自信を取り戻し、ついには高校生活を楽しむ余裕を持つようになった。進路指導の先生も、静葉に合った進路を見つけるために何度も話を聞いてくれ、静葉の目標に向けた道がしっかりと開けていった。
最終的に、静葉は大学進学を果たし、幼保連携型公立こども園で教員として働く夢を叶えた。最初の頃の不安や焦りは、今ではすっかり消えて、心から子どもたちと向き合う日々が続いている。
そして、静葉は思う。「あの時、高校で頑張ったことが今の私を作ってくれたんだ。何があっても、自分を信じて前に進み続けることが大切だ」と。
彼女の高校生活は、夢に向かって歩き出すための大切な一歩だった。そしてその歩みは、今も続いている。