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リアルな学校の実態から始める働き方改革~業務の見える化~

学校のなかに働き方改革をすすめるコアチームをつくる。」ことの大切さを取り組みの糸口として2回に渡ってnoteを書いてみました。コアチームは、「働き方改革委員会」でも「働き方改革推進チーム」でも良いと思います。とにかく校務分掌、役割として担うチームが必要という話でした。

これまでの横浜市の取り組みでは、
前段として、調査したデータを先生方へフィードバックするというステップがあります。前回触れたようにデータについてはつぎのようの考えています。

実際のデータは、自校のものがベストとは思いますが、大凡の傾向を掴むためには、全てを自校のデータとならなくともあちこちでなされる研究の結果も取り入れていくことで賄っても構わないと思います。何故なら、大方の傾向は相似系の傾向を示しているとみて間違いはないと思うからです。ひとつ頭に入れておくべきことは、人員配置に関して財政基盤の盤石な地区と脆弱な地区では(単独で配置されている職員がいるなど)人員配置に差があるということです。
 例えば、取り組みについて取り上げている横浜市は、市の単独配置で「児童指導担当加配教員」がいたり、教科担任制への加配もあるようです。この点の違いはきちんと把握してデータを読む必要があります。教職員の人員が1人、2人異なるだけでも業務量は異なります。
 幸いにして、時間外在校時間等の記録は、ここ数年で各校ごとに記録されているようになっているはずですから、自校の生データに必要なデータを添えて、第一段階をスタートして、ステップを踏んでいくことは可能だと思います。

また、学校をサーベイする簡単な診断ツールを提供するとしています。こうした診断ツールも活用して、学校の働き方改革をどのようにすすめたらよいのか、得られるデータによって考えるという流れをとっていたようです。サーベイするツールも先行事例等で利用されたものを流用することはも可能だと思います。

学校現場は、文科省が執り行っている勤務実態調査といった調査もなされています。教員勤務実態調査(平成28年度)については、文科省のHPにその結果が公表されています。
教員勤務実態調査(平成28年度)の分析結果について (mext.go.jp)
教員勤務実態調査(平成28年度)集計【確定値】 (mext.go.jp)
令和4年度の実施した調査の結果は来年度公表される予定です。こうした様々なデータを利用することで大きな傾向、流れをつかむことができ有効だと思います。

あとは、思い切って、自校の実態を掌握することができればリアルな実態に合わせて改革・改善を図る理想的なステップが踏めると考えています。そこで思い描いていることは、経産省が、平成20年度に実証事業として、その実践を学校BPRと呼んでいる業務プロセスを見える化する取り組みです。

働き方改革再考① 「業務プロセス見える化~学校BPR⁉︎~」という打ち手|天邪鬼の眼|note
天邪鬼の眼~note~

H20年に取り組まれた経産省の実証実証事業では、企業の世界でも有名なボストンコンサルティンググループBCGというコンサルファームとIT企業のサイボウズが組んで実証事業として取り組み、学術調査なども併せていますので、事業に取り組んだ学校あたりにどれだけの費用が投入されていたのかは分かりません。
学校BPR|学校における働き方改革 | 未来の教室 ~learning innovation~ (learning-innovation.go.jp)

学校BPRの流れ
学校BPRは、
①実態把握、②課題の特定、③解決策の検討・導入、④解決策の評価、というサイクルを各学校が定期的に回すことが理想形
だとされています。
学校BPR|学校における働き方改革 | 未来の教室

こうした取り組みのコンセプトを踏襲して、どこの自治体、どこの学校でも手の届く働き方改革につながるアプローチとして取り組めないかと模索しています。学校BPRの流れに示される手順は、横浜市の実践とも類似しています。至極当たり前にも思える流れかもしれませんが、愚直に実態を把握することを通して、課題を認識し解決策を模索するしかありません。それを叶えるために、コアチームを作りなどサポートする組織体制を敷く必要があります。

現在、エクセルベースで、「業務見える化シート」中核市にある小学校で、来年度の実証にむけての準備を進めています。次の図が、個人用の入力画面で、文科省が行う勤務実態調査よりもビジュアルに特化し、入力にも知恵を絞り、割と簡便に行うことができるようにしています。持ち込んだ学校で試してもらったとろこ、これならやってもいいという感想をもらっています。とはいえ、業務の溢れかえる学校現場ですから、得られるものと追加する負担のバランス、先生方の気持ちを踏まえて取り組んでいく必要はあります。

「業務見える化シート」の入力画面

エクセルベース「業務見える化シート」は、取り組むこと自体が目的ではなくあくまでも①の実態把握にあたる手段です。②課題の特定、③解決策の検討・導入につながるよう得られるデータを使って何をするのかを考えていくことがシート活用の意義になると考えています。そして、いずれ④解決策の評価をする際にも活用できるかもしれません。

こうした取り組みを粘り強くやり続けるよう先生方の意識を醸成し効果を上げるのは、学校を運営する管理職の手腕にかかっています。


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