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【E3メンバーインタビュー】フリーランスエンジニアとして活躍するポイント

こんにちは、E3編集部です。本日は、フリーランスエンジニアとして20年近くのキャリアを持ち、現在はご自身で会社経営もされているE3メンバーの松尾 亮さんに、フリーランスエンジニアとして活躍し続けるポイントやキャリアアップの方法についてお話を伺いました。

会社員からフリーランスへの転向を考えている方、フリーランスとしてどうキャリアを形成して行くべきか悩んでいる方の参考になれば幸いです。

松尾 亮 さん(以下:松尾さん)
新卒からエンジニアとして2社を経験したのちフリーランスへ転向。Web開発やゲームの開発、データエンジニアリングを経験し、2019年に合同会社ふくふくを設立。(関わった企業:ヤフー株式会社、株式会社ドリコム、株式会社リクルートテクノロジーズ 他)

フリーランスになって、心にゆとりが生まれた。

本日はどうぞよろしくお願いいたします。
松尾さんは会社員からフリーランスへ転向した経験をお持ちですが、その際に感じたご自身の変化についてお話を伺えますでしょうか。

松尾さん:よろしくお願いします。一番の印象的な変化は胆力がついたというか、我慢強くなったことでしょうか。

働いていて苦しいときって「しばらくはこの仕事をやめられない」という気持ちが首を絞めていることもあると思うんです。ただ、フリーランスってよくも悪くも三ヶ月更新とかなので、やめようと思えばそのタイミングでこちらから辞められる。いつでも辞められると思うと、意外と心にゆとりが生まれて我慢できたりするんです。

さらに、もちろん正社員とフリーランスで収入は全然違うわけですから、収入が変わることによって我慢できることが増えるというのも実際すごくありますね。

自分の単価は、自分にしか上げられない。

ー 20年近くフリーランスとして活動してきた中で、気をつけていることや重要だと思うことはありますか?

そうですね、気をつけていることは「自分を追い込むこと」でしょうか。最近はフリーランスエンジニアの増加に伴って、その質も玉石混交であると感じます。働き方の自由度が高いのは大きなメリットですが、一方で自分自身を追い込めず楽な方へ流れてしまうとなかなか成長せず、中長期で見ると厳しくなってくる印象です。

ー 自分を追い込むという点で、なにか具体的なアドバイスはありますか?

具体的にいうと価格交渉とインプットの2点です。

若い頃は自分が一生懸命コードを書いてさえいれば、誰かがそれを評価して発注単価を上げてくれると思っていました。でも、誰もあげてはくれないです。基本的には自分が言わない限り単価はあがらない。だから、自分の市場価値という意味でも、自分を追い込んで値段を引き上げる努力をした方がいい。

極端なはなし、「値段が先」でもいいと思います。たとえその時は自分の技術が伴っていなくても、普通の責任感があればその値段につりあった動きをしなくてはいけないというマインドになる。そうすると自分の技術が値段につりあってくる。次のステップに行くときにはまたちょっと背伸びをする。それを繰り返すうちにちょっとずつ値段も上がってきて自分の胆力もつくし、自分の責任が重くなるので、それに見合う人間になろうという気持ちになってきます。

実はぼくがこれを始めたのは30後半なのですが、20代からやるべきです。そうすると、生涯収入の面積が全然違いますよ。

インプット量を意識的に担保する。

インプットについて効果を定量的に測るのは難しいのですが、Udemyやオンラインセミナーで常に新しい技術を受講するようにしています。

それを仕事で使わないと結局すぐに忘れてしまうのですが、仕事というのは基本的にアウトプットの場なので、出してばかりだと出せるものが減ってきてしまう。だからこそ意識的にインプット量を担保することは重要だと思っています。

最近の解決方法については若いエンジニアの方がよく知ってるので、教えてもらうことも多々あります。

エージェントはこう選び、こう使え!

ー フリーランスだと案件を獲得すること自体が1つのハードルにもなり得ると思うのですが、いいエージェントの基準や活用方法について教えてください。

いいエージェントというのは、「紹介するエンジニアをきちんと商品として理解している人」だと思っています。

エージェントは、いわば営業マン。少なくとも売り込もうとしてる商品の特性については、良さも悪さもしっかりと理解している必要があります。しかし、ことエージェント業となると「松尾さんって今何をされているんでしたっけ」といった質問を何度もされるなど、候補者への理解が不十分な人も多く存在するのが現実です。

ただ、そういうエージェントは面談時にすぐわかるので、「きちんと理解してくれて信頼できるな」と思える人を選べば基本的には問題ないと思います。

一方でエンジニアも、「エージェントはなにもしていないのにフィーをとっていく」と文句を言う人が一定数います。いまの話と裏表かもしれないですが、僕はお世話になったエージェントに対しては、基本的に「ありがとうございます、お世話になってます」というスタンスを大切にしていますね。

僕一人では売り込めないところに売り込んでくれているのは事実ですから、ここに対する感謝は絶対にした方がいいと思っていて。むしろこちらがどれだけ感謝しているかっていうことを、エージェントの方が察知して、この人のことはちゃんと売り込まなきゃなっていう風に思ってほしい。

お世話になったエージェントには、エンジニア仲間やお世話になった現場のお客さんの紹介も積極的にしています。こちらもエージェントに対して恩返しのように何か貢献をして、だからこそ営業頑張ってねって言うような健全なプレッシャーを与える。そのサイクルが両者にとっていい形なんじゃないかなと思っています。

フリーランスだからこそ構築できた人間関係。

ー フリーランスというと人間関係の希薄さを不安に思う人もいるかと思うのですが、その点についてはいかがですか?

たしかにフリーランスというと、良くも悪くも人間関係から解き放たれるように感じる人もいるかと思いますが、僕の場合は逆に仲間が増えていくイメージでしたね。

僕自身の性格として、話さないなら他人は他人でまったく話さないが、話し始めたら余計なことまでずーっとしゃべっちゃうみたいなタイプ。0か100かみたいな人間なんです。そうすると向こうもこちらの人となりがすぐにわかる。それで「まぁこいつなら付き合ってもいいだろう」と思ってくれた人たちがそれぞれの現場に一定数いて、彼らとは友達としてずっと仲良くしてもらっています。

だから今でも、会ってただ馬鹿話をして酒を飲んでみたいな仲間がすごくいるんです。たとえばリーマンショックのときにはさすがに仕事がなくなったりもしたのですが、誰かしらが仕事を探してきて助けてくれたりとか。そういったひと付き合いがたくさん生まれたのは、フリーランスで多くの現場に入ったからこそだと思います。

ー 大変勉強になりました、ありがとうございました。

まとめ

いかがだったでしょうか。全体を通して非常に学びになる内容だったのですが、個人的には特に「誰かが勝手にこちらのがんばりを評価して単価を上げてくれるということはない」という部分が刺さりました・・・。自分の市場価値をあげるには、自ら動く必要があるのですね。

ここまで読んでくださったみなさま、インタビューを快諾してくださった松尾さん、本当にありがとうございました。

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